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規制解除後の新たな災い!『旅日新災情』

これまで台湾人も含めた外国からの入境者全員に課せられていた隔離規制制度が、10月13日にようやく解除されました。また、一週間における入国者数上限も15万人に引き上げられ、同時に観光、ビジネス、商談会並びに展示会への参加、視察等を目的と する短期滞在であればノービザでの台湾渡航が可能となったこともあわせて発表されました。厳密に言えば入境後、7日間の自主防疫管理という制限はいまだに設けられていますが、今までの規制内容を考えると今回の緩和措置は、台湾もいよいよ全面開放に向けて大きく前進したと言える状況です。
日本からのノービザ旅行客受け入れが可能となったことで、私達台湾人も日本へノービザでの短期滞在が可能となりました。やはりノービザでの日本渡航が認められるということは、台湾の人達にとっても海外旅行における待ちに待った時機到来ということで 自然と気分の高揚感が高まります。
台湾のLCC航空会社では、この解禁機運を更に盛り上げようと早速日本、韓国、タイ路線のディスカウントチケット販売セールを開始しました。こうした中で迎えた10月13日の解禁日には、国外から20 あまりのツアー団体、244人のツアー客が台湾を 訪れ、その様子は各マスコミを通じて華々しく報道されました。特にタイと韓国のマスコミは、今回の台湾規制解除を報道するためにツアー客と一緒に台湾現地入りをしました。解禁後確実に各国からの活発な 人的往来が可能となることを予感させる報道内容に、台湾の人達もいよいよこれからは自由に海外旅行を楽しめる時が来たと期待しています。

【台湾の格安航空会社の広告(WEBより)】

<日本旅行にて遭遇する新たな災難とは>
一方で、こうした盛り上がりムードを一転させる 出来事が勃発しました。それは、一般消費者が折角苦労して予約した日本向けフライト便が次々と突然キャンセルされるという異常事態があちこちで発生していることです。予約していた日時に相次いで突然 渡航出来なくなるという状況を揶揄して生まれた 言葉が、今回のハッピーメールタイトルにもなった「旅日新災情」です。
この言葉の意味は要約すると、「規制解除後の日本旅行で遭遇する新たな災難」です。北海道、東京、  沖縄は、もともと台湾の人達に大変人気のある観光地です。これらの観光地を訪れる際に利用されるのが 新千歳空港、成田空港、那覇空港行のフライト便です。ただし、規制解除後に予約したこれらの空港行フライト便が予告もなく次々とキャンセルされ、こうした動きは他の地方空港行のフライト便にも飛び火することとなってしまいました。こうした事態に台湾の一般消費者も黙っているわけがありません。ネット上に抗議の書き込みが多数寄せられる大騒ぎとなり、社会的ニュースとして各マスコミでも取り上げられる社会問題にまで発展してしまいました。11月~12月におけるフライトスケジュールの混乱はやむを得ないとしても、その影響は、来年1月のフライトスケジュールにも及ぶのではとの見方もあります。
そもそもこうした事態を招いた要因には、現在の 日本側空港サイドの受け入れ体制を十分把握できていたのかという疑問があります。日本側も急ピッチで受け入れ体制を整えようと努力されてはいますが、 どうしても安全面及び税関検査、地上勤務スタッフ等のマンパワー確保には調整時間が必要です。またコロナ禍後は万が一、旅行客の中から感染者が出た場合の対応設備、施設等も準備し、整える必要があります。こうして離発着側、双方での協力、確認が改めて問われることとなり、台湾のLCC航空会社では、トップ自らが日本側関係部署との直談判に臨みました。1月の増便、日本側へのマンパワーの供給、すなわち応援スタッフの派遣まで提言していますので、事の実現 いかんにかかわらず、事態収拾は思ったよりも早く 訪れるのではと台湾では信じています。
 
<待ちに待った広島台湾便、来年運航再開>
11月4日から台湾最大規模の旅行展「2022ITF台北国際旅行展」が開催されます。台湾政府規制解除後初の大規模国際旅行展として、内外からの熱い注目を集めています。聞くところによると、広島国際空港も来年1月の広島台北便運行再開に伴い、今回の旅行展に参加しブースを設けられるとのことです。是非、旅行展開催中にはブースを訪れ、台湾の広島県人会のメンバー共々、微力ながら自分達の周りにいる身近な台湾の人達から広島国際空港及び広島の良さをアピールしていきたいと思います。

(台湾ビジネスサポーター 歐 元韻)

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