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4年ぶりの国際食品見本市

<4年ぶりの国際食品見本市>
東南アジア域内では最大規模の国際食品見本市「Food and Hotel Asia(FHA)-Food and Beverage」が2022年9月5~8日に開催されました。これまでは隔年で開催されていましたが、2020年は新型コロナウイルス流行の影響でバーチャルイベントとなり、リアルの展示会は4年ぶりです。コロナ対策の行動規制がほぼ解除され、出入国もコロナ前とほぼ同じに戻っている中、2,000社・団体以上が出展、海外パビリオンは56ブース設置され、大規模なイベントとなりました。
 
<代替たんぱく質エリアを初設置>
今回の注目は、初めて設置された代替たんぱく質商品エリアです。ロシアのウクライナ侵攻等で食料危機が懸念される中、世界中で注目の代替たんぱく質。シンガポールでは、主要なチキン輸入元であるマレーシアが、国内での価格高騰を受けブロイラーチキンの輸出を禁止していることから、代替たんぱく質への関心はさらに高まっています。私が試食したのは米国のImpossible Foods 社のハンバーガーパテ。大豆から作ったビーフパテは、ジューシーで美味でした。シンガポールの穀物商社Agrocorp International 社の代替たんぱく質事業部門であるHerbYvoreは、シンガポール工科大学(Singapore Institute of Technology)と、エンドウ豆から作るカッテージチーズ、緑豆から作る卵代替食品などを開発。これらを原料にして一切乳製品を使用しないチョコレートブラウニー等を試食に出していました。米国の大手食肉企業Tyson Foods 傘下の代替たんぱく質企業Fast Pride、スイスのネスレ傘下のHarvest Gourmet などの大手企業系列会社等、合計112社が代替たんぱく質分野で出展。日本からは、植物由来の代替卵を開発したUmami United 社が参加していました。
 
<石川県がお酒のテイスティングを開催>
FHAの飲料エリア“Pro Wine”の出展物はワインが主流ですが、日本酒を紹介する企業も数社ありました。また、Asian Culinary Institute と石川県の協力による、日本酒紹介・利き酒イベントも開催されました。ホスト役は、Asian Culinary Institute で料理学とホテル経営学を教える日本人シェフの楠橋俊介氏。日本酒の製造方法から異なる種類のお酒の味の違いなどを丁寧に説明されました。来場者はにごり酒から純米酒、吟醸酒などを堪能しました。

【試食で賑わうImpossible Foodのブース】
【日本酒テイスティング】

<10月にも食品産業関連展示会開催>
日本からは、ジェトロや高知県貿易協会を含め18社・組織が出展しました。
主催者によると、国内外からの来場者数は109カ国から6万人弱。国別データは未発表ですが、事前の来場登録によると、中国、香港、台湾、日本からの来場登録者は減少し、インドからの来場登録者が増えたそうです。来場登録者数が最も多いのは、マレーシア、インドネシア、フィリピンです。
ウィズコロナの中、着々とMICEイベント業界も活性化しているシンガポール。今年はこれから、日本食に特化した展示会、Food Japanが10月13~14日に、食品サービス業、ホスピタリティー行向けの機械機器の展示会、FHA HoReCa が10月25~29日には開催されます。
2018年までは隔年で開催されていたFHA、高い需要に応えるため、これからは毎年開催になります。

(シンガポールビジネスサポーター 碇 知子)

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