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「インドネシア駐在時の住まいの見つけ方(1)」

最近、私の知人がインドネシア駐在をすることになり、インドネシア駐在スタート時のアドバイスをする機会がありました。その中から、「インドネシア駐在時の住まいの見つけ方」について、今回と次回11月号の2回に分けてご紹介します。
日本とは大きく違うことがあり、ここでの失敗は以降の駐在生活に大きな影を落とすことになります。
 
<実際に住むのはアパート>
日本人の駐在員がインドネシアで住むところは、一般的には「アパート」と呼ばれる所になります。この「アパート」は日本でのアパートの意味とは少し違い、ジムやプールのある高級マンションを意味します。
 
<契約形態>
このような高級アパートは、1年契約で、家賃全額前払いが基本となります。私が入居しているインドネシア人の庶民が使うような高級でないアパートの場合、3か月契約等もあります。高級アパートは、家具、家電やキッチン用品に至るまで、基本的には備え付けであることが多いです。一般に、“furnished”と明示されています。
 
<住むエリアを決める>
まず、ジャカルタなのか工業地帯のチカランなのかの選択があります。ジャカルタは、レストラン、お店や習い事の教室等も多い一方で、駐在者が工業地帯へ通勤等をするため帰宅が遅れがちというマイナス点もあります。チカランを選択すれば、職住近接のため家族との時間が取りやすい一方で、平日の過ごし方が限定的というマイナス点があります。
次に、ジャカルタ市内であれば中央ジャカルタか南ジャカルタか、という選択があります。中央ジャカルタ(タムリン、セノパティ、スディルマン等)は単身者や幼稚園入園前くらいまでの子供がいる家族が多いです。基本的に駐在者の通勤時間重視で、渋滞にあわないようアパートを決めます。南ジャカルタ(ガンダリア、ポンドックインダー等)は、幼稚園以上の子供のいる家族が多いです。スクールバスが南のアパートに来る事が多い為であり、駐在者より子供の事が優先された結果だと思われます。ただし、MRT(都市高速道路)や高速道路の出入口が近い等の条件で状況は改善されます。
 
<アパートの重要性>
会社から家族用の車を用意してもらえるケースは稀で、渋滞も酷いことから、家にいる家族が頻繁に外出する事は想定できず、アパートに長い時間いることになります。このため、アパートに子供も含め運動する場所がある、ショッピングモールと隣接しているなども、とても重要になります。さらに言えば、日本人駐在員の家族同士が仲良くなり、情報交換や運動、場合によっては習い事の教室を開催して先生を呼んでくる等の活動などを通して、日本人の同志であるという感覚や、日本語の安心感を得ることができます。一方で、派閥を作って対立するという悪い面もあるようで、これを嫌って日本人の少ないアパートを選ぶ人も少なからずいます。
 
<アパートを探す>
日本人駐在員の場合は、最初の1か月は単身でホテル暮らしをし、その間にアパートを決めるケースが多いです。この時に特に注意すべきなのは、アパートで最も多くの時間を過ごすのは家族であるという点です。家族も物件を内見できれば良いのですが、それができない時には、ビデオ通話を活用したり、間取り図を共有する等の対応をとるとよいでしょう。私の場合、ネットでの情報収集や、実際にアパートに行き日本人駐在員の家族らしき方に「今度ジャカルタ駐在を予定しておりアパート探しをしています」と事情を説明し、いろいろと様子を教えていただきました。みなさん、詳しく説明してくださり、安心して物件選びをすることができました。

【駐在員が住む典型的なアパート】

(インドネシア/ジャカルタビジネスサポーター 中川智明)

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