戸隠は以前、行ったことあるのに、なんで、また行かされるんだろうと思った。
「なんか用事がありますか?」
と姫神様に聞くと
「以前、行った時は龍神見せてもらって喜んでいたレベルで、別に何にも用事は済んでいない。だから、また行ってもらう」
とのこと。
 丁度、夏越の祓えの日だったので、お蕎麦屋さんが、夏越の祓えの日に食べる、お饅頭のようなものを食べさせてくれる。
「これで半年の厄が落とせます。これから半年も良いことがありますように」
と言葉を添えてもらい、とても、ほっこりする。

 お蕎麦屋さんに元気を貰って、戸隠神社を4つ回る。二度目だと、時間配分や体力配分を適切にすることが出来、参拝にも集中出来る。
 それなりに雨が降ってきてるし、蒸し暑いので汗が噴き出てくる。内側からも外側からもびしょびしょになる。
 中社の摂社末社には、ちょうど参拝者が居なかったので、人払いをしてくれているということは、この辺りが何かあるのかな?と思ってキョロキョロしていると、
「看板よーく見て!」
との声。目の前にある、境内図をじっとみていると、樹齢700年と言われる三本杉があった。三本がまとまって植えられているわけではない。三本の杉が境内をたっぷり使って、一本ずつ植わっていて、三本で大きな正三角形の形を作っている。
 言い伝えでは、その昔、この辺り住んでいた漁師が人魚を捕まえ、しかも、その捕まえた人魚を殺してしまった。人魚の肉は食べると人魚になるか死ぬかと言われていたそうだ。その人魚の肉を家に隠し持っていたところ、息子3人がそれを食べてしまい、亡くなってしまった。漁師は亡くなった息子三人を弔うために3本の杉を植えたとのこと。でも正三角形に植えなくてもいいのに、なぜ、正三角形なのか。その中心は人が入れない境内の構造になっているのは何故なのか。しかも、狛犬も3セットもある。
 以前の三角鳥居のことが鮮明に思い出されて、ぞっとする。
 境内をぐるっと廻ってみる。。三角鳥居のルールとしては、三角の中に、井戸か池か、水を溜めるところが無くてはいけない。本殿、右奥にさざれ滝がある。三本の木で作られた三角からは外れている

 本殿、右手の資料館である、青龍館に入る。何か資料がないか調べるためだ。そもそも名前が「青龍」となっている。水に関係ないわけがない。でも、これも杉で囲った三角形の外にある。

 ふと、最近,観た映画「もののけ 唐傘」を思い出した。姫神様たちが、観たいというので、映画館に赴いた。原作は漫画だが、読んでなかったし、ポスターを見ると、やたらに派手派手しくて、疲れそうな映画だなと思っていた。観た後、30%くらいの人がしくしく泣いていた。姫神様たちも、しくしく泣いている。大奥のようなところで女性同士の諍いに巻き込まれた思い出があるらしい。姫神様とかはそっちに興味があったようだが、私は、その中で三角鳥居が出て来て、重要なアイテムになっていたことに興味を持った。結局、それが何なのか説明は無かったが、ある種の使い方が分かった。

 「三角、三角・・・」と思いながら、資料館をくまなく見て回るが、ピンとくるものは無い。初心に立ち返り、一本ずつ杉の木を見て回る。両手を幹にくっつけてエネルギーを貰っている人もいる。
 一本ずつ丁寧に見て回り、3周したとき
「それでいい」
と声がした。
 三本鳥居の時ほど、毒は浴びなかったが、どっと疲れた。

 そもそも戸隠は女人禁制だったので、あまり歓迎されていない感じはする。
 でも、奥社と九頭龍神社に行くと、私のエメラルドグリーンの龍は、とっても喜んでくれた。来て良かったと思った。普段暮らしている都会の荒い波動で龍も疲れていたのだろう、嬉々として飛び回っていた。

 夏といえば花火。どこか一つは参加することにしている。今年は隅田川の花火を知り合いのビルの屋上から見る予定だった。準備を手伝うために前日に行くと、ビルのオーナーが指をさして
「あれが吉原だ。有名な歓楽街だ」
と教えてくれた。
「どうしてそんなに流行ったのでしょう?」
と聞くと、オーナーは大笑いして
「知らないの?」
と笑いながら教えてくれた。江戸時代、参勤交代で来た下々の者は、吉原で楽しい時間を過ごした。今まで見たこともないような美女に会い、見たこともないような絢爛豪華な場所で楽しい時間を過ごした。それは内密に男性同士で伝達された。だから、参勤交代は皆、足取り軽く、嬉々として参加していたそうだ。
 そういう仕組みだったのかあと、なんかとても納得した。
 結局、当日は用事があって花火は見れなかった。今年は、どの花火に参加しようかな。

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