アドレスホッピングという言葉がある。文字通り、住所を決めずに、あちこち飛び回る生活スタイルのことだ。コロナで在宅勤務が可能になったこともあり、いろんな人が、トライしたし、それが出来るだけの環境が整ってきた。
 私は事務仕事なので、在宅勤務に切り替えられず、無理かなと思っていたが、一か月だけのお試しコースがあったので、年末年始のお休みの多い時期に、アドレスホッピングしてみた。

 ホテルなどと違い、基本的にセルフサービス。場所によっては、管理人が居ないので、シーツの着脱から自分でやる。掃除もセルフだ。
 温泉が好きなので、鶴巻温泉の近くの拠点に泊まってみた。弘法の湯で温泉を堪能して、翌日は、そこから出社した。体力があれば、これも楽しいかもしれない。
 次は、南伊豆の温泉のついている拠点に連泊した。管理人が居ないので、カギの受け渡しが大変だった。そもそもそこに行くのが大変だった。バスも、そこまで行くのが無くて、近くまで行くバスに乗り、運転手さんに心配されながら、なんとか辿り着いた。基本的に車であちこち回る人とアドレスホッピングは相性がいい。私のように車が運転出来ない人は、あまり向いていない。しかし、将来的な二拠点生活にむけて、どこがいいか、探すためにも、アドレスホッピングは面白い。南伊豆は、家に温泉があり、それも、海水の温泉。しょっぱいのだ。それまでの疲れが吹き飛ぶ素晴らしい温泉だった。クリスマスイブとクリスマスを、たまたま一緒になった女性と祝い楽しんだ。夜はすごい風で雲一つ無く、周りに人家が無いことから、降るような満点の星を楽しんだ。
 元旦からは吉野で過ごした。志を持って古民家を経営している方の拠点で、いろいろ行き届いていた。しかし、古民家は寒い。死ぬほど寒い。住むのは大変だ。吉野神宮や吉野の山々を回った。たまたま、一人で歩いていた、おじさんについて行き、あちこち案内してもらった。
 最後は京都の拠点に行った。そこは一部屋に4つの二段ベッドがあり、男女混合、8人で過ごすというものだった。私以外は全員外国人。奥の上の部分をあてがわれた。私のベッドの下はイケメンの若い男性外国人。どきどきした。
 ひととおりやってみてアドレスホッピングは満足して、足を洗った。これといって移住したいなと思えるところは無かった。体力のあるうちに一度やってみて良かった。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?