大難を小難に済ませてもらった伊勢神宮にお礼参りに行った方がいいという意見もあったが、とてもじゃないが、恐ろしくて、伊勢神宮に近づく気になれなかった。

 では、多賀大社が良いのでは言われた。お伊勢参らば,お多賀へまいれ、お伊勢お多賀の子でござる。と言われているらしい。イザナギとイザナミが祀られており、つまりアマテラスオオミカミの両親なのだ。また、秀吉が大事にした場所らしく、太閤橋も残っている。秀吉が大事にした寺や神社は、なんか、あっけらかんとして明るい印象がある。

 ついでに太郎坊宮、竹生島に行くという、欲張りなツアーがあったので申し込んでみた。

 太郎坊宮はオシホミミが祀られている。コノハナサクヤヒメ様の旦那さんのニニギ様の親だ。オシホミミの母親のアマテラスオオミカミに、オシホミミが地上を治めてくるよう言われたけど、地上がわちゃわちゃしてて嫌だ、行きたくないと断ったそうだ。それで、代わりに自分の子供のニニギ様に行かせたそう。だから、天孫の降臨ということになるわけだ。なんで、孫?って思ってたけど、つまりお父さんが任務放棄したのだ。
 太郎坊宮の奥宮に行く、直前に夫婦岩といわれるものの間を通り抜けないといけない。両側にそり立つ岩の間隔は80センチあるというが、もっと狭く感じる。しかも、心の汚い人は通れない、潰されてしまいますよと、添乗員さんが冗談をいうものだから、余計に怖く感じる。結構、段差の厳しい階段が続くので、ちょっとしたアトラクションのようで楽しい。昔は修験道が沢山いたというのも頷ける。

 次に多賀大社に行った。さっきの太郎坊宮とは違い、開けた感じの神社だ。ご神木の三本杉がとても立派だ。いつも通り、本殿はさっとお参りして、大事な場所を探して、境内をぐるぐるする。せっかくだからということで、ツアーで一緒の人、総勢6人で、そば舎で寿命そばを食べる。長生きできるそうだ。なかなかピンとくるところが無くて、もう一度、本殿に戻り、大難を小難にして頂いたお礼を申し上げた。

 ほとんど回りきったころ、境内の一番、すみっこに日向神社があった。これは式内社だ。式内社とは、平安時代の法律などをまとめた延喜式の中の神名帳に載っている神社だ。全国の神社2861社、3132座が載っている。神社は全国で15万8000か所以上あると言われているので、平安時代からずっとあると証明されている神社ということだ。それが、ここにある日向神社だ。
お祀りしてあるのはニニギ様。手を合わせると
「よく来たね。」
と満面の笑みでニニギ様が出てくる。沢山の桜の花びらを降らしてくれた。随分、お洒落な演出だ。
ツアーで一緒の6人のうち、霊感が強いと言っていた女性が、
「あ、私のために神様が雪を降らしてくれている。あなたたちには分からないだろうけど、すごいのよ。歓迎されているわ。悪いけど、私は一人で満喫したいので、先に集合場所に行ってて。」
と言い出した。コノハナサクヤヒメ様を歓迎する花吹雪なのに・・・と思ったけど、姫神様たちは、それでいいということなので、先に集合場所に行くことにした。

 菱屋の糸切餅が名物なので食べようということになった。店頭では、それを天ぷらにしたものが売っていた。アツアツで美味しかった。

 長浜から船に乗って竹生島に行った。ここもオシホミミが祀られている。勝負に勝ちたい人は参拝するといいらしい。

 夜は人が居なくなるので、必ず船に乗って帰るように言われた。こんな島に一人でいたら恐ろしい。ツアーの人達は竹生島をべた褒めしてたが、私は、いまいちピンとこない。弁天様や瀬織津姫様好きが、あれこれ説明してくれたがピンとこない。
「来ることに意義がある。」
と姫神様たちが言うので、腑に落ちた。あちこち行かされた所をグーグルマップでピン止めして、眺めてみる。
「回る順番もある。」
と言っているし、そこに法則性があるのかもしれない。
「また、戦いがあるのでお力添えを頼んでいる。」
とのこと。
「今度は何ですか?」
と聞くと
「月と三角。」
という、なぞなぞみたいな答えが返ってきた。

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