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美しい彼が本当に美しくて腰抜かした

缶もあるんですか…?いえ、直(じか)でください。

みなさんこんにちは。書き出しの一行だけで私のキモさがご理解いただけたことと思います。そんな私が今回お伝えしたいのは、78億人が視聴したと言われている日本BLドラマ「美しい彼」についてです。ダイソンよりも重いことに定評のある私の腰なので、先日シーズン1を見終わったばかりの浅学菲才の身ではありますが今の胸の昂りをここに記したいと思います。宜しくお願いいたします。

物語の主人公は、思うように言葉を発せない「吃音症」を持ち、幼い頃から周囲に馴染めず“ぼっち”を極める高校3年の平良一成(萩原利久)と、学校のカースト頂点に君臨する圧倒的カリスマ・清居奏(八木勇征)。クラス替えの自己紹介で緊張のあまり吃音が出てしまった平良だったが、絶妙なタイミングで同じクラスの清居奏が入ってきたことによって、クラスの空気が一変し、偶然にも救われる。そして平良は、清居を一目見た瞬間からその美しさに惹かれ、いつの間にか恋に堕ちてしまうのだった。クールで美しい清居のことを王(キング)と崇拝し、昼食の調達で使いっぱしりとされるも忠誠を尽くす平良。この感情は、憧れなのか、何なのか―。

あらすじ



2話までが鬼門

実は2話を見終わるまでに1年かかりました。なんの修行?とにかくクラスメイトたちの平良に対する弄りや無神経なノリが無理だったのと、清居がそんな人らを友人にしていることにモヤモヤしてしまい、入り込めずにいました。結局クラスメイトは3話以降登場しませんし、清居へのモヤモヤも次第に払拭されるため耐え忍ぶことが重要だとわかりました。あとはただひたすら清居の美しさを鼻から吸うだけ。苦難は忍耐を、忍耐は練達を、練達は希望を生むということを「美しい彼」は私達に教えてくれていたのです。素晴らしいですね。なので私と同じように途中で諦めてしまっているという方は、もう一度挑戦してみてください。トンネルの先には必ず光(清居)が待っています。




膝と腰にくる清居の美しさ

2話までは気づくことができなかった清居の本当の美しさ。清居という人物を知っていくにつれその美しさが外見だけのものではないことに気付いたとき、我々は自然と喜びの涙を流し膝をつき手を合わせ、平良となるのです。
崇め奉る平良の気持ちがわかればあなたはもう平良です。みんな平良。
2周するころには、1話で花びらとともに登場する清居がどっちが花びらでどっちが清居かわからなくなるでしょう。清居は世界の美しい花100選に選ばれているのでわからなくても仕方ありません。脳は正常なので安心してください。一応病院には行ってください。
美しく、孤独で、素直じゃない清居。クラスメイトといる時はいつもつまらなそうにしていた清居が、平良と出会ってからはいろんな表情を見せてくれました。平良を乱暴に突き飛ばすしスネ蹴るし口悪いし腹筋は8億個に割れているんですけど、平良にだけ見せる清居の喜怒哀楽がとてもかわいく愛おしいです。傷ついたときに揺れる瞳も、平良に振り回されて泣きそうに歪む眉も震える声もすべて美しい。特に私が感動したのは、最終話で清居が1本ごとに5億の保険がかけられている指を怪我してしまう伝説のシーン。戸惑いと欲情と熱が入り混じった清居の表情は、難攻不落の城を陥落させリュウゼツランの花を毎日咲かせ開かずの扉を全部開ける力があります。不思議なのは、それを間近で見ていた平良が生きていることです。ふつう死にます。
そしてラストシーン、清居が平良に対して言う「キモッ」にめちゃくちゃ愛情が込められていて、ジーンときました。言っておきますけど、キモさでいったら平良より私の方がキモい自信ある(突然のマウント)。




平良の頓珍漢

清居を神のように崇め自分とは絶対に交わることがないと信じているから、清居の気持ちが自分に向けられていることに気付けない。それは理解できる。それでも、こんなにも美しい彼が全身全霊で感情を吐露し気持ちをぶつけているのに、最終話になってもまったく伝わっていないのはさすがに天才。そう平良は天才だったのです。凡人に天才の思考回路が理解できないように、平良に普通の感情を望むのは戦争をなくすより難しいですし、普通の平良ではおそらく清居の心を掴むことはできなかったでしょう。
自分だけに注がれる絶対的な愛情、唯一無二だと訴える眼差しがずっと欲しかった清居。その理由はちゃんと描かれている。平良の心は自分のものなのに、自分の心は受け取ってもらえない。どうしても焦がれてしまう理由もある。そして平良も、何にも心を動かされることのなかった自分の世界をたった一瞬で変えてしまった圧倒的な光に救われている。小山くんが「理由なんてないけど好きって1番強い」と言っていますが、ふたりの間にはちゃんと理由が存在していると思う。だからこそこのドラマには説得力がある。魅了させる力がある。平良の頓珍漢に乾杯。




みんなで引き潮に乗ろう

「まるで引き潮に乗せられたみたいな感覚。引力めいたものに引きずられて、彼から目が離せない」
これは平良が清居を初めて見たときのモノローグでの比喩。最初は何て?って思ったんですけど、気づいたら私も余裕で乗っていました。
原作は未読なのですが、結構改変があるようで元々の原作ファンからは賛否両論あったりするのでしょうか。だけどこの作品、とても丁寧にリスペクトを込めて作られているように感じました。役者さんたちも素晴らしかった。最初から最後まで本当に美しいドラマでした。

これからシーズン2、映画、原作、noteの考察拝読と忙しくなりそうです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。


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