妄言椿玉袋1 恐怖・恨まれ男

今日は俳優宮本真一が死んだ日である

宮本真一はかつて1996年闘魂映画祭で
ハートフル男優賞を受賞した栄光ある俳優だったが

その裏では、当時売れはじめだった
歌手・金見奈美子に飲酒を強要したりなどの
問題行動が問題となっていた

──金見奈美子は急性アルコール中毒で
18歳の若さでこの世を去ったが
因果関係ははっきりしていない──

そのほかにも事務所の金を盗み
ギャンブルに注ぎ込む等という行動も見受けられた

業界に長く携わってきた映画監督で
先の1996年闘魂映画祭では
ハードボイルド部門の審査員を勤めた
田所知康氏によれば

宮本真一は一言で言うなれば
恨みを買い溜めする男だったという

「彼は素晴らしい俳優だったけれど、俳優以外の彼は全くのいけない人間だったんだなあ。ぼくは一度彼と酒を呑みに行ったことがあったけれど、1998年の頃合いの、あの事件は彼が犯人を煽ったから起きた事件なんだ」

彼は言う

1998年の頃合いの事件と言えば
当時何度もテレビで流れていた
「居酒屋まるいえ斬り付け事件」のことだろう
怒りに狂った犯人が厨房に殴り込み
そして柳刃包丁で店内にいた
サラリーマンを何度も斬り付けたのだ

田所知康氏によれば
宮本真一は「おもしろい!」と何度も笑ったという

宮本真一氏の妹で
現在公開中の「ダンスホールと珈琲缶」の主人公を演じる
しばもとこ氏によると


「あの人は演技にリアリティを求める人。たぶん、あの人がどんな映画であれ、殺人鬼の役を演じるなら、本物の殺人鬼の息遣いから顔付きといったすべてを真似したい人だった。兄は昔子役時代に同級生を殺す役を演じることになったことがあったけれど、その時、兄の学校で、兄のクラスメイトが一人行方不明になりましたね」

宮本真一氏は役者の神に取り付かれていた
と言うフウにしばもとこ氏は語った

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