見出し画像

48歳のおばさんがジーズアカデミーでプログラミングに挑戦した奮闘記

それは「中年の危機」から始まった

中年の危機とは、人生の折り返し地点に差し掛かり、自分自身を振り返る時期を迎え、今までの自分とこれからの 自分の狭間で「このままでいいのか」と不安や葛藤を抱え、不安定な状態になることを指す。

私は地方都市の中小企業で働く、フルタイムワーキングマザー。家族は夫と娘が二人。不遇の世代と言われる団塊ジュニアの氷河期女子として生きてきたが、不遇なりに職場や家庭に恵まれ幸せに暮らしていると自覚していた。
そう、中年の危機が訪れるまでは。

人生100年時代、働かないおじさん、役職定年、セカンドキャリアなど、世の中は中年の危機を煽る言葉に溢れていた。
そして、それらに対抗するかのように、アンラーニング、リスキリング、越境学習、副業・兼業といった言葉もよく見かけるようになった。

中年の危機にどっぷりハマってしまった私は、リスキリングでどうにかこの危機を回避しようと考え、辿り着いたのがジーズアカデミーだった。
アイデア試験を経て、週末集中DEVコースの門を叩いた。

コンフォートゾーンの外側へ

相応の覚悟を持って入学したつもりだったが、ジーズアカデミーで学ぶことは私の想定の100倍くらい難易度が高かった。

最初の講義は2022年4月2日。いきなりついていけない。不安で仕方がない。
先生の講義を聴きながら「昨日(4/1)入社した新卒の新入社員はこんな気持ちなのかなぁ。もうすっかり忘れてたよ。私の部下に配属されたら絶対優しく丁寧に指導してあげよう。」そんなことを考えていた。

私の挑戦はコンフォートゾーンの外側へ、ちょんとつま先でタッチしつつ、様子を見る予定だったが、そんなことはお構いなしに初回の講義でぶん投げられ、コンフォートゾーンの遥か遠くへ放り出されてしまった。

そんな状態でも、相変わらず講義の内容はわからないまま回数だけが、どんどん進んでいく。先生や担任、チューターのアドバイスは、

「わからなくても繰り返し動画を見て、写経をしよう」
「そのうちわかるようになる」

というものだった。

写経とはお手本のコードをそっくり真似てそのまま入力し、再現することを指す。早速、言われた通り動画を見て、写経をした。

しかし、いつまでたっても「わかる」ようにはならなかった。
写経をやってみても、タイピング練習と何ら変わらない。
全然内容が入ってこない。頭の中で懐かしのテツandトモの歌が聞こえる。

写経してるのに、大量のエラー出るのなんでだろう???

自分なりの勉強法を探る

このままじゃ二進も三進もいかないわけで、勉強方法を見直した。
「Udemyとか買った方がいいんでしょうか?」と担任に相談するも、「まずは講義動画でしっかり復習してください!」と返される。
そりゃそうだ。講義内容も理解できないのに他の教材に手を出してどうする。とはいえ、同じ動画を繰り返し見るのは飽きてくるし、講義のアーカイブ動画は4時間もある。

ふとクラスのSlackに誰かがリンクを貼ってくれた、ジーズアカデミー学校長の山崎先生のYouTube動画が目に留まった。

藁にもすがる思いでリンクをクリックしてみる。

え?何これ?めっちゃわかりやすい!!

あまりにわかりやすかったので、メモをとりたくて、咄嗟に手元にあったスケッチブックにコードを書いて、その上下に先生の口頭解説をそのまま文字に起こした。

コードの手書き写経と解説内容のメモ

これが非デジタルネイティブな私のプログラミング学習の基本スタイルとなった。

深夜のもくもく部屋

ジーズアカデミーの受講生は、大きく分けて2種類に分類される。

ひとつは、何か知らんけど初心者でもセンスあるプログラミングGEEK勢 
もうひとつは、初心者なりに一生懸命食らいつくプログラミング凡人勢

ジーズアカデミーが推奨するP2Pラーニングのお陰で、凡人勢はGEEK勢に教えてもらいながら学習することができる。

GEEK勢とはいえ、先生やチューターなわけではないので、凡人勢が書いた意味不明なコードに出現するエラーを解消するのは至難の業だ。

1人が抱えるエラーをみんなで画面共有しながら、エラー解消方法を調べていく。例えば「ボタンを押したら、次の画面に遷移して音楽が流れるようにしたい」とする。でも画面は遷移するけど、どうしても音は出ない。

「XX行目のコード、YYYの部分、ZZZに変えたら、どうなりますか?」
「ダメです。。。鳴りません!!」

こんなやりとりを延々やって、もう永遠に音楽なんか鳴らないんじゃないかって絶望しかけた時、ボタンを押すと、ついに曲が流れた!!

「鳴ったぁああぁぁあ!!!!」

深夜のもくもく部屋は歓喜の声に満ち溢れ、眠気もあって、変なテンションで最高に盛り上がる。

こんな夜をいくつも乗り越えて同期が仲間になっていくのを肌で感じた。
振り返ってみると、講義フェーズで毎週の課題をやってる頃が一番楽しかった気がする。

卒業制作の企画、開発、そしてデプロイ

講義フェーズ期間中に、卒業制作でどんなものを創たいのか、事業企画を考える特別講義や、壁打ち会、プロトタイプ作成といったプロセスを踏む。
私はDEVコースのカリキュラムにはない、UnityとC#でARのスマホゲームを創ることにしたので、ここでようやくUdemyを購入した。

もちろんUdemyだけで卒業制作は創れないので、様々な方の力を借りた。

  • 1期前の先輩でUnityで卒業制作を創った、カリスマエロゲークリエーター

  • LAB7のGEEK勢で、C#がめちゃ書けるもくもく部屋の神

  • XR技術に興味がある人たちが集まった、ジーズの卒業生コミュニティ「GsXR」の先輩方

  • 講義資料がこれ以上ないほどわかりやすいAR Fukuokaの主催者

特にカリスマエロゲークリエーターにはお世話になった。Unityの基本操作からコードのエラー潰しまで、本当に根気よく付き合ってくれた。
深夜のもくもく部屋で、27歳という若くて健全な男子に、プログラミングの手ほどきを受ける48歳のおばさんの構図は、今思うと可笑しな光景だが、これこそがジーズコミュニティーの素晴らしさなのだ。

卒業制作期間はメンターさんとのメンタリングも始まる。私のメンターさんは福岡のスタートアップ創業者で、11期連続で黒字経営している老舗プレイヤーだ。メンターさんとの対話の中で印象に残っている言葉を紹介したい。

私:「コードを書いてみて、エラーが出て、ようやく解消したら、何か思ってたのと違う動きをするんです。コードって動かしてみてやっと書いてる意味を理解するものなんですね。」
メ:「いや、実は会社経営も同じで、経営してみて初めてわかるってこと、いっぱいあるんですよ。」

そうなのか!!!
順調に会社経営されてきたように見えるメンターさんも、試行錯誤を繰り返した末に現在に至っていると知り、とても親しみを感じた瞬間だった。

色んな方の力を借りつつの開発ではあったが、卒業制作も後半に差し掛かってくるとエラーが解消できなくても、慌てなくなっていた。

明後日あたりの自分が解決するだろうと思えるようになり、エラーは一旦横に置いといて、他の機能の実装を優先し、工程を組み替え、隙間でちょこちょこ調べてるうちに解消できるようになっていた。

卒業認定の要件満たす基準として、プロダクトがデプロイされていること、というのがある。私の場合はプロダクトをスマホにビルドして、実機でテストしてもらい、無事卒業認定を受けた。

応援してくれた家族に感謝

ジーズアカデミーで学んだ半年間は、家族にも不自由をさせた。淋しい思いをさせてしまったし、何かと不満もあったようだ。

それもそのはず、、

平日の夜と週末は、ママは仕事部屋に引きこもって出てこない。
子供たちには「早くお風呂に入りなさい!」と言う割りに、ママはテレワークだからと言って、2、3日お風呂に入らない。
子供の土曜登校日を毎回忘れてしまい、今年度は一度も登校させていない。
夕飯は連日生協の冷凍食品が食卓に並ぶようになり、たまに手作りすると「え?今日はママの手作り?」と驚かれる。

こんな荒んだ暮らしの中でも、家族が応援してくれたのは、毎週の課題や卒業制作で動くものを見せることが出来たからだと思う。

会社でも何やってるかわからない人の仕事は、応援も協力も出来ない。家族であってもそれは同じ。情報開示は大切だ。そんな時「今こんなことを勉強して・・」と細かい説明はいらない。開発途中のものを出来たとこまで見せるだけで良かった。論より行動(CODE)は家族の理解を得るのにも有効だ。

週末、たびたび子供たちを外に連れ出して、私が開発に集中できる環境を提供してくれた夫には感謝しかない。心からありがとう。

それぞれの卒業制作の裏にドラマがある

ジーズアカデミーでは半年に一度、GLOBAL GEEK AUDITION(以下、GGA)と呼ばれる、プロダクトデモを発表するピッチイベントが開催される。

GGAに出場するのはセレクションと呼ばれる予選を通過した受講生のみ。

私は残念ながらセレクションで落選してしまったが、現時点で私が持ち得るリソースは、全投入したのでやりきった感はあった。

GGAに出場する人も、落選してしまった人も、エントリーしなかった人にも卒業制作の裏にはさまざまなドラマがある。卒業制作提出の2週間前に家族でコロナに感染した同期もいた。

それでも最後まで諦めずに走りぬいた仲間全員を誇りに思う。

新たな挑戦への大舞台

ジーズアカデミーでの半年間の学びの集大成となるGGAがいよいよ明日開催される!!

出場するメンバーはきっと今もピッチ資料やデモ動画を少しでも伝わりやすくするために、手を動かしているに違いない。
私も応援の気持ちを形にしたくて、先延ばしにしてたnoteを書くことにした。
みんなガンバレ!!絶対に出来る!!

最後はこの応援ソングで締めたい。胸アツの舞台を期待している!!!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?