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”動ける自分”でいるために大切にしていること

人が動けない理由の一つが「怖い」という感情だ。それでは、なぜ怖いと思うのか。辞書によると、怖いの意味は、

  • 危害を加えられたり、よくないことが起こりそうで、近づきたくない。

  • 悪い結果がでるのではないかと不安で避けたい。

  • 不思議な能力がありそうで不気味。

要は「自分の理解を超えていて、どんなことになるか分からない。だから怖いと感じる」ということ。そう、人は分からないものに対して恐怖を感じる。だから動けない。逆に言えば、分かれば恐怖は解消して動けるようになる。

自分自身を振り返ってみたときも「どこにいるのか分からない」「
どこに行きたいの分からない」そんなときは、不安で一歩が踏み出せない。反対にこの二つがわかるだけで、随分と気持ちが楽になって、前に進んでみようという気持ちになれる。

だから行動イノベーションのコーチングでは、今の自分の居場所「現在地」、どこに行きたいか「目的地」、さらに、どうやって辿り着くか「ルーティング」を重視する。これは、いわゆるスリーステップのことで、以前、記事にした。

今日は、人が動くために必要な「現在地」「目的地」「ルーティング」のうち、ルーティング、その中でも

ペース感

について深掘りしてみようと思う。自分の現状も、辿り着きたい場所も分かっている、そんな人がよりスムーズに進んでいくためのヒントになったとしたら、嬉しい限りだ。

ぼくがよく受ける相談の一つに「仕事でこんな風になりたいのだけれど、どうしたらいいですか」といったものがある。

例えば、「スキルを身につけて、今は一人ではできないことを、サポート無しで終えられるようになりたい」とか「もっと大きな視点を身につけて、多くの人をまとめたい」といった感じだ。

そして、そんな相談を受けたとき、ぼくが確認するのが、

どれくらいの期間で達成したいと思っていますか

半年で達成したいのか、それとも3年なのか、期間によってその進め方に大きな差が出る。その人の状態にもよるが、半年で達成したいとなれば、かなりのエネルギーを注ぐ必要がある。3年かけてもいいと思っているのなら、比較的余裕を持って取り組める。要はペース感の確認だ

そして、例えば3年で達成したい人ならば、逆算して2年後はどんな状態になっていたい? それでは1年後は?と質問して、具体的なイメージを広げてもらう。

面白いのは、ペース感が具体的になると、希望期間を変更する人が一定数出てくる。「そんな急なペースでは無理ですね。大体、勉強する時間がないです」とか「そんなにのんびりやっていられない。もっとガツガツやっていきます」とか、自分の「途中状態」がリアルになって、本当に望むものがクリアになったというわけだ

ここまでくると、じゃあ、具体的にどんなことから始めていきましょうかか、という話に移れる。移れるのだが、その前に、ということでぼくが最近、重視しているのが、

「未到達の状態」について話す

例えば、半年で目標を達成したいとする。その場合、未到達の状態が半年間続く。その間の気持ちを想像してもらうのだ。

「きっとすごく大変だと思います。仕事がある中で、かなりの時間を勉強に使わないといけないですから。辛い時期もあると思います。けれど、目標を達成した時を想像して、頑張りたいと思います」

なんて話が出る。

逆に3年で達成しようとする人は、3年間の未到達状態だ。

「時間がかかりますね。多分、道のりの長さに焦ってしまったり、諦めそうになってしまうかもしれません。それにこのペースだと、仕事の現場では、なかなか成果を感じられないかもしれません。でも、自分にできるペースはこれくらいなので、まずは落ち着いて取り組みたいと思います」

ネガティブにもなりがちな、こんなことをなぜ話してもらうのか。それは、話すことによって未到達の状態が「分かる」からだ

分かっていれば受け入れられる。

当たり前の話だが、何かに向かって進んでいるとき、調子がよければ心配はいらない。問題が発生するのは、思ったような成果が出なかったり、続けるのが苦しくなったりと、うまくいかなくなったときだ。そして、そんなとき多くの人が言うのが「こんなはずじゃなかった」。想定外だったと言うわけだ。

ただ、考えてみてほしい。半年でやろうとすれば、負担が大きくて大変なのは当然だし、3年でやろうとすれば、未到達のフラストレーション期間が長い。それは最初からわかっていたことなのだ。

だから話してもらう。そして、計画を立てる段階で、そういうことが起こりうると言うことを分かっていてもらう。そうすれば、そのときになって動けなくなるリスクを減らすことができる。ゼロにはできないけれど、自分の現在地を見失って、どこに進めばいいのかがわからなくなって、結果、怖くなって、動けなくなるリスクは減る。

分かっていれば対策の取りようはいくらでもある。前もって気持ちをコントールする訓練を取り入れてもいいし、ペース自体を変更してもいい。実際、ペースの変更をそもそもの計画を否定、受け入れ難いと思う人も多いはず。でも、最初から「分かっていれば」そのハードルだって相当に低くなる。要は、事前にうまくいかないことを想定して、バックアップブランを考えてもらうための導入。備えあれば憂いなしというわけだ。

今日は、目標に進んでいくときのルーティングについて深掘りした。

  • ペース感

  • 未到達状態

ぜひこの二点を押さえることで、スムーズにゴールに辿り着ける人が増えたとしたら、それに勝る喜びはない。気に入ったら、試してみてはいかがだろうか。

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