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私と釣り(1)

私が釣りを覚えたのは3~4歳の頃だ。
当時家の前に防火用水のため池があった。同年代の男の子たちはそこで鮒釣りをした。竿は竹の延べ竿で自分の背丈の2~3倍はあったと思う。

毎日、米櫃にくっついたコメ粒を一握りし、それを餌に小鮒を釣った。
池の周りにはキイチゴが群生しており、腹が減るとそれをもいで食ったものだ。

冬の寒い時期以外は毎日釣りをした。
いつも小さいバケツに小鮒をいっぱい入れて持ち帰った。
『ケイちゃん。今日もいっぱい釣れたな…』
『ケイちゃんは釣りが上手やな!』
祖母はそう言って、それを七輪で素焼きにして甘露煮を作ってくれた。

これが私の初めての成功体験といえる。
自分の得意なフィールドでスキルを上げていく楽しさ、獲物を得る楽しさを知った。

小学生になるころには行動範囲は広がって近くの川で鯉や雷魚、ナマズを釣るようになった。中学生になる頃にはフィールドは海に広がっていた。近くの堤防でアイナメやカサゴやセイゴ(スズキの幼魚、セイゴ⇒フッコ⇒スズキ)を良く釣った。

釣りの面白さは、フィールドをどんどん広げていけること、そして自らのスキルを上げれば直接釣果につながることだ。
初めてのフィールドではボウズのこともよくあること。
そんな時は、必ずよく釣れているベテランのオジサンの釣り方を観察したり、直接聞いてみる。

釣り好きのオジサンに悪い人はいないもので、必ず親切に教えてくれる。殆どの釣り好きオジサンは自らの釣道を語りたくて仕方がないようだ。

こうして失敗は必ずフィードバックさせて自らのスキルに落とし込んでいく。

こうして、私は自分の人生の切り開き方を釣りから学んだ。




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