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チビとあたし 正誤病者のうつうつ是好日

チビは多分、生後3ヶ月くらいに見えた
黒猫だった

ごみステーションで、ドロドロした謎の
ボンドのような液体で、全身をてらてらと濡らしていた

仕事に向かわずに行かず、ひざ掛けで包んで
車に乗せた

職場の裏にヤブの動物病院があって、
そこに連れて行くと、
ベタベタは乾いて、カピカピになっていた

丸刈りにしましょう
いえ、結構です

とりあえず店に(職場)に連れていき、
ダンボールに座布団やらタオルなんかを詰めて
チビを寝かせた

仕事が一段落したら、体洗ってあげるからね
ちょっと我慢しててね

実は、数年前にずーっと飼っていた黒猫をなくし
初めての猫との別れだった

チビとの出会いは運命かもしれない
なんとしても助けたいと思った

仕事がちょうど暇で、チビをお風呂に入れ、
シャンプーするとはカピカピは取れた
チビは全くの無抵抗

ドライヤーで乾かすと、ほわほわの毛
良かった…

季節は夏から秋に移る時期
夜は冷え込む
ペットボトルにお湯を入れて、即席湯たんぽを作った

もうちょっとで仕事終わるからね
そしたら家に行こうね

自力でご飯食べれるかな?
食べれなければシリンダーで注入するが…

最初は食べなかったのでシリンダーで注入
ちょっと抵抗しつつも少しは食べた

チビも疲れてるだろう
ちょっとひとりにさせて、2時間ごとに様子を見て、湯たんぽ取り替えて

あたしの部屋に連れてゆき、枕元で寝かせトイレも隣に置き、タイマーをかけ眠りについた

あたしはチビとのこれからの人生を夢見て
ワクワクしていた
いっぱい可愛がるからね
明日はちゃんとした病院に行こうね

昼頃、目を覚ますと
簡易ベッドからトイレに行こうとする体勢で
ぐったりしていた

チビを抱き上げると、もう呼吸はなかった
発狂泣きした、叫んだ
悔しい、ごめんなさい、ごめんなさい、チビ

甘く見ていたんだな、シロウトが
仕事遅刻しようがちゃんとした病院に最初から連れていけば良かった、馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿!

きみとの生活、ホントに楽しみにしてたんだ
きみを助けてやれなくてごめんなさい

それでも、また、猫を飼ってしまう
今度は間違えないように
自分を戒める


読んでいただいてありがとうございますペコ

またお会いできればうれしいです✨

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