サブマリナーの記憶

潜水艦乗組員だった時の思い出を語っていこうかな。

◎一番の楽しみは、やっぱり食事
窓が無い長期間の艦内生活では、やっぱり舌が肥える。1日4食も提供されるのは非常に嬉しかった。ステーキが出る日は、焼き方を1人ずつ聞いてくれて「レア、ミディアム、ウェルダン」の単語が活気付く。発令所は、ステーキ臭をまとった作業服を着た者で溢れる。

◎勤務は過酷だ!
ある実体験。長期間の任務後、久しぶりで陸で自転車を漕いだ瞬間、太ももが攣りかけた。長い間有酸素運動せず、海中にいたためだ。太陽を浴びることなく、3段ベッドの一つに押し込まれ、人口密度が高い艦内で仕事をしたり、生活するのは過酷。

◎不潔な者は嫌われ、マークされる!
狭い艦内だとニオイに敏感になる。足や体が臭い者は周囲に噂されるから注意が必要だ。消臭スプレー持参しようね。

◎潜水艦を降りたいと思っている者は多い。
過酷な環境下でストレスが溜まる仕事をしてるわけだから、それは自然に思うこと。たくさん人を育てても、生き残るのはわずかな乗組員だけである。これが現実。だから女性乗組員にまで門戸を広げ、人をかき集めている。

◎パワハラや軽度な暴力はある。
やっぱりメディアに取り上げられる事例は大ごとなケースで、小さい事例も含めれば現場では当たり前のようにある。ただ、これを事件化するとなれば、幹部の負担も大きくなるし、職場に顔を出しにくいという心理もあるから、やっぱり被害者は泣き寝入りに近い行動をする。俺もたくさん見てきた。

◎一番稼ぐ艦乗りは、横須賀の潜水艦乗りだ!
潜水艦は呉と横須賀にあるのだが、給料面が少し違う。乗組手当は、基本給×45%はどちらも変わらない。ただ、横須賀はこれ+地域手当の10%が上乗せされる。つまり、横須賀の乗組員は基本給×55%だ。横須賀の護衛艦乗りでも33%に+10%で43%である。

◎2曹という階級が一番美味しい。
3曹までは雑用も多いし、上司に気を遣う。2曹になれば、ある程度自由な行動をとることができ、責任も大きくない。1曹以上は○○員長となるため、責任もあるし、CPO(先任海曹室)に拘束される時間が増える。

◎艦の殺し屋専門
護衛艦等と違い、災害派遣などの任務はない。有事に備え、相手艦を倒すか、倒されるかの訓練を行っている。海の忍者は国防の要だ。


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