![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/104315215/rectangle_large_type_2_65e70569e5d5390bcda4c67658818366.png?width=800)
【男性注意】前立腺がんが急増している「意外すぎる理由」
【男性注意】前立腺がんが急増している「意外すぎる理由」
前立腺がんの意外な話
日本では前立腺がんが急増しており、男性のがん発症率の1位を占める病気となっています。将来的にも増加が予想されています。
前立腺がんの主な症状には、頻尿や尿道のふさがり、腰の痛みがあります。
前立腺肥大と前立腺がんは、高齢の男性に多い病気であり、症状だけでは区別がつきません。
症状があっても、「年のせい?」と思って放置する人が多いです。
前立腺がんが急増している原因としては、食生活の欧米化もありますが、PSA検査の普及が最も関連があるとされています。
PSA検査とは?
PSA(前立腺特異的抗原)検査は、前立腺がんのスクリーニングに用いられる血液検査であり、前立腺に存在するタンパク質の量を測定するものです。前立腺がんに罹患している場合、PSAの数値が高くなるため、早期発見に役立つとされています。
しかし、PSA検査の普及により、前立腺がんの発見数が増加していることが指摘されています。これに対して、アメリカ予防医学専門委員会は、PSA検査についてはメリット・デメリットを検討した上で、個人の判断に委ねるという姿勢をとっています。一方、日本の厚生労働省は、PSA検査の推奨をしていません。
PSA検査の有効性については、まだ決着がついていません。イギリスの研究やPLCO試験といった研究では、PSA検査が有効であるという結果は出ていません。一方、ERSPC試験というヨーロッパの研究では、PSA検査が死亡率を下げる効果があるという結果が出ています。
PSA検査の普及によって、前立腺がんの発見数が増加したとしても、死亡率が下がらない原因としては、前立腺がんの診断が過剰に行われていることが挙げられます。前立腺がんは進行が遅いため、必ずしも治療が必要な状態ではないことがあります。したがって、PSA検査によって前立腺がんが過剰に診断され、過度な治療が行われることがあるため、死亡率が下がらないというデータが存在するのです。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/104315872/picture_pc_cb0942395ce6914c224c2ab2e2387847.gif)
PSA値はがん以外でも上がる
PSA検査は前立腺で分泌されるタンパク質の数値を測定する検査で、前立腺がんの早期発見に有用です。しかし、前立腺肥大や炎症でもPSA値が上がることがあり、偽陽性のケースが多いことが問題視されています。
現時点ではPSA検査の有益性については明確な決着がついておらず、PSA検査が少なくなったことで前立腺がんが転移してから発見されるケースが増えたとの報告もあります。日本泌尿器科学会はPSA検査を推奨していますが、アメリカ予防医学専門委員会からは個人の選択に委ねる姿勢をとっています。
現在のPSA検査に関する結論は、前立腺がんの発見には役立つが、寿命を延ばす影響があるかどうかは確定的な根拠はなく、今後の研究で判断が変わる可能性があるということです。
意外にもがんを見つけないほうがよかった?
1つには、前立腺がんの「進行の遅さ」が関係しているといわれています。前立腺がんは早期の段階だと、手術などの治療をせず、PSAの数値を観察し続け、定期的に組織を採取するという選択肢があります(PSA監視療法)。
進行が遅いので「監視する」という選択肢もある珍しいがんです。進行が遅いがゆえに、死ぬまで悪さをせずだらだら体で過ごすパターンもあります。
こうした「死因とは関係ないが解剖してみたらたまたま見つかったがん」のことを「ラテントがん」と呼びます。遺体の解剖をしたら80歳以上の遺体のなんと約60%にラテントがんが存在したという報告もあります。
となると「知らなくてもよかったがんの存在を知ってしまう」ケースもあるため、「PSA検査」を行うことで幸福度を下げてしまうおそれもあります。
しかしこの話は「結果論」でしか語れないのが難しいところで、前立腺がんが転移して命を落とす場合もあります。楽観視できるわけでもありません。
考察&まとめ
前立腺がんは日本でも急増しており、男性がんの罹患者数1位です。主な症状は、頻尿やおしっこの通り道をふさいでしまい、背骨の転移による強烈な腰の痛みなどがあります。
前立腺がんは早期発見が重要であり、PSA検査がそのスクリーニングとして行われます。しかしPSA検査には「偽陽性」が多く、がんではないのにがんと誤診される可能性があるという問題があります。現在、PSA検査が有益かどうかについては、研究者間でも意見が分かれており、定説はありません。
進行が遅い前立腺がんの場合、手術を行わずに監視することもありますが、一方で転移して命を落とす場合もあります。また、ラテントがんの存在もあるため、知らなくてもよかったがんを知ってしまうことで幸福度が下がることもあります。
前立腺がんの予防としては、食生活の改善や運動などの生活習慣の改善が挙げられます。また、定期的な健康診断を受けることも重要です。前立腺がんの治療には、手術、放射線治療、ホルモン療法などがありますが、それぞれにメリットとデメリットがあるため、医師との相談が必要です。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/104316283/picture_pc_c8de614f42d8de20a9c191dcee081612.gif)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?