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『桜は散り、歯車が止まる』第6話

第6話 『最強コンビ』





桜:「○○の気持ちを聞かせて。」



○:「僕の気持ち...」



桜:「うん。○○の本当の気持ちを教えてほしい。
○○は優しいから、私の頼みを聞いてくれた。
○○は私を優先に考えてくれた。
だから、本当の気持ちを知りたい。」



少し考えたあと、僕は口を開いた。



○:「僕も桜と一緒にずっといたい。
映画の時間も、昨日と今日のおうち時間も、
何もかもが幸せだった。僕も桜のことが好きだよ。」



幸せなこの時間がずっと続いてほしい。

彼女と一緒に笑顔で過ごしたい。

彼女を乃木坂に戻すということは二の次になっていた。



桜:「本当に?」



桜は、僕の言葉を聞いて少し驚いた様子だった。



○:「うん、本当に。」



迷いは何もなかった。



○:「僕も桜と付き合いたい。」



桜:「じゃあ、この瞬間から
○○は私の彼氏。私は○○の彼女だね。」



彼女は本当に嬉しそうだった。

僕も、彼女と一緒にいることが嬉しかった。



桜:「○○とこうやって過ごせるのが夢だった。」



桜が微笑みながら言った。



○:「そうなの?」



○○は驚きを隠せなかった。



桜:「うん。ミーグリの時から想ってた。
あなたと過ごすとどんな感じになるんだろうって。
でも、桜の想像通りだった。」



桜は優しく微笑みながら話す。



○:「えっ?想像通りって...どんな想像してたの?」



○○は興味津々で尋ねた。



桜:「のんびりとまったりと過ごすんだろうなって。
ほら、○○はミーグリの時も落ち着いてたから。
普段からそんな感じなんだろうなって思ってたの。」



桜が優しく語ると、○○は笑みを浮かべた。



○:「読まれてたんだ...」



○○が軽く冗談めかして言うと、桜も笑いながら頷いた。



桜:「それくらい、○○のことを想っていたんだよ?
だからね、○○が桜のことを覚えてくれててよかった。
こうやって、付き合えてよかった。」



桜は恥ずかしそうに言うと、○○はそっと彼女の手を握った。



桜:「温かい。心が落ち着く。」



彼女の声は優しく、そっと心に染み込んでいく。

すると、桜は別のことを口にした。



桜:「ねぇ?ハグしてほしいな。」



僕は驚いたが、桜の様子を見ると、
彼女が求めるのはただ単に優しい触れ合いだった。

手を握るだけで心が安らぐ彼女が、
一体どんな気持ちでハグされるのか、僕も気になっていた。



○:「分かったよ。やってみるね。」



と僕は答えた。

桜が身を寄せてきたので、僕は彼女を優しく抱きしめた。



桜:「ふふっ。落ち着く。眠くなっちゃう。」



柔らかい髪の香りが漂う中、彼女が微笑んだ。



○:「寝たらダメだよ?もうすぐ帰る時間なんだから。」



と僕は苦笑しながら言った。



桜:「寝たら、○○が起こしてくれるから大丈夫。」



と桜は笑った。

彼女の言葉に、僕も思わず笑ってしまった。



桜:「ねぇ、○○?ずっと一緒にいようね。
桜から離れないでね?」



と彼女は言った。



○:「もちろん。離れないよ。」



と僕は優しく答えた。

その後、彼女が帰る時間まで、
僕たちはずっとくっついていた。

桜の柔らかな体温が
僕の身体を包み込む中、静かな時間が流れていく。

2人の距離がぐっと縮まった瞬間だった。





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12/31 紅白歌合戦。

僕は一人で家のテレビで乃木坂の出演シーンを観ていた。


○:「...」


5期生9人が映っていた。

あーやは年齢の関係で出られないけど
ここには10人映っていなければならないのに
違和感のないまま、乃木坂の出演シーンは終わった。

この前、桜が帰った後、和ちゃんから電話があった。

メンバーの一ノ瀬美空が桜のことを思い出したらしい。

僕は引き続きお願いしますと伝えたが
まだ、桜のことは話していない。

桜と付き合ったことも話していない。



○:「このまま、和ちゃんには黙っておくのがいいのかな...」



乃木坂に戻ってほしいという
願いは以前ほど強くはなかった。

でも、彼女が何で乃木坂から消えたのかは気になっていた。

彼女は乃木坂じゃなくなったことを望んでいるように見えた。

最初は彼女にその事を聞こうと思ったけど、今は違う。

彼女が話してくれるのを待つだけだった。



○:「電話だ。」



電話の主は桜だ。


桜:「もしもし?今、何してたー?」



と、彼女はいつものように明るく尋ねた。

電話の受話器から聞こえる、甘い声にほんのりと頬が緩んだ。

彼女の声はいつも優しく、まるでキャンディーのように甘く響いた。



○:「えっと、テレビを観ながら、ごろごろしてたよ。」



紅白を観ていたことは伝えなかった。



桜:「そっか〜。桜はね〜?○○のことを考えてたの。」



○:「僕のこと?」



彼女の言葉に驚き、苦笑いを浮かべる。



桜:「うんっ!浮気してないかな〜?とかね。」



○:「するわけないじゃん。桜以外見てないよ?」



と僕は笑いながら答える。



桜:「ありがとっ!嬉しい〜」



電話越しの彼女の笑顔が想像できた。



桜:「桜も○○のことしか見てないよ?」



○:「ありがと...」



しばらくの間、静かな雰囲気が続いた



桜:「ねぇねぇ?話変わるんだけどね。
○○って桜と二人きりで同じ家に住みたい?」




○:「...えっ?」





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紅白歌唱直後




・茉央サイド



冨:「緊張した〜」



五:「髪の毛とか大丈夫だったかな〜?」



奈央と茉央は廊下を歩く。



冨:「大丈夫だと思う。
それより、早く飲み物買いに行こう。」



五:「そうだね。」



私たちは自販機に向かっていた。
緊張しすぎて喉が渇いていた。



冨:「あ、てれぱんと美空だ。」


五:「何してるんだろ。」



視線の先には瑛紗と美空がいた。
二人は自販機で飲み物を買っていた。



瑛:「てれたんさんしゅわしゅわ〜」



一:「みくたんさんしゅわしゅわ〜」



近くにいくと二人が炭酸水を持って
何かを言っているのが聞こえた。



冨:「しゅわしゅわ...」



五:「たんさん...?」



この時、二人の脳内に映像が流れた。


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?:「さくたんさんしゅわしゅわ〜。ばいば〜い。」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




五・冨:「さくたんさん...?」


私たちは同時に同じ単語を呟いた。



五:「あっ...」


冨:「何だろ...」


私たちは顔を見合わせた。



瑛:「あれ?なおまおだ。」



一:「どうしたの?そんなところで突っ立ってて。」



瑛紗と美空がこちらに気づく。




冨:「飲み物を買いに来たの!」



五:「紅白のステージに立ったら、喉乾いちゃって。」



一:「そっか〜。
車の時間もあるから早めに買った方がいいよ。」


瑛:「その自販機の炭酸水おすすめだよ〜。」



瑛紗と美空が去ってから、二人はしばらく考え込んでいた。

その間、廊下にはスタッフが行き交っていた。



五:「てれぱんと美空が言ってたフレーズ...」



冨:「茉央も聞き覚えあるよね?」



五:「うん。どこかで聞いたことあるような...」



しかし、二人はどこでそのフレーズを
聞いたのか思い出せず、困っていた。



五:「早く飲み物買って戻ろう?
みんなに迷惑かけちゃうから。」



冨:「だね。じゃあ、私は炭酸水を買おう〜」



瑛紗に勧められた炭酸水は確かに爽やかで美味しかった。

喉を潤した二人は、さっさとメンバーの元へ戻った。





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2023.01.10



・○○サイド




○:「本当に大丈夫なの...?」



桜:「大丈夫だよ!」



1月10日の午後、僕たちは街中を歩いていた。

風は少し冷たく、人々はコートやマフラーを身にまとい、足早に歩いていた。



○:「(不安だ...)」



僕はあの日の電話からずっと不安だった。




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桜:「ねぇねぇ?話変わるんだけどね。
○○って桜と二人きりで同じ家に住みたい?」



○:「えっ...?」



彼女の驚きの提案に提案に思わず、声が裏返る。



○:「それって同棲ってこと?」



桜:「そうだよ?○○と桜の同棲生活!
桜はやってみたいな〜と思ってるんだけど
○○はやってみたい?」



○:「やってみたいとは思ってるよ...」



彼女とずっと一緒に居られるなんて、夢みたいだ。
ヲタクの願望そのものだけど、気になる点が複数ある。



○:「でも、どこに住むの?僕の家ってこと?」



どこで同棲生活をするのか分からなかった。

僕の家で住むとなると部屋も狭いから
どうするのかなと疑問に思っていた。



桜:「ううん。新しい家だよ。」



○:「新しい家?どういうこと?」



桜:「詳しく話すとね?」



桜は親に1LDKのマンションで
一人暮らしを勧められていたらしい。

でも、桜は一人暮らしをするのは不安だった。

彼女は一人で家事をするのが不安だった。

そこに僕という存在が現れた。

僕は一人暮らしをしている。

料理も自炊くらいなら何とか作れる。

僕が居れば、桜は自信を持って、自立できる。

自立もできるし、僕との幸せな生活もできる。

だから...



桜:「○○と同棲生活をしたいなぁって。」



○:「なるほど。でも、家賃とかは?引越しとかは?
そこら辺の費用は...あと、桜の親は?」



桜:「そこら辺は大丈夫だよ!
私の親は全部許可してくれた!
あとは○○の意志だけだよ?」



○:「そっか...」



僕は数秒だけ考えた。
いや、数秒しか考えなかった。



○:「分かった。同棲しよう。
僕も桜と一緒に暮らしたいと思ってたから。
桜が自立できるように僕もサポートするよ。」



迷いなんかあるわけない。
推しとの同棲生活なんて夢のまた夢。
こんな特別な機会は逃したくなかった。



桜:「ふふっ!ありがと〜
○○ならそう言ってくれると思ってた〜」



彼女の嬉しそうな声が電話越しに聞こえる。

彼女のあの笑顔が想像できる。

優しくて、癒されるあの笑顔が。



○:「で、いつから、その同棲を始めるの?」



彼女は具体的な時期を明言していなかった。



桜:「10日から始めたいなと思っているの。
でもね、その前に○○には私の両親と会ってほしいの。」



○:「えっ...?どういうこと...?」



桜:「私の両親が○○のことを気になってて。
どんな性格なのかとか色々とね?
あとは私が○○のことを婚約者って伝えたから...。」



○:「こ、婚約者⁈」



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○:「(婚約者とか...話が飛びすぎなんだよ...)」



と少し不満だったが、それ以上に嬉しかった。



桜:「〜♪」



彼女が僕のことをそれほど大切に想ってくれている。

その事実が本当に嬉しくて、この上ない幸せだった。



桜:「着いたよ〜。ここが桜の家!
多分、もうパパもママもいると思うから
さっさと話を済ませて、引越し始めよう〜」



彼女が僕の手を引っ張り、導く。



○:「そうだね。」



僕は緊張しながら、彼女の家へと入っていった。

心臓の鼓動がどんどん速くなっていた。

彼女とのミーグリの何百倍も
緊張しており、深呼吸を繰り返していた。





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数分後



○:「緊張した...」



桜の両親との話が終わり、僕は桜の部屋にいた。



桜:「お疲れさま。かなり緊張してたよね?」



○:「そりゃ、そうだよ。
ここで同棲はダメとか言われたらヤバいから。」


下手なことは言えないし
礼儀もしっかりしないといけないと思い、
昨日、インターネットで敬語や礼儀を少しだけ調べた。



桜:「ダメなんて言うわけないよ(笑)
○○が優しくて、真面目なところは一目見た瞬間に分かる。
桜もそうだったんだから、パパもママも分かるに決まってるもん。」



彼女は常に僕のことを肯定してくれた。

すると

コンコン...と

扉をノックする音が聞こえ




桜母:「○○くん?2時間後に引越しするから
それまでに桜の部屋の荷物をまとめるの手伝ってほしいの。
全然、桜は荷物をまとめてくれなくて。」



と扉越しから桜の母親の声が聞こえた。



○:「分かりました。じゃあ、桜。
早く荷物をまとめるよ。」



僕はバラバラになった段ボールを
ガムテープを使って、組み立てる。



桜:「は〜い。」




僕たちは手分けして、荷物をまとめていった。

普通は大変だなとか思ってしまうけど
桜といるだけで苦痛が全て吹き飛んでいった。




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・奈央サイド



冨:「はぁ...」



私、冨里奈央はレッスン室の床に座っていた。

私には悩みがある。

紅白の直後からとある夢を見るのだ。


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?:「にゃお〜」


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と甘い声で私を呼ぶ誰かの声がずっと聞こえる夢。

それが毎日のように続いていた。



冨:「(何だろ...あの声...)」



どこかで聞いたことあるけど、思い出せなかった。



瑛:「奈央、どうしたの?」



瑛紗が私の横に座る。




瑛:「表情が暗い気がするけど。何かあった?」



冨:「実は...最近、変な夢を見て...
なんか、心がモヤモヤってするの。」



その夢を見ると、心がモヤモヤする。

悪夢じゃないと分かっているのに何故か複雑な気持ちになる。



瑛:「それってどんな夢?」



と瑛紗が興味津々に尋ねる。



冨:「誰かに"にゃお〜"って呼ばれるの。」



瑛:「えっ⁈ 本当に⁈」



瑛紗はめちゃめちゃ驚いていた。



冨:「う、うん...」



瑛紗がそんなに驚く理由が私には分からなかった。



瑛:「じゃあ、その子の真似をするね?」



冨:「真似?」



瑛:「さくたんさんしゅわしゅわ〜」



冨:「⁈」



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?:「にゃお〜、甘えさせて〜」



冨:「もう...笑」



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冨:「うっ...」



靄がかかった映像が脳内に流れた瞬間、
少しだけ頭痛が私を襲った。



冨:「何これ...」



頭痛は一瞬で治ったが、不思議な感覚に襲われた。



瑛:「奈央。もうすぐそのモヤモヤは無くなるから。」



瑛紗は私の右手を優しく握ってくれた。



冨:「本当に?」



何故だろう。瑛紗が普段よりも頼もしく見えた。



瑛:「本当だよ。だからね、和のところに一緒に行こ?」



冨:「う、うん...」



私は瑛紗に手を引かれ、立ち上がった。



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・茉央サイド



五:「はぁ...」



私、五百城茉央はレッスン室の外にある椅子に座っていた。

この前の紅白から変な夢を毎日のように見るようになった。



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?:「まお〜」



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誰かに永遠と名前を呼ばれる夢。

その人物が誰なのかを考えようとした時にいつも目覚める。



五:「何だろう...あの夢って...」



何故か知らないけど、私を必死に呼んでいるような。

私が思い出さなきゃいけないような気がする。

だから、必死に思い出したいのに...



一:「茉央?どうしたの?」



と美空が話しかけてきて、私の横に座る。




五:「最近、変な夢を見てるの...。
その夢を見るたびになんか変な気持ちになるっていうか...」



悪夢を見た時とは違う何か不思議な感覚に襲われるんだ。



一:「それってさ...誰かに名前を呼ばれたりする夢?」



五:「そうだけど...何で分かるの?」



私は今、初めてこの事を話したのに。

どうして、ピンポイントで分かったんだろ。



一:「私も数日前に見てたから。」



美空は俯き、意味深な表情を浮かべる。



一:「茉央?今はその誰かが誰なのか分からないと思う。
でもね、もうすぐ分かるよ。」



五:「もうすぐ...分かる?」



どういうことだろ...何で言い切れるの?
私があんなに考えて、誰なのか分からなかったのに。



一:「うん。だから、私たちがその手助けをする。
その夢の中に出てくる人物も何もかも思い出させる。
あなたにとって大切なものを思い出させる。」



五:「大切なもの...」



一:「だから、和のところへ一緒に行こ?」



五:「う、うん...」



私は美空に手を引かれ、立ち上がった。





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・和サイド



冨:「茉央も同じような夢を見てたんだ。」



五:「うん...奈央も同じ夢を見てるなんて...」



二人は顔を見合わせていた。



和:「...」



二人が思い出しそうな雰囲気にあったのは
この前の紅白の時に瑛紗と美空に聞いていたから知っている。



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和:「しゅわしゅわに反応してたの?」



瑛:「うん。二人ともぼーってしていたから。うまっ。」



瑛紗は炭酸水を口にする。



一:「深くは聞いてないから
思い出すかどうかはまだ分からないけど...
多分、あと少しのところまで来ていると思う。」



和:「そ、そっか...あとは思い出させないとね...」



どうすれば、二人に桜のことを思い出させられるのか。

私はその夜、必死に考えた。



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和:「よしっ。二人とも17分間の練習をしよっ?」



私は椅子から立ち上がる。



冨:「えっ?17分間?」



五:「どうして、今から?」



二人とも拍子抜けした顔をする。



和:「今だからこそだよ。ぱん?美空?二人とも協力して?」



瑛・一:「おっけ〜」



和:「(奈央、茉央...あなたたち二人なら
これで思い出すはずだよ。)」



あなたたち二人があの子を挟んでいたんだから。




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・○○サイド



○:「桜の部屋の荷物はまとめられたね。」



新居へと持っていく荷物を何とかまとめられた。



桜:「うんっ!○○のおかげだよ!」



○:「それで今からどうするんだっけ?」



桜:「今から、桜の荷物を新居へ持っていって
その後に○○の荷物を新居に持っていく。」



○:「結構バタバタしそうだね。」



今日は一日中、大忙しだ。



桜:「でも、○○は荷物をまとめてあるから
持っていくだけでしょ?」



○:「うん。90%くらいはまとめてあるよ。」



彼女から引っ越しをする日にちを聞いた日から
コツコツと荷物をまとめていた。

といっても、荷物は元々少なかったため
そんなに時間はかからなかったけど。



桜:「流石〜。良い旦那さんになりそう〜。」



彼女は優しい微笑みを僕に向ける。

一つ一つの笑顔が僕の心を落ち着かせてくれる。

何度もこの笑顔を見ているが、毎回落ち着く。



○:「早く行こっ?桜のお母さんを待たせちゃうから。」



桜:「うんっ!」



僕たちは荷物を持ち、車へと向かった。




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・和サイド


和、瑛紗、美空、奈央、茉央はレッスン室に入った。



冨:「えっ?和がセンターをやるの?」



和:「そうだよ。」



私は茉央と奈央の間に立つ。



五:「でも、17分間はWセンターで...」



和:「試しにやってみよ?
私の意図がいずれ分かるはずだから。」



冨・五:「う、うん...」



二人は戸惑いながらも和の指示通りに動く。



和:「じゃあ、音楽をかけるね。」



和がボタンを押すと17分間のイントロが流れ始めた。



和:「(桜みたいに綺麗な表現は出来ないかもしれない。
でも、二人が思い出せるように全力で頑張る。)」



私は彼女を憑依させ
ポニーテールでこの曲を踊ることにした。





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・茉央&奈央



冨:「(何だろ...この感じ...)」



五:「(17分間ってWセンターなのに...違和感がない...)」



奈央と茉央の体は勝手に動いていた。

本来はWセンターだと認識していた。

Wセンターのバージョンももちろん動けるが

それ以上に自然に動いていた。

元々、それが普通だったかのように。


気づけば、17分間の2番になっていた。



冨:「(何だろう...もう少しで何かが分かる気がする...)」



五:「(心が求めている...)」




二人は何となく予測していた。

この先に何かがあると。

その正体が分かるはずだと。

その瞬間は訪れた。








和:「どんな時だって笑っているから〜♪」



和が普段のかっこいい歌声を封印して、甘い声で歌唱した。




冨・五:「⁈」



その瞬間、はっきりと二人の脳内に浮かんだ。



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桜:「どんな時だって笑っているから〜。」




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ポニーテールで歌う一人の少女の姿が。



冨・五:「ぼ、くの...ほ、う...まで...」



はっきりとあの映像を見た瞬間、



冨・五:「な...ぜか...幸せ...になっ..てくる...」



二人の目からは涙がぼろぼろと流れていた。

今まで固まっていた記憶が徐々に鮮明になっていく。



瑛・一:「I need you Fu〜♪」



と瑛紗と美空が歌い、2番のサビに入ろうとした時...



冨・五:「ごめん...!ちょっと止めて...!!!」



二人はダンスをやめて、和に音楽を止めるように要求した。



瑛・一:「えっ?」



瑛紗と美空も二人の声を聞いて、動きが止まる。



和:「...」



和は音楽を止めて、二人の方を向いた。



和:「二人とも...泣いてるね...
泣いてるってことは...分かったかな...?」



和は優しい声を二人にかける。



冨:「う、うん...さくたんだよね...」



五:「17分間はさくたん...川﨑桜のセンター曲...」



大粒の涙を流す二人は膝から床へ崩れ落ちる。



瑛:「奈央...!」



一:「茉央...!」



瑛紗と美空は二人の肩を支える。



冨:「なんで...忘れてたんだろ...
さくたんはいつも私に甘えてきて...
にゃお〜って呼んできて...」



瑛:「奈央...」



瑛紗の胸に奈央は顔を埋める。



五:「桜とはスタ誕ライブで
隣のポジションになることが多かったのに...
なんで、私はいつから...忘れてたんだろ...
17分間は私たちのセンター曲じゃないのに...
桜のセンター曲なのに!!!」



一:「茉央...」



美空は茉央を温かく抱きしめた。



和:「信じてたよ。
あなたたち二人がこの曲で思い出すと。
だって、あなたたち...なおまおは...
桜を支える最強コンビだから...」



和は二人の目線に合わせるようにしゃがんだ。



冨:「最強...」



五:「コンビ...」




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桜:「桜がセンター務めて大丈夫かなぁ...」



桜は俯き、弱音を吐いた。



五:「大丈夫だよ!」



冨:「私たちが支えるから!」



二人は桜の手を握る。



桜:「なお...まお...ありがとう...
なおまおは最強コンビだねっ。」



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五:「う、うぅ...」



冨:「さくたん...」




茉央と奈央は桜との会話を思い出し、涙する。



五:「ねぇ...桜は何で消えてるの...?
乃木坂から今いないよね...」



茉央は涙を拭い、和に問う。



和:「いないけど...何で消えているのかは分からない...
みんなが何で記憶を失っていたのかも...
桜が生きているのかも何もかも分からない...」



和は首を横に振り、不安な表情を浮かべる。



冨:「そ、そんな...」



五:「どうすればいいの...?」



和:「まだ分からない...。
でも、今はみんなの記憶を取り戻そうとしてるの。
みんなで桜に関する記憶を取り戻して、桜を探す。」



一:「あと思い出せていないのは...」



瑛:「咲月、姫奈、アル、彩、いろはの5人。」



冨:「半分は思い出せたんだね。」



和:「そう。だから、あと少しだよ。
みんなで一緒に取り戻そうよ。桜がいる世界を。」



和は奈央と茉央の手を力強く握る。



冨・五:「うんっ!!!」



彼女たちは力強く言葉を交わした。







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・咲月サイド



菅:「...」



咲月は5人のやりとりを部屋の外から見ていた。



菅:「(奈央と茉央が泣いてる...どうしたんだろ...)」



この前は美空が泣いていたらしい。

その前は瑛紗が倒れた。



菅:「(私たちの間で何が起こってるのかな...)」






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・○○サイド



○:「一応、生活はできるくらいには出来たね。」



僕たちは1LDKの新居に来て、荷物を一通り出した。



桜:「うんっ!でも、お部屋が思ってるよりも広いね。」



桜の言う通り、スペースがかなり余っている。



○:「荷物がまだ無いだけだと思う。
荷物が増えていけば、1LDKなんかすぐ埋まるよ。」


同棲で1LDKはきついみたいな記事も見たことある。

恐らくそれは荷物が増えるからだと思う。


桜:「確かに。ソファーとか色々と無いもんね。」




ここにある家具は小さなテーブルとベッドくらいだ。

自立もしないといけないから
家具は自分たちで選びなさいと
桜の親からお金を渡された。



桜:「明日は家具を買いに行こうよ!」



○:「そうだね。食料とかもまだあまり無いし...
カーペットとかも欲しいね。」



ということで明日の予定が決まった。



○:「今からお風呂にしようよ。もう、夜も遅いから。」



時刻は22時を回ったところ。



桜:「今日も一緒に入る〜?」



○:「いや、ちょっと...今日は勘弁してほしいかな...」



桜:「えっ?どうして?」



○:「まだ、桜の裸を見るのが恥ずかしいというか...
ちょっと、前に入った時もドキドキしちゃって...
今日は面と向かって入るつもりだったでしょ?」



桜:「そうだよ?だって、カップルだもん。」



○:「本当、ごめん。まだ心の準備ができてなくて...」



桜:「分かった...今日だけは許してあげる!
でも、今度、誘った時は必ず入ること!
分かった?」



桜は頬を膨らませて、僕に忠告した。



○:「もちろん。約束する。」



僕は桜と指切りげんまんをした。



桜:「ふふっ。じゃあ、お風呂入ってくるね?
途中で入りたくなったら、いつでも入ってきていいよ!」



と言い残し、彼女は浴室へと向かった。



○:「よいしょ...」



と疲れを口に出して、僕は床に寝転がる。



○:「はぁ...幸せだな...」



彼女がいなくなった部屋で僕は今の気持ちを吐いた。





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・桜サイド



桜:「いい湯〜。」



私は体を洗い終えて、湯船に浸かった。



桜:「ようやく幸せになれそう...」



天井を見上げて、独り言を呟いた。



桜:「これで私の想いも叶えられるから...
○○には"あれ"を渡して、全てを話さないと...」



彼には全てを話さないといけない。

彼は私のことを理解してくれるはず。



桜:「いつにしようかな...」




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・○○サイド



桜:「いい湯でした〜」



爽快感に満ちた表情で浴室を出た彼女は、
白いタオルで髪を拭いながら部屋の中を見回した。



○:「あれ?お風呂から上がるの早くない?」



彼女がお風呂に入っていた時間は15分間だ。



桜:「桜は長時間湯船に浸かれないの。
○○と一緒にいる時は長く浸かれるんだけどね?」



○:「そうなんだ。
じゃあ、僕もささっと済ませてくるね。」



と僕は言い残して、タオルと
パジャマを持ち、浴室へ向かった。




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・桜サイド



桜:「○○が居ないと寂しいな...」



彼が居なくなった部屋は余計に広く感じた。



桜:「早く戻ってきてほしいな...」



私は彼のことが本当に大好きだ。



桜:「お風呂に突撃しようかな...」



彼と一緒に出来る限り過ごしたい。

そんな気持ちがどんどん増幅されていき
こういう考えも自然と生まれてくる。



桜:「いや...流石にそれは嫌われるかな...」



彼が困りそう。
うーん、今は我慢しよう...
でも、突撃してみたいな〜


と考えていたその時。



ブーブーブー...と携帯のバイブ音が鳴る音が聞こえた。



桜:「えっ...?あ、○○の携帯電話...」



私の携帯電話は手元にあったため
彼の携帯電話が鳴っていたことは容易に分かった。


ブーブー...と未だにバイブが続き



桜:「電話なのかな...?」



と推測できた。



桜:「誰からだろう...○○が
お風呂から出た時に教えてあげたいから確認しよっと。」


私は彼の携帯電話を確認しようと席を立ち
彼の携帯電話が置いてあるテーブルに向かった。




桜:「.......えっ。」



私は彼の携帯電話の発信源を見た瞬間、
背筋が凍り、その場に立ち尽くした。











桜:「井上和...」






そこには私の同期である
井上和という名前がはっきりと表示されていた。



桜:「な、なんで...別人...?いや、そんなわけない...」



井上和という名前は間違いなく彼女。
乃木坂46の5期生で一番人気のあの子。


でも、なんで...○○と和が関係を持つきっかけは...?
彼は真面目だからそんな事するわけない...
それに○○は私のことを見てくれていた。



じゃあ...一体...



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ep.3



?:「和ちゃんだけはあなたのことを覚えていたよ。」



桜:「えっ...なぎが...なんで...」


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桜:「まさか...」



和が私のことを覚えているのは
??さんから伝えられたから事実。

この世界が歪んだ時に
○○の推しが和になっていて
和のミーグリに○○は行った可能性はある。

○○はこの世界を戻すための手掛かりに
ミーグリの背景に私のポスターを置いたまま
和とミーグリをやり、
和が○○に協力しようと持ち掛けたとすると...



桜:「全然あるじゃん...」



ツーツー...といつの間にか彼の携帯電話は鳴り止み
画面には不在着信と表示されていた。



桜:「どうしよう...桜のことがバレていたら...」



彼の携帯電話から離れて、私は椅子にちょこんと座る。



桜:「私の想いが叶わないじゃん...」



彼が私のことを和に喋っていたら...
いや、彼はそういうことをしないはず...



桜:「...」



彼を信じたい気持ちが強かったが不安だった。



桜:「(どうしよう...)」



と心臓の鼓動がどんどん速くなっていたその時



○:「上がったよ。」



と彼が浴室から部屋に戻ってきた。



桜:「あっ...○○...」



○:「どうしたの?なんか、表情暗いけど...」



彼は私の様子の異変に気づき、すぐに駆け寄ってくれた。



○:「何かあった?」



と聞かれたが



桜:「ううん。なんでもない。
○○がいなくなって、ちょっと寂しかっただけ。」


と彼に嘘の理由をついた。



○:「すぐ戻ってくるのに。
僕は桜の側から離れないから安心してよ。」


彼のその言葉とその表情でなんとなく分かった。



桜:「ありがとう...」



彼は何も話していない。

私のことをしっかりと見てくれている。

そんな気がした。



○:「どうする?もう寝る?」



桜:「ううん。ちょっとお手洗いに行ってくる。
ごめんね。少しだけ待ってて。」



と彼に言い、スマホを持って、お手洗いへ向かった。




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・○○サイド



○:「(あっ...和ちゃんから電話来てる...)」



携帯を開くと、和ちゃんから不在着信が来ていた。



○:「(今後はショートメールで送ってもらおうかな...)」



桜との同棲生活が始まったから、電話も出れなそう。

今後は電話出られそうにないのでショートメールで
報告してもらってもいいですか?と送信した。

彼女から分かりましたと返信が来た。

そして、その次のメールで
五百城茉央と冨里奈央が
桜の記憶を取り戻しましたと送られてきた。

僕は承知しました。報告ありがとうございますとだけ送った。




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・和サイド



和:「○○さん、忙しいのかな...」



彼から電話は出られなそうと送られてきた。

大学生だから仕方ないのかもしれないけど



和:「なんで、私はがっかりしてるんだろう...」



別に電話ができなくても良いはずなのに
なぜかショックだった。



和:「ううん...これは協力関係だから...」



電話なんかできなくても良い。切り替えよう...。

今はみんなの記憶を戻すことだけに集中するんだ。




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・桜サイド



桜:「確かめなきゃ...」



私はお手洗いをせずに携帯電話を操作していた。

彼から離れたのはこれをするため。

彼が話していないというのはあくまでも推測に過ぎない。

それに"あれ"を渡すためにも完璧に信頼したい。

私の想いを叶えるためにも。



桜:「送信...」



私はとある3人に長文のメールを送信した。





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・??サイド


田:「今度、ディズニー行かない?」


遥:「行こう行こう!せーらも連れて!」



?:「(桜ちゃんからメール...)」



??は椅子に座り、メールを確認する。



?:「(えっ...?和ちゃんが桜ちゃんのことを
覚えているファンの人と繋がってる...
気づかれないように確かめてほしいか...)」



そのくらいなら確認出来そうかな...



??は了解と返信した。



?:「...」


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・??サイド



梅:「舞台の稽古で忙しいんだよね〜。」



久:「大変そう。それに副キャプテンもあるのに。」



?:「(桜ちゃんからメールだ...)」



??は楽屋の椅子に座り、携帯を開く。



?:「(桜ちゃんのことを覚えているファンの人と
和ちゃんが繋がっている。私はそのファンの人と付き合っています。彼のことを信頼したいので和に私の現在が伝わっていないかどうか気づかれないように確かめてください。)」



??は桜からのメールを脳内で音読する。



?:「(前に会ったときに言ってた人ね...
和ちゃんが仕掛けたのか...流石だね。
桜ちゃんを取り戻すためなら何でもやるんだ...
和ちゃんらしいね...)」



私は了解と返信した。




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・??サイド



?:「(さくたんからメール...)」



??は自室で桜からのメールを確認していた。



?:「(なるほどね...。確かめてみようかな...。
明日か明後日は会う機会がありそうだし...。)」



??は了解と送った。



?:「(私が最初に確かめられそうだから
??さんと??には私が確かめるって送っておこっと...)」



??は二人にメールを送った。



?:「はぁ...」



??は首から下げたペンダントを大切に触った。





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・桜サイド



お手洗いを済ませた私は部屋に戻り、彼と一緒に布団に入る。

前にお泊まりした時のように彼は私を優しく抱きしめる。

彼の温かさに心が安らぐはずなのに今は違った。

やっぱり、怖かった。

私のことがどこまで伝わっているのかなって。

そんなことを考えていると彼の寝息が聞こえてきた。


桜:「はぁ....」



ため息をついた私は彼の胸に顔を埋め



桜:「○○...信じてるよ...」



と彼を起こさないように小声で囁き、目を瞑った。




第6話『最強コンビ』Fin


【第7話へ続く】

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