『狼くんを落としたい』 第4話
数分後......
一:「お邪魔しまーす♪」
菅:「広ーい!」
五:「豪邸だ~」
3人組が到着しました。
彩:「荷物はここに置いてください。」
一気に騒がしくなりましたね
○:「はぁ...」
桜:「だ、大丈夫?//」
○:「大丈夫じゃない...」
○○くんはネガティブ状態でさくたんにくっついている。
一:「さくたん!○○くんになに触れてるの!」
桜:「私じゃなくて、○○くんが...///」
さくたんは頬を赤らめる。
○○くんはさくたんの腰に
手を回して抱きついている状態。
これで付き合っていないのかい
五:「ネガティブな○○くんだ。」
菅:「学校の雰囲気と随分と違う。」
和:「じ、実はね...」
なぜ、こうなってしまったのか
私は三人を呼んだ理由を説明した。
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一:「私もファンになるよ!」
やっぱり、美空はそう言うよね。
○:「でも...負担増えるし...。」
金銭的負担もあるからね...
一:「全然、平気!」
○:「が、学校の勉強も...あるでしょ?」
この人はアイドルを何だと思っているの?
一:「私は毎日コツコツやるタイプだから♪」
美空の返答もおかしい。
○:「でも...」
一:「大丈夫だから。ね?」
出た。美空の伝家の宝刀のウインク。
○:「あ、ありがと...//」
ネガティブ○○くんには効くみたい。
一:「ライブ映像観たいな♪」
桜:「新しいの入れるね。」
○:「これ、観たい。」
何とかまとまったみたいです。
彩:「ネガティブ治ったかな...。」
和:「一時的だと思うけどね。」
また、すぐにネガティブになりそう。
菅:「彩ちゃんと全然似てないね 笑 」
たしかに。○○くんは消極的だけど
彩ちゃんはそういう一面は特になさそう。
彩:「兄妹でも似るところは僅かですよ 笑 」
五:「逆に似ているところは?」
彩:「え?なんだろ...」
和:「○○くんに聞いてみようよ。」
BDプレーヤーを準備している○○くんに尋ねた。
○:「難しい...」
○○くんは口に手を当てて悩んでいる
○:「毎日コツコツなところ。」
彩ちゃんも○○くんもコツコツやるタイプみたい。
一:「あ、私と同じだ♪」
嘘つけ。あなたは課題を溜めるでしょ。
○:「たしか...一ノ瀬さんって...
去年の夏に課題を溜めまくって
夏休み明けの3日間に閉館まで
図書室で課題をやってたよね?」
バリバリ見られてるじゃん
一:「そ、それは...たまたまで...」
○:「冬休みもそうだったよね?
桜さんと一緒に教室で...」
桜:「うん。やってたよ。」
全部、知られてるよ。この子。
一:「ごめんなさい...嘘つきました。」
同級生に土下座は辞めてください。
一:「でも、今年は違うから!ちゃんとコツコツやる!」
美空は高らかに宣言する。
五:「○○くんと一緒に夏休みの課題をやればいいじゃん。」
一:「え!」
" いおちゃんは美空を手助けする体勢に入った "
一:「一緒に出来るかな?」
○:「出来るけど...」
彩:「お兄ちゃんは初日に課題を終わらせますよ(笑)」
○:「そうなんだよね...笑 」
"しかし、うまく決まらなかった"
っていうか、コツコツタイプじゃないよね。
和:「それはコツコツじゃないよね?(笑)」
○:「他の勉強も毎日してるという意味でコツコツ。」
菅:「偉いね!受験まで時間あるけど...」
受験まであと2年?ある。
○:「意外とすぐだから...
ちゃんと準備しないと。」
さすが、学年一位。私も真似しなきゃいけませんな。
五:「聞けば聞くほど、
○○くんと美空は正反対だよね 笑 」
さっきの『手助け』は何だったの?
味方を攻撃してるじゃない。
一:「茉央(涙)」
ほら!この子はすぐに泣くんだから!
和:「でも、正反対でも気が合う人はいるよね!」
すぐに私はフォローします。
美空の友達であり、委員長だからね!
一:「ほんと...?(涙) 」
和:「磁石もプラマイでくっつくでしょ?」
一:「たしかに...なら、問題ないか♪」
泣き止んだようです。
彩:「でも、プラマイゼロという言葉もありますよね。」
彩ちゃん、追撃はやめて!
一:「ゼロ...私たちの友達関係は消えちゃうってこと?」
そこまで正反対じゃないよ。
一:「消えちゃう...私と○○くんは...」
和:「消えないから!もう...どうして、攻撃するの?」
彩:「そういう言葉もあるというのを紹介したくて。」
悪意しかないじゃん。
一:「消えちゃう...」
ほら!魂抜けちゃった!
和:「○○くん、ヘルプ!」
○:「えっ...?今、ライブ映像始まって...」
本当だ。火花上がってる。
和:「でも、このままだと美空が...」
彩:「天に召される♪」
元気に言うな。それに召されないし!
一:「友達じゃなくなる...」
和:「○○くん、お願い...!」
あなたしかいないのです!
○:「一ノ瀬さん、大丈夫だから。
夏休みの課題も一緒にやろうよ。」
一:「いいの...?」
○:「うん。」
一:「○○くん...ありがと♪」
地上に戻ってきたみたいです。
桜:「ねぇ、"ごめフィン"が終わったよ。」
さくたんが告げる
○:「あー!!さくちゃん!!」
推しのセンター曲が終わったみたい。
っていうか、さくたんは
このやりとりの間もライブ映像観てたんかい
一:「巻き戻そ!」
○:「"君に叱られた"はいいや。」
○○くんはリモコンを触る
桜:「あ、かっきーがいなくなった。」
巻き戻しただけじゃん。
○:「"ごめフィン"の次だから、すぐに現れるよ。」
菅:「現れるって 笑 」
さくたんと○○くんは言葉の選び方が独特だよね。
ここは似た者同士かも。美空と違ってね。
これは心の中で思ったことです。美空には話してません。
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数時間後
○:「掃除が...」
彩:「盛り上がったからね。」
お菓子のゴミが大量に落ちていた。
お兄ちゃんはブツブツ文句を言いながら
ゴミ箱に捨てていく。
彩:「でも、楽しかったでしょ?」
○:「うん。」
彩:「もう、普通に話せそう?」
○:「学校では狼のままでいたい。」
彩:「なんでよ。」
あんなに楽しそうだったのに。
○:「五重奏だよ?仲良くしてたらどうなるか。」
お兄ちゃんは妬まれるでしょうね。
でも、桜先輩とあれだけ話してるから
既に妬まれてそうだけど
彩:「学校以外なら話せるの?」
○:「うん。緊張しなくなった。」
彩:「よかった。じゃあ、彼女出来るね。」
○:「はい?」
右京はやめて。
彩:「気になってる人がいるんでしょ?」
○:「気になっているとLOVEは別モノじゃないの?」
彩:「でも、雰囲気がタイプって!」
○:「雰囲気がどこか安心するから
気になっているという意味だけど...」
彩:「何だよ!」
先輩たちに嘘ついちゃったじゃん!
特に一ノ瀬先輩はブチギレそう...
○:「大体、好きという感情が分かりません。」
そこですか?
彩:「そこからなの?」
○:「はい。」
お兄ちゃんに彼女がいたことはない
今度、和先輩に相談してみるしかない...
でも、会話ができるようになったのは進歩かな。
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数日後
和:「なぜ、私まで美化委員の仕事を...」
放課後に美化委員の仕事のお手伝いをしています。
五:「ごめんね。代わりに入ってもらって。」
○○くんが本日は欠席。
そのため、代わりに人が入らないといけなかった。
和:「他にも代わりはいるでしょ?」
五:「美空はこの前の三連休の課題をやってるし...」
また、あの子は課題を溜めたみたいです。
夏休みに頑張れるのかな?不安です。
五:「桜は習い事。咲月は...何してるんだろ。」
おい。一名空いてるじゃん。
録画したドラマを早く観たかったのに!
五:「まあ、委員長だから♪」
便利屋扱いしないでください。
和:「っていうか、○○くんは一人で掃除してるの?」
黒板の掃除、廊下の窓拭きなど
山のような業務がありました。
五:「うん。」
和:「絶対、手伝ったほうがいいよ。」
この量を一人でやるのは
本当に大変だと思う。
五:「でも、○○くんは
一人で作業するのが好きだからね。」
和:「そうなの?」
五:「同じクラスの時にそういう場面が多かったの。」
和:「初知り。」
五:「観察してれば、分かるよ♪」
和:「私も観察してみよう...」
この前、桜と○○くんの家に
遊びに行ったときの○○くんが面白かったし。
秋:「和!茉央!」
真夏先生が封筒を持って、こっちに来る。
和:「どうされました?」
秋:「咲月はもう帰っちゃった?」
五:「いえ。知らないです。」
多分、帰った気がする
秋:「困ったなぁ...」
和:「咲月がどうしたんですか?」
秋:「実は...」
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数分前
菅:「真夏先生、今日欠席の
○○くんに渡す書類はありますか?」
秋:「うん。授業プリントがあるよ。」
菅:「私が持っていきます!
○○くんの家を知っているので!」
秋:「でも、妹さんに渡せば...」
菅:「私が持っていきます!!」
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秋:「って言って、帰っちゃったの...」
先生は書類の入った封筒で自身の顔を扇ぐ
秋:「この書類、渡さないとヤバいのよね。」
重要な書類をうちわにしないでください。
和:「私が持っていきましょうか?」
五:「私も持っていきます!」
秋:「ありがとう!」
和:「じゃあ、さっさと終わらせよう♪」
五:「真夏先生も手伝ってください♪」
いきなり?
秋:「えっ!?」
当たり前だけどめっちゃ驚いてる
先生の手伝いもあり
美化委員の業務は割と早く終わった。
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私と茉央は校門を出る。
和:「たしか、こっちだよね?」
と、そこに...
和:「あれ。彩ちゃんと奈央ちゃん。」
冨:「2人だけですか?珍しいですね♪」
和:「ちょうど、よかった。
○○くんの家に行くところだったの。」
彩:「ほぇ...お兄ちゃんは寝込んでますよ?」
五:「だから、今日配られた書類を届けようと思って。」
彩:「なるほど!じゃあ、私が届けます!」
和:「本当はそうすれば、よかったんだけど...」
私は咲月が先に書類を届けに行っていることを伝えた。
彩:「なんで、勝手にそういうことするんですか!」
ほら~。怒ってるよ。
彩:「そういうことするのは
一ノ瀬先輩だけだと思っていたのに!」
いないところでディスられるじゃん
冨:「その美空先輩は?」
五:「課題で居残り中。」
冨:「ふふっ」
笑うな。後輩よ。
彩:「早く、家に行きましょう。」
冨:「アイス買いたいなぁ。」
彩:「いいね。お兄ちゃんに買っていこう♪」
早く帰るとは?
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一方...この人は
一:「終わらない...」
教員:「一ノ瀬、課題をさっさと終わらせて。」
一:「すみませーん(涙)」
秋:「(頑張れ。)」
職員室で課題に向かっていました。
【第5話に続く】