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『狼くんを落としたい』 第23話




遥:「なるほどね…
史緒里たちが勧誘をしていたわけか…」



私はかっきーに泣いていた理由を話した。

山:「うん…5周年ライブに来ていた可愛い子たち…」

遥:「美月はアルノの件もあったから反対したと…」

山:「だって…あの子たちもアルノみたいに
なってしまったらと考えると…」

あんな思いをもうしたくない
誰も傷つけたくない

遥:「アルノも何か訳があったから
辞めたいと言ったと思う。」

山:「だから、それは私のせいで…
私がまた何かをしてしまったらと思うと…」

私はまた失態を犯しそうで怖い

遥:「美月のせいじゃないと思う。」

遥:「これを見て。」

遥香は史緒里と美月がセンターを務めた
MVのコメント欄を見せてきた。

山:「美月が間違って
SNSに上げたものと違って
違和感のある声が入っていない…」

私はそのコメントを読んだ。

山:「ねぇ、これって…!!」

遥:「アルノが辞めた原因はこれだと思う。」

山:「私たちはそんな風に思っていないのに…」

遥:「私たちは彼女にもっと伝えなきゃいけなかった。
私たちはあなたが好きだから歓迎した。
美月はあなたの歌声に惚れたから勧誘した。」

私はアルノの歌声に魅了された。
だから、勧誘したのに…
新しい風を吹かせることばかり考えていた…

山:「私は何もあの子を見てあげられなかった…(涙)」

その事に気づいた瞬間、再び涙が溢れてきた。

山:「アルノに伝えたい…
あなたの歌声が好きだよって…」

伝えたいのに彼女の居場所は分からない。

山:「会いたい…」



遥:「いつか会えるから。
それを信じて、活動していこうよ。
このグループは人々を笑顔にさせる。
アルノも笑顔で生きていられるように私たちが頑張るの。」

山:「うん…」

遥:「まずは史緒里と仲直りだよ。
ちゃんと謝る。私もついていくから。」


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私はかっきーに連れられて
史緒里たちがいる部屋に入った。

山:「ごめん…!!勧誘が悪いと思って
何も考えていなかった…。本当にごめんなさい。」

私は精一杯の謝罪をしたが…

久:「ごめん〜!!!(涙)」



山:「えっ⁈」

史緒里が涙を流しながら、抱きついてきた。

久:「辞めるべきと言ってごめん!!
辞めないで!!!お願いだから!!」

山:「えっ…ちょっと…どういうこと…??」

何で?私のほうが悪いはず…

田:「この子たち3人がね…」

数分前

史緒里がアルノについて話した後
咲月、茉央、奈央はこう言った。

菅:「その人が何で辞めたのかは分からないですが
美月さんに辞めるべきと言うのは違います!」



五:「人々を笑顔にさせるのがこのグループですよね?」



冨:「仲直りしてください!喧嘩はよくないです!」



山:「そうだったんだ…」

久:「だから、ごめん。
アルノを笑顔にさせられるように一緒に頑張ろうね…」

山:「う、うん…!」

2人は泣きながら抱き合った。

菅:「よかった…」

仲直りしなかったら
私たちのせいでバラバラになるところだった。

五:「一件落着みたいだね。」

冨:「ですね!」

久:「3人に助けられちゃったね(笑)」

山:「うん(笑)
私もこの子たちに入ってほしいと思っちゃった。」

遥:「よかった。」

美月さんと一緒に入ってきた
かっきーが頷きながら、安堵していた。

田:「というか、かっきーって
今日お出かけしていたはずだよね?何でいるの?」



オフでお出かけしていると
先程、柚菜さんが言っていた。

遥:「私は今日やりたいことを終えたから、帰ってきたの。」

久:「今からこの子たちと
ゲームをやるけどかっきーと美月も参加する?」

山:「私は参加するよ!」

遥:「私はパスかな。
今日、早起きしてお出かけしたから…
ちょっと、休みたい。」

かっきーは部屋を出ていった。



ということで…

山:「あー!崩しちゃった!!」

私たちはゲームをやる事に
トランプ→UNOをやりました。
今はジェンガをやっています。

美月さんが倒しました。

五:「ふふっ(笑)」

山:「あー!笑ったなー!」

五:「あ、辞めてください…あはは(笑)」


美月さんは茉央に脇腹をくすぐる



ぐーっ…

冨:「あ、お腹鳴っちゃった…///」



奈央ちゃんのお腹が鳴る

久:「ふふっ(笑)
そろそろ、お昼ごはんにしよっか!」

山:「ここのレストランで食べられるからね!」

菅:「本当ですか⁈」

高級ホテルの料理…///
楽しみだ…/// 



________________________________________

一方、その頃…

一:「○○…あーん…♡」

美空が○○の口に肉を運ぼうとするが

○:「それはちょっと…流石に彼女の前でね…」

○○は拒否する。

一:「けち…」

桜:「彼女の特権だから♪」



和:「よくもまぁ…美空も無謀なチャレンジをするよね。」

彩:「馬鹿です。」



茉央、咲月、奈央ちゃんが不在で
私と美空と彩ちゃんの3人は寂しそうということで

今日は○○と桜も一緒に昼食をとっています。

一:「馬鹿とは何?そんな言葉遣いにしたつもりはないよ?」

誰目線よ

○:「いつから、彩と美空は仲良くなったの?」

彩:「そこまで仲良くないから…」

彩ちゃんは否定する

一:「ううん!彩ちゃんと私は以心伝心なの!」

彩:「違う!!!」

彩ちゃんは大声で否定する

一:「このー!」

彩:「あはは(笑)嫌だ!(笑)」

美空は彩ちゃんの脇腹をくすぐる

一:「この野郎〜!以心伝心だよね!」

彩:「そ、そうだから(笑)辞めてください!(笑)」

くすぐりは止まった。

和:「彩ちゃんの制服にシワが…」

彩:「美空先輩のせいです。」

一:「もう1回やってあげるよ♪」

美空はくすぐりのポーズをする。

彩:「美空先輩最高(棒読み)」

一:「ふふっ。よろしい。」

何なの。この茶番は。

○:「ししし(笑)美空は面白いね(笑)」

一:「ねぇ、面白いって!桜より面白いって!」



勝手に付け加えるな

桜:「○○?」

桜は頬を膨らませて○○のほうを見る。

○:「あー、ごめん(笑)でも…ししし(笑) 面白くて…」

和:「その笑い方なに?(笑)」

しししって笑ったことあったかな?

彩:「昔のお兄ちゃんはそんな笑い方でしたよ。」

桜:「そういえば……よく笑う子だったような。」

○:「両親が死ぬ前はこんな笑い方だった。
でも、いつの間にか笑わなくなっていた。」

和:「今が楽しいからかな?」

○:「そうかもしれない。皆と話すことが楽しいからかも。」

桜:「本当によかったね。私たちと出会えて。」

○:「うん。」

一:「でも、私で笑ってくれたからね!」

なぜ、マウントをとる

桜:「私が彼女!」

彩:「私が妹!」

一:「ま、負けた…」



美空は頭を抱える

○:「しし(笑)はぁ…面白い(笑)」

和:「これからも一緒に私たちとご飯食べたら?」

今までご飯を一緒に食べる機会は少なかったし…

○:「確かにそれはいいかも。桜、いいよね?」

桜:「うん!○○の笑顔が見られればいいから!
でも、たまには2人きりでご飯ね。」

○:「もちろん。」

桜:「それと私は○○の隣に座るからね?」

まあ、彼女だから当然だよね。

一:「じゃあ、反対側の隣には私が…」

桜:「そこは彩ちゃんだからダメです。」

彩:「です!」

一:「そんな〜!!!(涙)」

美空は泣き真似をする。

○:「ししっ(笑)」

和:「ふふっ(笑)」

○○はまた変な笑い方をしていた。


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一方…咲月たちは…

菅:「美味しかった〜!」

五:「流石、高級レストラン!」

冨:「満腹です〜」

私たちは高級ホテルの料理を満喫した。

山:「NEGAに入ったらこういうのが食べられるよ?」

久:「こーら。食べ物で釣らない。」

菅:「でも、貸し切り状態でしたね。」

ホテルのレストランのはずなのに人が誰もいなかった。

山:「この時間は私たちのためだけに開放しているの!」

久:「NEGAの特権!」

五:「なんで、そんなに権力が…」

いくら人気グループといっても…
そんなに特権があるものかな?

田:「実はここのホテルのオーナーが
私たちのためにと言ってくれたの。」

柴:「40階〜46階は私たちしか使えないの!」

璃:「本当にオーナーのおかげ。」

オーナーってどんな人だろう…
色々と気になりますなぁ…

山:「あなたたちが今日乗ってきた
エレベーターもここに直通しているの。」

久:「このドリームパスが無いと
そのエレベーターに乗ることは出来ないし
私たちのエリアに入ることは出来ない!」

スタッフと一部の人だけがそのパスを持っているみたい。

私がNEGAに入ったら、それを使えるのか…

菅:「色々と便利ですね!」

久:「そうなのよ。だから、毎日が楽しい!」

私たちはしばらく歩いて、先程の部屋に戻ってきた。

広すぎて歩くのが疲れた。

山:「あ、そうそう。
咲月と茉央と奈央は○○君と友達だよね?」

菅:「友達ですけど…それが何か…?」

山:「ここに○○君を呼ぶことは出来るかな?」

久:「ちょっと、美月…何を考えているの?」

山:「さくに○○君を会わせて
そのまま付き合わせるのよ!」

菅・冨・五:「それはちょっと…」

そうだ…美月さんには話していなかった…

山:「えっ…どうして…?」

久:「○○君に彼女が出来たから。」

山:「はぁ⁈」

五:「これが彼女です…」



茉央は桜の写真を見せる。

山:「か、かわいい…」

美月さんは顎に手を当てて、桜の写真を凝視する

久:「ちなみに名前は漢字で桜。そして、さくのファン。」

山:「そうなんだ…
さくもその子を知っているから
余計にややこしくなりそうだけど…」

久:「え?認知しているの?」

山:「うん。この前のライブの時に
私のファンで一番可愛い子が○○君の隣に座っていた〜!
って言っていたよ。」

菅:「それを聞いたら桜も喜びますよ。」

桜は○○君に負けないくらい
さくちゃんファンだからね。

田:「美月、史緒里。私たち時間だから行くね。」

柴:「3人とも今日はありがとね!」

璃:「またね〜♪」

真佑さん、柚菜さん、璃果さんは部屋を後にした。

どうやら、番組の収録があるみたい。

部屋は5人だけになった。

山:「人が少なくなって寂しいね…」

久:「うん…かっきー、呼ぼうかな…」

山:「辞めておいた方がいいよ。
最近、多忙でオフがなかったから。」

最近、テレビでよく観る気がする。
センターだからPRも多いのかな?

山:「でも、かっきーに仲直りして
と言われるなんて…かっきーも成長したよね。」

久:「うん…本当に成長している。」

山:「入った時はさくと一緒にずっと泣いていたよね。
まあ、一般応募だったからねぇ…
私たちは活動慣れしていたから
泣くことは少なかったけど…」

五:「さくちゃんとかっきーが
一般応募というのは知っているのですが
他の人はどのようにNEGAに…」

山:「私と史緒里はくぼしたという
音楽ユニットを組んでいて
やってみないか?と誘われたの。」

久:「真佑と柚菜と璃果とあやめは
モデルや演技の仕事をしていてNEGAに誘われた。」



冨:「じゃあ、オーディションはやっていないんですか?」

山:「やっていないよ。
一般応募のかっきーとさくちゃんだけ
オーディションで選ばれたの。」

菅:「でも、さくちゃんとかっきーは凄いですね。
一般応募の2枠を勝ち取るなんて…」

山:「でも、募集当時は1枠だったよ。」

久:「最終審査で急遽2枠に増やすことが決まったらしい。」

五:「それだけ2人が逸材だったということですよね。」

さくちゃんとかっきーで選べなかったから
増やした可能性もあるよね。

実際、2人の人気は凄い!



久:「まあね…あの2人のおかげで
ここまで人気が出たから。」

山:「感謝しかないよね。」

凄いなぁ…
私もこのグループの人気を支える存在になりたいなぁ…

山:「でも、かっきーがグループを
辞めてしまいそうで怖いの。」

菅:「えっ⁈辞める⁈」

五:「嘘⁈」

冨:「ビッグニュースじゃないですか!」

山:「この前の5周年ライブの翌日に
私の部屋に来てね…次のシングルでダメなら
私はグループを辞めたいと言ってきたの。」

次のシングルでダメって…
グループの人気は安定しているのに…

久:「私たちは全力で止める気だから。
手錠をかけてでも止める。」

それはやりすぎ…(笑)

冨:「今から部屋に閉じ込めれば…」

五:「こら。」

茉央が奈央ちゃんの頭にチョップする。

冨:「いてっ」

山:「それはそれで困るから(笑)」

菅:「今から閉じ込めるとテレビに出られなくなる(笑)」


___________________


エレベーター前

田:「今日の収録は何だっけ?」

柴:「大食い対決。」

田:「ヤバっ!さっきたくさん食べちゃった!」

璃:「バカ…私と柚菜は少なめにしておいたのに…」

田:「エレベーターが来るまでになるべく、空腹に…」

真佑は上下にジャンプして運動しようとするが
程なくしてエレベーターが到着する…

田:「あれ?あやめ?」

筒:「なんで、ジャンプしているの?」



あやめがエレベーターから降りてきた。

柴:「大食い対決のために
空腹にしようとしているんだって。」

筒:「無理でしょ。」

あやめは辛辣な言葉を放つ

田:「それより、遊園地は?
まだ、閉園まで時間あったよね?」

時刻は15:00

筒:「友達がクイズ研究会の約束を忘れて
そこのリーダーに電話で叱られて
呼ばれたから早めにお開きになったの。」



田:「そうだったんだ。
でも、早めに帰ってきてよかったね!」

筒:「どういうこと?」

璃:「史緒里と私たちが勧誘した子たちがいる。
5周年ライブにいためちゃくちゃ可愛い子たち。」

筒:「え………?」

柴:「あやめ、その子たちの学校の
文化祭に遊びに行っていたの?」

筒:「ちょっと、待って…なんで…」

あやめは冷や汗をかく。

璃:「2人ともエレベーターに早く乗らないと。」

柴:「そうだね。」

田:「ちゃんと咲月、茉央、奈央に
話しておいたほうがいいよ!
あなたのことを怪しんでいたから!」

筒:「…」

田:「3人は奥の部屋にいるからね!」

3人はエレベーターに乗った…


筒:「面倒なことになった…」



山:「それでね、あのシングルは…」

ガチャ(開閉音)

美月さんが曲の裏話について話していた時…

筒:「…」

菅・五・冨:「⁈」

あやめんが部屋に入ってきた。

筒:「はぁ……」

久:「この子たちを勧誘したの!」

山:「可愛い子たちでしょ?」

筒:「さっき、真佑とエレベーターの前で
話したから知っている。」

あやめんは私たちに視線を向ける

筒:「まさか…こんな形で会うとはね…」

久:「そういえば、この子たちの学校の
文化祭に行ったってどういうこと?」

山:「え、なになに?」

菅:「あやめんが私たちの文化祭に来ていたんです。
これがその写真…当時は変装で
分からなかったですけど…
先程、史緒里さんたちに確認して…」

私は美月さんに写真を見せた。

山:「ファンの子でも分からないレベルの変装だけど
なんで、あやめがこんなところに…」

筒:「はぁ……美月、史緒里。
ちょっとだけこの3人を借りてもいい?」

久:「別にいいけど…ここじゃ話せないこと?」

山:「私も気になる。」

筒:「ごめん。ここでは話せないから。
3人ともついてきて。」

菅・五・冨:「…」

私たち3人はあやめんの部屋に…


あやめの部屋

筒:「それで私が文化祭に行ったことは誰が知っているの?」

あやめは椅子に座り、3人に尋ねた。

菅:「私たち3人と美月さんと史緒里さんたちです。」

筒:「それなら…問題ないか…」


菅:「あの…麻衣さんとはどういった関係で…
小さい頃にお仕事したと聞いたのですが…」



筒:「今でも連絡を取っているから文化祭に誘われた。
あなたたちに握手会のチケットと
ライブのチケットを用意したのも私。」

だから、関係者席は取れたのか…

筒:「それで他に聞きたいことは?茉央ちゃんはあるよね?」

菅:「えっ…?茉央…?」

冨:「茉央先輩…?」

五:「…」

五:「…やっぱり、あなたは
○○の姉が誰か知っているのですね。」



菅:「○○の姉ってどういうこと⁈」

冨:「誰かということは…生きているんですか⁈」

五:「麻衣さんから○○の姉が生きていることを聞いた。
そして、彩ちゃんはNEGAに○○の姉がいると言った。」

ちょっと、待って…急にそんな情報…頭がパンクするよ…

五:「麻衣さんから何か聞かされていますよね?」

筒:「あの子に聞くのが一番かな…」

菅:「(あの子?)」

あやめは電話をかける

筒:「もしもし?今大丈夫?」

?:「家だから大丈夫ですよ〜」

あやめさんは電話をスピーカーにする

筒:「○○君はいない?麻衣さんは?」

?:「お兄ちゃんは桜先輩と学校に残っていて
お母さんはスーパーに行って、食材の買い出しを…」

この声って…

筒:「ねぇ、前に勧誘の制度があると話したでしょ?」

?:「ええ。聞きましたけど…」

筒:「○○君のお友達3人が史緒里たちに勧誘されている。
今日、学校を休んでいた3人。」

?:「はぁ⁈」

筒:「今、3人は私の部屋にいる。
○○君の姉について聞かれている。
文化祭に私が行ったこともバレた。
どこまで喋っていいのか分からないから
あなたが話してほしい。」

?:「そんな、急に⁈」

筒:「電話代わるよ。
ちなみに今の会話はスピーカーで
3人にも聞こえているから。」

?:「スピーカー⁈最初に教えてくださいよ!」

筒:「電話代わるからね。」

?:「まあ、はい…」

あやめさんは携帯電話を私たちに渡す。

冨:「もしもし。」

五:「その声って…」

菅:「彩ちゃんだよね?」

彩:「そうですよ。」

菅:「ねぇ!○○の姉ってどういうこと!」

冨:「どういうこと!」

彩:「はぁ……咲月先輩も奈央ちゃんも知るとは…
茉央先輩、前に言いましたよね?内緒にしてって…」

五:「で、でも…」

彩:「今はまだその時じゃないから!
今は誰にも話さないでください!」



電話の向こうの彩ちゃんは怒っていた。

五:「ごめん…でも、いつになったらそれを…」

彩:「お母さんの計画は着々と最終段階に進んでいます。
あやめさんもその計画の協力者の一人です。」

麻衣さんの計画…???

彩:「桜先輩とお兄ちゃんが付き合うことも計画通りです。」

菅:「計画通りってどういうこと…?」

彩:「お母さんは数年前に桜先輩のお母さんに頼みました。
桜先輩をお兄ちゃんと同じ高校に入れてほしいと。」

えっ…???

彩:「桜先輩とお兄ちゃんが付き合った今…
お母さんの計画は最終段階です。」

彩:「お兄ちゃんが姉に再会出来るまであと少しです。
あなた方もその場で真実を聞いてもらいますから…
しばらくは大人しくしてほしいです。」

彩ちゃんはそう言い残して、電話を切った。

筒:「ということだから…しばらくは大人しくしていてね。」



私たちは何も言えなかった。

筒:「それとあなたたちと○○君に
姉のことを話す時が来たら教えるね。
これが私の連絡先。」

私たちはあやめさんの連絡先を登録した。

筒:「ごめんね。本当にあと少しだから。」

菅・五・冨:「いえ…」

そして、私たちは美月さんと史緒里さんと
連絡先を交換して事務所を後にした。

僕は桜と一緒に手を繋いで帰っていた。

桜:「ルンルン♪」

○:「そんなに明日の別荘が楽しみなの?」

桜:「二人きりでお泊りだよ!お泊りデート♪」



確かに僕も楽しみ。お泊りって…そういう事も…///

そんな事を考えているうちに桜の家に着いた。

桜:「明日、楽しみにしているね!」

○:「うん。」

桜:「ふふっ…///」

桜は微笑むと…

桜:「ん…」

○:「ん…」

僕にキスをしてきた。

桜:「また明日ね…///」



桜はそう言うと駆け足で家の中に入っていった。

○:「(お泊りで何しようかな…)」

そんな事を考えながら
自分の家に帰ろうと道を歩いていた時…

?:「この想い届け Clap your hands〜♪」

○:「あっ…」

サクラ公園からあの歌声が聴こえてきた。
僕はその歌声に導かれるように公園のベンチに座った。

?:「風に乗って飛んで行け 愛の歌
一人ぼっちじゃないんだよ〜♪」

その人はNEGAのSing outと同じフリで
完璧に踊りながら、歌っていた。

○:「すごいな…」

歌も上手いし、ダンスの完成度も高い…

?:「ふぅ……えっ?あっ…」

歌い終えたその人は
僕の姿に気づき、僕にお辞儀した。
○:「あなたの歌声が好きです。」

僕はストレートに感想を伝えていた。

?:「ありがとうございます…あの…今日もお礼です…」

その人はイグアナのストラップを僕に渡した。

○:「爬虫類がお好きなんですね。」

?:「はい…大好きです…」

少し微笑みその人は公園を後にした。

?:「あの人みたいに…
私の歌声を褒めてくれる人がいたら…
私は続けていたのかな…」

??は帰り道を歩いていた。

?:「はぁ…今更謝りに行っても…遅いよね…
私はNEGAらしさを壊す存在…だから
あの場にいてはいけない…でも…」


ア:「美月さん…会いたいよ…」



23:00

筒:「…」

コンコン(ノック音)

筒:「入ってきていいよ。」

ガチャ(開閉音)

遠:「ヘトヘトなのに何で呼ぶの…?」

さくらはあやめの部屋に入った。

筒:「ごめんね。話したいことがあって。」

遠:「まあ、いいけど。撮影の難所は終わったからね♪」

さくらはあやめの横に座る。

筒:「史緒里たちが○○君の友達の
咲月、茉央、奈央を勧誘した。」

遠:「えっ…?」

筒:「それで私が麻衣さんと
関わりがあることもバレたし
姉についても詮索された。」

遠:「ヤバくない…?」

筒:「ヤバかったけど…彩ちゃんが3人に
大人しくしてと言ったから大丈夫。」

遠:「なら安心♪」

筒:「ドラマの撮影はいつまであるの?」

遠:「来週の火曜に終わるよ。
今回は演技力も格段に上がっているから!」

筒:「楽しみにしてるね。
あと火曜まではメールか電話でやりとりで
多分、ここ数日で決めにいくと思うから…
ちゃんとメールを確認してね。」


遠:「了解…」

【第24話に続く】

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