デジタルクローンの未来：新たな働き方と子育てへの応用

デジタルクローンの世界へようこそ

　こんにちは、noteクリエーターの花やんです。今回は、デジタルクローンというトピックについて再度触れたいと思います。前半部分は無料で公開します。

デジタルクローン：まだまだ知られざる存在

　デジタルクローンについて続けて記事を書いてきているにも関わらず、まだまだデジタルクローンの認知度はそれほど高いとは言えないのが現状です。noteのハッシュタグでデジタルクローンを検索しても、私の記事が主に表示されるくらいです。

しかし、生成AIが進化する中で、デジタルクローンの時代が間違いなく到来します。より多くの方々にデジタルクローンについて理解してもらいたいと思っています。

デジタルクローンとは？

　改めて、デジタルクローンとは、文字通りデジタル上のクローンを指します。クローンと聞くと、多くの人が最初に思い浮かべるのは、おそらく「クローン羊」でしょう。

私自身も、いつだったかは覚えていませんが、教科書でその話を見たことがあります。動物の領域では、物理的なクローンがすでに実現しています。

しかしながら、人間の場合は、倫理的な問題から実現はまだ遠い未来の話です。そして、今後もその実現はほぼ不可能と言ってもいいでしょう。これは、大きな論争を引き起こす可能性があるため、研究者がわざわざ地雷を踏むことはないと私は見ています。

それとは対照的に、デジタルクローンは、物理的なクローンとは異なり、実現可能性が高いと言えます。

デジタルクローンの製作過程

　デジタルクローンを作り出すために必要な要素は主に3つです：

1. 情報

2. 音声

3. 画像 　　　　　　　　

それぞれについて見ていきましょう。

情報

　物理的なクローンは人工的に遺伝子をコピーして細胞分裂をさせることで作り出しますが、デジタルクローンはそのような方法が使えません。デジタルクローンを作るための鍵となるのは、元の人間の情報です。

ここでいう情報とは、元となる人間のSNSや動画音声などの情報のことを指します。現代の私たちは、SNSなどで日々情報を発信しています。今やSNSなどで発信をしていない人の方が少ないぐらいです。

今現在開発が進められている中で登場しているデジタルクローンは、このインターネット上にある元の人間の発した情報を元に作られています。

デジタルクローンの元となる人工知能に、その情報を機械学習・深層学習を繰り返して学習させていきます。この際情報が多ければ多いほどデジタルクローンの性能・精度が高まっていきます。

音声

　そしてデジタルクローンにとって一番重要なのは音声となります。音声は、デジタルクローンが自分の考えを発信する際に必要な要素です。今音声合成・生成技術は、高度な進化を遂げています。

元の人間と見分けがつかないぐらいにそっくりな声を作り出すことが可能です。素人の人が目隠しをして聞き分けテストをしたら間違える人が出てくる可能性があるレベルです。

画像

　またデジタル実体として投影させる際には、画像技術が必要です。これも現時点でもかなり鮮明に元の人物を再現することが可能となっています。今後更なる進化を遂げれば、もう生身の人間と見分けなどつかないぐらいになることは確実です。

この三つの要素がしっかりそろって初めてデジタルクローンが完成します。この中で一番重要なのは情報であることは過言でありません。デジタルクローンをつくるうえでの情報が、多ければ多いほど精度の高いクローンをつくることが出来ます。

　逆に情報が少ないと、精度が低いデジタルクローンになってしまいます。ただ今後の技術進化によって、一度できたデジタルクローンが元の人間が年齢を重ねるごとに、リアルタイムで学習をして進化するようになるでしょう。

また現状は、SNS等のネット情報を元に作られていますが、近い将来元の人間の脳自体に特殊な装置を付けて脳の情報＆意識をコピーすることだって可能になるでしょう。そうなればSNS等の情報の多さ少なさに関わりなく、誰でも精度の高いデジタルクローンを作り出すことが可能になります。

そしてその後の進化についても人間脳にマイクロチップを埋め込みそれを介してデジタルクローンとリンク・同調させることにより、情報をやり取りすることだって可能になるでしょう。

その時には言葉での会話をすることなく、脳内ネットワーク上での会話が可能になると見ています。これも今後の技術進化次第で実現までの時間が早まることは十分あります。

デジタルクローンと課題・リスク

　デジタルクローンについて深く理解するとともに、一方で課題やリスクについてもしっかり理解をしておかなければいけません。ここでは以前から言い続けていることについて再度私の視点でお話をしていきます。

これらの課題は大きく三つに分けられます：

1. プライバシーの保護

2. 個人情報の流出

3. 環境への負荷

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

プライバシーの保護

　まずプライバシーの保護についてです。私はデジタルクローンと元の人間は一体とみなすべきだと主張しています。なぜなら、クローンとは言ってもデジタル上のクローンで、元の人間のコピーなのです。

ですから、元の人間と同じように扱われるべきだと考えています。そのため、デジタルクローンへのアクセス権限は元の人間以外から制限をかけるべきだと思っています。

元の人間の同意なくアクセスすることは、法的にプライバシーの侵害とみなされるべきです。この問題は次に述べる個人情報の流出にもつながっています。

個人情報の流出

　次に、個人情報の流出についてです。これは、デジタルクローンに外部から不正にアクセスされることによって情報が流出するリスクです。この情報漏洩はただデジタルクローンの情報が流出するだけでなく、リンクしている元の人間の情報まで流出する恐れがあります。

常時デジタルクローンと接続し、日常のちょっとしたことまで共有するようになると、それらの情報も流出する可能性があります。悪意を持った人がこれを利用して犯罪などの行為に用い、元の人間の場所を特定して罪を犯す可能性も当然あります。

この問題に対する対策としては、元の人間がデジタルクローンとのやり取りにおける情報を制限することが必要です。特定の情報についてデジタルクローンが元の人間にアクセスできないようにする必要があります。ただし、超高度に接続された環境では、これが難しいかもしれません。

環境への負荷

　最後に、環境への負荷についてです。現状の人工知能においても言われていることですが、人工知能は人間の脳とは異なり、膨大なエネルギーを消費します。これは厳しい状況にあるCO2の排出や地球温暖化を加速させる可能性があります。

そのため、現在では人間の脳内ネットワークに基づいた方法で人工知能の開発が進められています。これを実社会に実装する前に解決しなければならない問題です。従来の膨大なエネルギーを消費する方式で広く普及させると、電力不足に陥る可能性が考えられます。

一般家庭でホログラム装置として使用できるようにするためにも、脳内ネットワーク的手法での実現が急務となっています。

これらの3つの問題以外にも、デジタルクローンにはさまざまな課題があります。これらの問題を解決し、デジタルクローンを一般に普及させることが今後の課題となります。