見出し画像

スティーブン・ユニバース・フューチャー 備忘録・感想(中編)

前回(↓)の続き、今回は11話から14話までの備忘録・感想です。

・11話 夢の中で
家でパーティーをする皆に混じろうとするも、家の中に入れず、「誰にも必要とされないお前がなぜまだここに?」と責められ、広大な宇宙空間へと落ちていく夢を見るスティーブン。ここのところ、同様の悪夢に悩まされているようです。
スティーブンの夢は作中で、過去にあった出来事の追体験や、他人の深層心理への介入など、さまざまな特別な役目を果たしてきました。今回のスティーブンの夢は嫌な経験の再体験、自分自身が恐れているものの具現化など、(テレビに投影される点以外は)普通の人間である私たちと同じようなもので、その辛さが伝わってきました。
「一緒に解決すべき問題がなくなったせいで、友達との関係が微妙になってる」と涙するスティーブンの隣にペリドットがいてくれてよかったです。
→夢の中でコニーが巨大化するシーンは、オブシディアンになっているんですね。
→初見では、夢の中の表現の独特の恐ろしさにスティーブンのトラウマの深さと未来への恐れを強く感じ、何回か見た現在はスティーブンが最初に悩みを自分から話せたのはペリドットである、という点にうなりました。10話でもスティーブンが話していましたが、クリスタルジェムズでは近すぎるこそ話せない事柄があると思います。その点、一緒に暮らしている訳ではなく、馬鹿騒ぎできる関係であるペリドットに一度話すことができ、理由なく一緒にいてもらえたことは少しは救いになったことでしょう(ラピスはちょっとその辺ドライですかね)。とはいえ、ガス抜きにはなっても根本的に解決できたわけではないのですよね…。

・12話 友達作り
スティーブンはビスマス、パール、コニーとローラースケート場へ。しかしうまく滑ることができず、コニーの友人たちである同世代の人間の友人とどう接すればいいのかもわかりません。
ビスマスに「人間との接し方を忘れた、コニーが友達と一緒にいると何だか話しづらくて」「(以前と違って)コニーと僕の人生は別々に進んでいる」と、ここ数ヶ月の悩みを打ち明けます。「クリスタルジェムズなのだから周りと違っても当然、コニーはそれを承知しているし、友情は終わっていない」と励まし、スティーブンを鼓舞してバーンっと送り出す姐さんっけのあるビスマスがいいですね。
→まさかのビスマスがパールを意識しているとは。最初は、一体どれくらい昔から好きなんだ?(もしかしてローズとの三角関係だったのか?)と考えてしまいましたが、故郷とのいざこざが落ち着いたこの何年間の話、なのだと思います。物語当初から考えるとパールの変貌っぷりはすごいですよね(でもその頃のちょっと拗れたパールも好き…)

・13話 永遠の愛

コニーの大学受験の勉強の合間にビデオ通話をするスティーブン。コニーが進学を希望している大学はビーチシティから遠く離れたところにあります。「自分には人生の目標が何もない、ステボニーでいる時と違って、1人だと途方に暮れてしまう」と悩み、「僕の未来はコニーだ」という結論に至ったスティーブンに、ルビーとサファイアはコニーへのプロポーズを提案します。
「結婚して別のスティーブンになる」と意気込み、ウキウキとプロポーズの準備を進めるスティーブン。映像は楽しげなのですが、視聴者としては唐突な展開に気が気ではありませんでした。
案の定、初めて出会った場所でのロマンチックなデートにはときめくコニーでしたが、出会いのきっかけとなった光る腕輪を渡しての「結婚してステボニーとして生きよう」という提案には戸惑い、「私は私でもいたい」「今は」ダメと断ります。
精一杯の笑顔でコニーを見送った後、スティーブンは倒れ込み、涙しながらピンクダイヤモンドの力を暴走させます。吹き飛ばされるプロポーズの準備に使った品々。それから何時間経ったことか、爆発でできた穴から起き上がると、ガーネットがそばで見守っていてくれました。「心の友に誤った期待をするな。愛し合う2人もそれぞれの人生を生きている。人生に空いた穴を埋めるのはコニーでもステボニーでもない」と諭すガーネットの言葉は至極正論ですが、傷ついたスティーブンには今の時点では受け入れ難いものだったと思います。
→「ずっと一緒にいたい、一緒にいて楽しい」という気持ちは同じであっても、焦りや不安によってそれだけで満足できなくなる、相手への期待が変わってしまうことはよくあるのだと思います。それに加えて、コニー自身の人生を捨てて「ステボニーとして生きよう」というスティーブンにとっては必死の、しかしコニーにとっては若干暴力的な提案ですから、関係がこじれてしまうかもと心配しましたが、コニーの精一杯の言葉と態度には本当にいい子だなと思わされました。対して不穏さを増していくスティーブンの様相に不安が募っていきます…。
→サファイアの予知能力が確率論だったことに地味に驚き…。もっと不思議パワーかと思っていました。

・14話 心の痛み
コニーへのプロポーズに失敗し、誰もいない家でひとり落ち込むスティーブン。体が突然膨れたり、ピンク色に光ったりする症状を心配したコニーに勧められ、コニー母の病院を受診します。
コニー母には、過去の闘いのなかで身体的には奇跡的な回復を繰り返しているも、心には深い傷(トラウマ)を負っており、ストレスの許容量が限界を超えて過剰に反応しているのでは、と見立てられます。最近何かストレスがなかったかと聞かれた途端、光り、膨れ上がる症状が止められなくなってしまいました。
コニーに電話で呼ばれ、ツアーを放り出してスティーブンの元に駆けつけてくれたパパに「うまくいかないことがあると世界が終わるように感じるんだ。地球が安全になって幸せを感じるべきなのに、過去のトラウマに苦しんでいる。僕はどうすればたち直れるの? このままじゃ生きていけない」と吐露するスティーブンには胸が苦しくなりました。
→視聴者が楽しみ応援してきた過去のSUの出来事が、トラウマ体験となってスティーブンを苦しめているという事実。目標を達成した後のヒーローのあり方、というのは、アメコミ的なものではよく描かれる気がします。

続く


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?