春雨

肌に纏わりつく春に
安売りのあっぷるてぃーがよく似合う
赤いワンポイントを誇らしげに胸に掲げた少年が
電車を駆ける
それを信じていればいい
暗く陰った車窓にあらゆる瞬間が映り込んでいる
口に含んだ薄い味みたく
もう忘れてしまうよ
雨が降ったら
湿った肌ににおいが残るだろうか
残るだろうか

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