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プロ野球戦力分析(ソフトバンク編)


 6月19日に開幕が迫った日本プロ野球。今日は昨年度パ・リーグ2位ながらCS、日本シリーズを勝ち抜き3年連続日本一を達成した福岡ソフトバンクホークス(ソフトバンク)について分析する。


•投手陣の入れ替わり


 A.ミランダ、R.スアレス(阪神移籍)が退団、中田賢一が金銭トレードで阪神に移籍、岡本健が引退。育成でも4投手が退団。
 新加入投手はメジャー通算54勝の左腕外国人投手M.ムーア(米 /タイガース)。実戦で結果を残しており、開幕ローテ入りが濃厚。ドラフトでは3位で右のサイドハンド津森宥紀(東北福祉大)を指名し、獲得している。育成でも2投手を指名。


•隙のない投手陣

 チーム防御率は3.63でリーグトップ。補強と育成が噛み合っており、投手陣の層は厚い。
 先発陣は育成出身のエース右腕で昨年度26試合13勝(8敗)、180.1回を投げ227奪三振、防御率2.79の千賀滉大(27)が奪三振王、右のアンダーハンドで23試合12勝(6敗)、143回を投げ防御率3.34の高橋礼(25)が新人王。2桁勝利はこの2人だけだが、17試合5勝(4敗)ながら106回を投げている育成出身左腕大竹耕太郎(25)、今季開幕投手を任される、最多勝の実績がある右腕東浜巨(30)、新外国人左腕M.ムーア(31)、育成出身の遅咲きの右腕二保旭(30)、ベテラン左腕和田毅(39)、実績ある右腕武田翔太(27)といった投手がいる為、あまり心配はない。

 救援陣はクローザー2年目の右腕森唯斗(28)が54試合2勝(3敗)35S、防御率2.21。NPB通算234Sのベテラン外国人右腕D.サファテ(39)が近年不調な中、奮闘している。セットアッパーは育成出身の外国人左腕L.モイネロ(25)。昨年は60試合3勝(1敗)4S34H、防御率1.52で、59.1回を投げ86奪三振と圧巻のパフォーマンスを見せた。また、大卒ルーキーで65試合2勝(5敗)8S26H、防御率4.14、58.2回を投げ73奪三振の甲斐野央(24)はリハビリ中。左のワンポイント嘉弥真新也(31)は54試合2勝(2敗)1S19H、防御率2.61、速球派右腕松田遼馬(26)は51試合2勝(4敗)5H、防御率3.81。その他、36試合5勝(2敗)6Hの椎野新(25)、45試合3勝(2敗)17H、防御率2.65で今季先発転向を狙う右腕高橋純平(23)、昨年不調だった右の中継ぎ加治屋蓮(29)、飛躍を目指す右腕泉圭輔(23)、復活目指す石川柊太(29)、岩嵜翔(31)の両右腕といった投手がいる。


•野手陣の入れ替わり


 控え外野手福田秀平がFA宣言しロッテに移籍。また、O.コラスの亡命疑惑がある。その他、育成含む5選手が退団。
 新加入野手は、ヤクルトから移籍してきたW.バレンティン。強力打線が更に破壊力を増す。ドラフトでは、1位で佐藤直樹外野手(JR西日本)、2位で海野隆司捕手(東海大)、4位で小林珠雄内野手(東海大札幌高)、5位で柳町達外野手(慶應義塾大)を指名し、獲得。育成でも6選手を指名している。


•一発の魅力と安定感ある走攻守


 チーム打率は.251でリーグ2位タイ、582得点はリーグ3位ながら、183本塁打はリーグトップ。113盗塁はリーグ3位、100犠打はリーグ2位、59失策はリーグ2位と走攻守バランスが良い。

 個人別では、日本シリーズMVPで103試合28本塁打68打点、打率.319のY.グラシアル(35)、130試合36本塁打88打点、打率.259のA.デスパイネ(34)の両キューバ人スラッガーが健在。そこにヤクルトで実績豊富、昨年120試合33本塁打93打点、打率.280のW.バレンティンが加わる。キューバの主砲とオランダの主砲が共存する。ベテラン三塁手松田宣浩(37)は全試合出場で30本塁打76打点、打率.260、正遊撃手今宮健太(29)は106試合14本塁打41打点、打率.256。ただ持ち前の犠打は昨年7しかなかった。代走で飛躍し、侍ジャパンにも選ばれた育成出身の周東佑京(24)は102試合で25盗塁。内外野守れるユーティリティでもあり、今季は定位置取りを狙っている。他にもユーティリティは明石健志(34)、育成出身の牧原大成(28)がいて、ベテラン内野手の内川聖一(38)、復活を期す柳田悠岐(32)、上林誠知(25)の両外野手がいる。

 正捕手の甲斐拓也(28)は137試合で11本塁打43打点9盗塁、打率.260。盗塁阻止率はリーグ4位の.342。今季からは背番号を19に変え、更なる活躍を目指す。甲斐キャノンが今季も炸裂するか。


•今季期待の若手選手

投手:津森宥紀(22)

 大卒ルーキーの右のサイドハンド。かつてソフトバンクでは藤岡好明(現DeNA)、久米勇紀といった右サイドハンドの中継ぎが存在感を示していたが、現在は右サイドハンドが不在。救援陣の層は厚いが、一年目から輝いて欲しい。

野手:周東佑京(24)

 実はまだ大卒3年目。侍ジャパンでの活躍は記憶に新しいが、荻野貴司(ロッテ)のルーキーイヤーや赤星憲広(元阪神)といった姿が重なる。セカンドのレギュラーを目指しているが、1番センターで起用しても面白いのではないだろうか。盗塁王に期待。


•優勝への条件


 下位チーム相手に星を取りこぼさないことだろう。そもそも、3年連続日本一という実績が示す通り、優勝する力もあるはずだ。

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