人間関係リセット症候群だなんて便利な名前だなあと思うの

 こんにちは。将来子どもに何を習わせたいかって話をしてたんですけど、オンライン英会話はやらせたくて、楽譜読めたり音感があると小中学校でメリットが多いのでピアノもやらせたくて、泳げないとプールの授業が億劫なので水泳もやらせたくて、字は綺麗な方がいいので書道もやらせたくて、ああダメだやっぱ子どもの希望に任せようとなりました。自分の人生じゃなくて子どもの人生なのでね。

 はのとです。初めまして。


 この間twitterで「人間関係リセット症候群」というのがトレンドに入っていました。なんだろうと思って見たら、突然SNSとかの繋がりを切りたくなってしまうことだそう。違うかもごめん。


 私今大学4年なんですけど、高校を卒業して大学生になる段階で、一度これを経験しました。本当に突然訪れるんですよね、SNSの繋がりを切ってしまいたくなる瞬間が。そして、その衝動は抑えられない。でも、まあ後悔もしない。

 高校2年生のときくらいかな、インスタが周りで主なツールとして台頭してきました。ちょうど私がJKのときに主流になってきたんですよ。だからそこまでインスタが中心の学生生活、というところまではならなくて。

 私の高校はあまりお利口さんではなかったので、一般受験をする人がクラスに5人くらいしかいませんでした。他はみんなAOとか指定校とか公募とかを使って、秋ごろには進路が決まっている場合が多くてね。

 でね、私が受験生をしている間に、みんなはインスタの使い方を確立させていったんです。系統とか、映える写真しか載せないとか、顔が見えるか見えないかの角度とか。使い始めた頃はただの思い出を載せるツールだったのにさ、気付いたらキラキラな場所になっていて。

 そういうの面倒なんですよ。映えを目的に出掛けるのも私には合わないし、出てきたご飯はすぐさま食らいたいし、綺麗なものはある程度写真に撮ったら眺めて楽しみたいし、自分が映る写真は最低限でいいし。こういう人は、インスタに向かない時代が到来してしまっていました。


 インスタは、同じ高校の一度も話したことがない人とかも繋がっていたんです。そもそもそれ自体も嫌でした。知らない人の日常を見て何が楽しいんだろうと。そんなにFFの数を増やしたいのかと。数のために自分のプライベートが脅かされるのが嫌だなというのはずっと思っていて。だけど、高校に在籍している内はかかわりがあるかもしれないから、下手に切るとかできなくて。

 だから卒業したあと、大学に入る段階で、「知り合い」とのつながりを切りました。面倒だったけど、170人くらいいたフォロワーが30人くらいになりました。なんてこった。

 なんか、急に嫌になっちゃった。もともと嫌だなあと感じていたところに、突然火がついてしまった。なあなあな繋がりが、140人。怖いねえ。だけど、フォロワーが減ったことで、私の中の安心感と自由度が上がりました。


 そして大学生になり、今度はこの安心感を守っていくぞと意気込んでいたものの、入学2日目でその決心は崩れました。私の学科では、特性上少人数の授業が多かったので、クラスという概念が存在していたんです。だからクラスの顔合わせがあって、担任の先生的な教授と、20人もいない学生たちが1つの教室に集まる。

 知り合いのいない私は孤独を感じながらも、他の人たちも周りをうかがっている様子でした。先生の話が終わって解散、となったタイミングで、私はサークルや部活の新歓を回りたかったので教室を出ようとしたのですが、どうやらコミュニケーションタイムに入った空気感を察知。

 ここで逃げたら終わるなあと思って、頑張って近くにいた女の子とコミュニケーションを取ります。そうしているうちに、女の子たちが1つに集まって、インスタの交換会が始まりました。避けられない。


 こうして、私の安全地帯は一瞬にして崩れてしまったのです。諦めました。諦めた。インスタには便利な「親しい友達」という機能があるので、そこに30人をぶち込み、滅多に使うことはないものの、ストーリーを上げるときは必ず親しい友達を使うようになりました。

 でもまあ、結局少人数クラスですから、関わるうちに仲良くなって知り合いから友だちになる人たちが何人か現れてきて。嬉しいことです。大学生になっても友だちと呼べる人ができるなんて。とっても嬉しくて、大好きになりました。1年生の頃に友だちになった人たちとは今でも交流があります。

 親しい友達に入れる人が増える一方、高校生のときに仲良かった人たちとの繋がりは希薄になり、今後も続いていくであろう友だちと、そうでない友だちがいることに気が付きました。後者は親しい友達から外れていきます。面倒な性格ですね。


 部活に入ったことで、インスタのフォロワーはぐんぐん増えていきました。部員のほとんどと繋がっていたからです。先輩からのフォローは断れないし、長く密に繋がっていく関係だから、変な感じになりたくもなかったし。

 でさ、どういうわけか分からないけど、2年生のときは完全オンライン授業だったのに、一度も会ったことないし授業内でもディベート以外で話すこともなかったクラスの女の子にフォローされました。え、怖い。どこから見つけてきたの。

 でもその頃には、授業で偶然出会った人とかも含めて私のインスタの繋がりもわりと無法地帯だったので、まあ誰だか分かるしいっか、と思って申請を許可しました。あんなに狭い繋がりを求めていたのに、すでに基準が「知っている人」と「知らない人」になっていたんです。

 部活では世代が入れ替わり、上は卒業して新しい下が入ってくると、後輩たちという新しい分野の繋がりが増えました。増える増える。


 そうこうしている内に、結局私のインスタは、またも存在は認識しているけど知らない人が溢れる場所になってしまいました。親しい友達も、この頃には高校の頃の友だちは10人以下になり、1年生の頃仲良くなった友だちが数人、残りは大量の部活の人たちになりました。

 私の所属する部活は活動が活発なんです。2か月に1回以上はライブがある軽音楽部なので、常に練習で部員に会うし、だからこそ仲が良いので、活動外でも学内のたまり場に勝手に集まって課題をしたり喋ったりしているんです。

 だから、部員を1人でも親しい友達に入れたならば、全員入れないとなんかもう面倒じゃないですか。自分は見えていないのにあいつは見えている、みたいなことが起こっても楽しくないし。だからまあ、卒業した人は除いていって、今いる部員は全員親しい友達に投げます。秩序ないですね。


 そして再び訪れました。人間関係リセット症候群の発作が。年明けるちょっと前くらいかな。別に、何かあったわけじゃないんです。大学生活を通してよりインスタの苦手に拍車がかかっていたとは言え、自分なりの使い方で楽しくインスタやっていたんです。

 だけど、ふとフォロワーを見たときに、あ、この子苦手だったうえにもう部活やめちゃったし消しちゃおう、と思ったんですね。それが終わりの始まりでした。

 この人もいいや、この子も授業以外で会わないからいいや、この子も、この子も。てかこの人誰だっけ。そんなことをしているうちに、またもや50人くらい消してしまった。部活の人も何人か消したかったけど、卒業式の直前まで活動があるので控えました。卒業したら消します。

 また、私の安心感が増えました。知っているけど知らない人の投稿が現れないだけで、あまりにもストレスフリー。ストーリーはもともと全く見ないので変わりませんが、投稿の質が変わったので、興味のないおしゃれ飯、知らない人のかっこつけたポーズがなくなり、共感性羞恥も消えました。

 話は逸れるけど、うつむき加減とか、足をずらしたりしてモデルみたいなポーズで決め顔の写真とかたくさんあるじゃないですか。私あれダメなんです。共感性羞恥で見られない。人がたくさんいる場所でこのポーズをわざわざとって、きっと何枚も人に撮ってもらっているんだろうなという情景が浮かんできて、一般人が何をしているんだろうと恥ずかしくなってしまうんです。芸能人とかはいいですよ。自分を魅せる仕事だからね。


 で本題だけど、実体験がある私的に、「人間関係リセット症候群」というのは便利な言い方だなあと思うんです。だってさ、勝手に繋がっておいて勝手に消すんですよ。SNSだから角が立ちにくいものの、実際にそんなことしたらすごく変な人です。すごく関わりにくい人です。

 それを「症候群」と表すのはなんか違うなあと。なんか優しすぎるなあと思うんです。そんなことないかな。まあこれは私の価値観なので、同意とか反論とかは一切求めてないんで、「へえそう」と思ってもらえれば大丈夫です。

 なんだろう、強いて私のこの性質をあえて言語化するのであれば、「SNSが下手くそで、広く浅い繋がりがとても苦手で安心できない、パーソナルスペースが激狭な人」ですね。これは私のことです。一般化ではなく、私のことです。=「人間関係リセット症候群」ではないです。

 苦手ならやらなければいいんですけどね。でも、楽しいことがあれば投稿に載せてとっておきたいし、ちょっとした発見とかはストーリーで共有したいし、インスタを使うこと自体に抵抗感はないんです。ただ、プライベートを多くの人に見られることが嫌なだけで。

 私来年から学校の先生になるんですけど、最初の授業で絶対に、「私はフリー素材ではないので、絶対にストーリーとかに上げないでね。まじで本当にすげー嫌だからね。みんなのリテラシー信じてるよよろしく」と言うつもりです。高校生って、先生をフリー素材だと思っている節がありますから。


 長くなってしまった。最後まで読んでくださってありがとうございます。広く浅い繋がりが苦手だから、twitterの趣味垢とかも作れないんだろうなと思う。このnote用のtwitterもあるけど、一切使ってないですし。記事載せてるだけ。じゃあいらないじゃんってね。分かる。


 元気に楽しく、Let's SNS。

 

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