THE FIRST SLAM DUNK ネタバレありあらすじ・内容

公開日12月22日の本映画。
3月23日に滑り込みで映画館に向かいまんまとどハマりしたOLが、映画館でメモをとりながら記録しました、、尊い、、、
以下、脳内再生用のためかなり長文です。
ネタバレがっつりです。


本編内容

湘北にとってインターハイ2試合目である絶対王者山王工業との試合を舞台に、選手各々の想いや背景が描かれる本映画。
原作ではあまりスポットが当たっていなかった高校2年生のPG、宮城リョータが主人公であり、彼の生い立ちや家族関係が中心となっている。
(もちろん他のメンバーの背景やキャラもわかる構成)

冒頭は沖縄の海岸沿いの公園で小学生のリョータと3個上の兄ソータがバスケをしているシーンから始まる。
兄を見上げるリョータの回想から、彼らのお父さんは最近亡くなったこと、この家のキャプテンになり母を支えると言ったソータが秘密基地で1人泣いている姿が描かれる。

バスケでレギュラーを狙うリョータのために、2人は1on1を始める。兄の力強いディフェンスに苦戦するリョータにソータは言う。

俺だっていつもそうよ。
心臓バクバク。だから、めいっぱい平気なふりをする。

前に一歩踏み出せた時、初めて1ゴール取れる。
ソータはリョータを抱きしめ、頑張った。忘れるな。と言う。その抱きしめる腕にはいつもと同じ、赤いリストバンドを付けている。

リョータが目を輝かせ「もう一回やろう!」と言いソータが応じかけたところで、ソータの友達が呼びに来る。ソータは友達と釣りに行く約束をしてたのである。
ソータは先約があったことを謝り、また明日やろうと船に乗り込む。
もう一回やるって言ったのに、嘘つき、もう帰ってくるな!と泣き叫ぶリョータと、それを小さくなる船から見つめるソータ。

暗転して場面が変わり、黒と赤2つのリストバンドをつける拳が、「行ってくる。」とロッカーを閉める。 

オープニング(最高)

ここから湘北VS山王の試合が始まる。
会場内は山王の応援一色。アウェイな空気感の中、リョータと花道の奇襲が成功。その後も3連続で3Pを決める三井、ゴリラダンクの赤木と続く。
流川も沢北に食らいついている。
湘北の調子はいいが、山王のペースも崩れない。リョータは頭ひとつ分の体格差のある深津の実力をひしひしと感じながらも、「40分付き合ってやるよ!」と心の中でつぶやく。


回想シーン1、ソータのいない宮城家
ミニバスのトーナメントで、リョータは7番のユニフォームを着て試合に出ている。試合の途中で入ってくる母カオルと妹アンナ。
「よく来たねぇ、ずっと待ってたんだよ。」周りの保護者が迎える。
母の姿を見つけて嬉しそうなリョータは張り切って活躍し、「いつも以上にキレキレだねぇ。ママがきてるからかねえ。」とリョータを褒める。一方カオルは困ったような複雑な顔でうつむく。

会場後方では2人のおじさんが試合を見ながら、7番はエースだったソータの背番号でもあること、実力があったのに去年海の事故で亡くなったことなどを話している。
アンナが「ソーちゃんは遠い島で1人で暮らしてるんだもん」と乱入し気まずそうなおじさん達。
と同時にリョータのフリースローがはずれ、2人の話を聞いていたカオルの表情も曇っていく。

メンバーチェンジを行い、リョータの相手は自分より背の高い少年に。「去年兄貴とも戦ってボロ負けしたけど、弟はそうでもねーな」と言われボールを奪われてしまう。
ドリブルで抜こうとするも失敗し転んでしまうリョータ、なかなか起き上がれない。
その様子を見て、おじさん達は、やっぱり兄貴の代わりにはなれないなと話す。それが聞こえたカオルは自分の腕をぐっと強くつかむ。
ベンチに降ろされポツンと座るリョータ。

帰宅後、兄の部屋でトロフィーや写真を見てるリョータは部屋にあったお面とTシャツを身につける。振り返ると、月刊バスケットボールを黙々と読んでいる兄の幻影が見える。
同じ雑誌を読み、自分が雑誌の中の選手になったかのように想像しねいると母カオルが部屋入ってくる。
「どこかに引っ越そうか。お兄ちゃんが7番だからって、同じにする必要ないよね。変えてもらおっか。」と言いながら、兄の遺品を片付けて始め、ソータのユニフォームも無造作にダンボールに入れる。
「7番がいい」とつぶやき片付けを邪魔するリョータはカオルと揉み合いになり、カオルは「もうこの部屋に入らないで!」と怒鳴りつけてしまう。
ソータの写真が棚から落ちて割れる。ソータの部屋でうずくまりむせび泣くカオルと、仏間の隅で兄の赤いリストバンドを握りしめて泣くリョータ。

インターハイ、朝は晴れていた会場外には雲が立ち込める。
前半36対34で2点リードの湘北。後半の試合が始まる。「ここから、全く違う試合が始まるぜ」とつぶやく三井の言葉通り山王の猛攻が始まる。
山王の堂本監督は開始5分で勝負をつけるつもり。
リョータには沢北と深津がつきボールを前に運ぶことができない。ディフェンスでもファウルをとられ相手のフリースローを許してしまう。

回想シーン2、引っ越しと三井との出会い
海岸に座るカオル、海の近くに引っ越したことがわかる。
中学生で神奈川県に転校したリョータは、学校の自己紹介でも無気力で周りから反感を買う。校舎裏で「お前生意気なんだよ」とリンチに合い、団地でもボールの音がうるさいと近所のおばさんに怒鳴られてしまう。
公園のバスケットボール場でリョータはいつも1人で練習をしている。長身の少年がやってきて、「小学生?」と聞きながらボールを拾いゴールを決める。中1だよと内心むかつきながら、少年に1on1を仕掛けられる。
楽しそうに構える少年に向かっていくが、「技を見せるだけじゃだめだ、もっと圧をかけろ」などと指導される中で、沖縄の公園でソータとバスケしたことを思い出す。
戦意を喪失しボールがこぼれる。「なんだ、もう諦めるのか、1人でやってたらもったいない」という少年に背を向けた時、フェンス外から「みっちゃーーーん」と少年を呼ぶ友達の声。
少年に背を向け、うっせとつぶやくリョータ。


山王戦
堂本監督は20点差をつけたら湘北の心が折れるだろうとつぶやく。パスがつながらない湘北は攻撃ができない。後半開始2分半で14点の点差をつけられたところで湘北のタイムアウト。「まだボールにさわれてないぞ!」と文句を言う花道以外のスタメン4人は暗い面持ちでベンチに戻る。そんな選手達を見て、「まずは30秒呼吸しよう」と安西先生は三井と流川にも前へ走ってしまうことを指示。そして後ろ側を指して「宮城君、ここは君の舞台ですよ」と声をかける。
リョータが驚いたようにハッとする。コートに戻る時、マネージャーの彩子がリョータを引き留めて右手のひらに油性ペンで何かを書く。
タイムアウト明けも山王は引き続きゾーンプレスをかける。スピードなら負けない!とリョータが抜き流川にボールが渡る。
ここで流れを変えようとシュートを試みるが、沢北に邪魔される。カットされたボールを桜木が取り、赤木にまわす。河田に気圧されながらゴールを狙うがポジションを取れず失敗。「俺はこの男に勝てるのか」と自問自答する。赤木は再び攻めるが、全て止められてしまう。圧倒的強さを直に感じ赤木の動きが悪くなってくる。また、三井も前半の一之倉の我慢強いディフェンスが効いてスタミナ切れの模様。
ノーゴールのまま点差が開き、湘北が2回目のタイムアウトをとる。
並のチームがここまで来れたのはゴール下でダンナ(赤木)が頑張ってくれたから。
赤木が折れてしまったらもうダメか、と諦めかける。


回想シーン3、湘北バスケ部1年目

高校1年生になったリョータはバスケ部に入る。練習中から「声を出せ」と赤木に言われるも「俺はそういうタイプじゃない」と従わないリョータ、そして「聞き流せばいいんだ、そのうち慣れるぜ」とやる気のない3年生竹内。
2on2の練習中、赤木に背中からパスをすると「そんなカッコつけたパスをする必要はあるか」と言われる。「こっちの方が早いし、ディフェンスも反応できない。味方も反応できないとは思わなかったけど」と言い返すリョータに怒る赤木。
練習後に体育館を出て赤木との相性の悪さを愚痴るリョータに、ヤスは「赤木さんはお前に期待しているんだ」と声をかける。門へ向かう途中、リョータは誰かにぶつかる。
ぶつかったのはロン毛の長身の男。取り巻きも柄が悪い。ロン毛の男をじーっとみるリョータは何かに気がつく。
すれ違いざまに「誰がこのチビに期待してるんだ、バスケットは身長が大事じゃねーのかよ」とバカにするロン毛。
リョータは「いつでも1on1してやるぜ。負けたらボーズな。」と言いヤスと走って逃げる。追いかける取り巻き。
「おい徳男、あいつ潰すぞ」とロン毛。

月日が過ぎその年の県大会では、高校3年生に混ざって2年生の赤木も試合に出ている。
パスを回せず点を取れない仲間チームを見てリョータはイライラしている。湘北は負けこの試合が3年生にとっての引退試合となる。
試合後の控え室では、タオルを頭に被りうつむく赤木に竹中先輩が「自分だけ頑張った感出てるな〜」と絡む。リョータにも「お前は夏までもたねーな」と喧嘩を売るが、そこに赤木がやってきて、「宮城はパスができます」と一言。
合わないと思っていた赤木にフォローされ、驚くリョータ。


山王戦
タイムアウト中、選手たちは相変わらず暗い面持ちでうつむいている。ここで安西先生が花道を戻し木暮と交換させる。
諦めたから高3の木暮を試合に入れたのだと思い怒る花道に、「私だけかね、まだ勝てると思っているのは」と安西先生が語る。諦めたわけではなかったと驚く花道に安西先生が言う。
諦めたら、そこで試合終了ですよ
コートでは流川と沢北の1on1、沢北の隙のないディフェンスにより流川は無理矢理シュートを決めるが入らない。リバウンドを山王の野辺が取り速攻で沢北がシュート。
「今のリバウンドを君がとっていたらどうなりる?」安西に言われ花道が考える。山王の速攻がなくなり湘北に点を取るチャンスが生まれることを指折り数えハッとする。「4点分の働きってことか!」
「それができれば君が追い上げの切り札になる」と鼓舞する安西先生。
それを聞いていたベンチの控えメンバーはボールよ吸いつけ〜と念を込め花道の手を握っていく。凡人の考えそうなことだと馬鹿にしながらも、花道は交代する木暮ともハイタッチを交わす。
「諦めたらそこで試合終了ですよ、か。」安西先生の言葉を反芻し、花道はうつむく赤木にカンチョーをくらわす。続けて来賓席に駆け上がり、「ヤマオーは俺が倒す!by天才桜木」と客席に大声で宣言する。
観客からヤジとブーイングが飛び交う、赤木がすぐさま回収に向かい審判に謝罪。
花道はメンバーに「これで勝つしかなくなったな」と言う。「お前が言うほど簡単な点差じゃないぜ」と言う三井に、「そんなの俺には通用しねー。シロウトだからよ。」とリーゼントの手つきをする花道。
さらにベンチ席には「勝利への応援をしねーか!」と一括し、まだ諦めていないことを聞いた山王の河田は「うはっ!」と楽しそうに笑う。
その後試合続行し、再びゴール湘北のゴールチャンス。外れるが、花道が審判にバレないよう野辺のユニフォームを引っ張りリバウンドからのゴールを決め、後半初めて湘北に2点が加算される。
絶対にまた流れがくる!まだ追いつくチャンスはある!とリョータは考えるが、三井と赤木のミスが続く。
「しっかりしろ!流れは自分たちでもってくるもんだろがよ!」
リョータが2人に喝を入れる。その後更に花道のリバウンド、ゴールがはいる。
花道が安西先生に言われた通り動けていることに驚く彩子に、「この2本は取らせてもらったようなもの。桜木君を入れた狙いはただリバウンドのみにあらず」とつぶやく先生。
再び赤木がボールを手にし河田との1on1の機会がやってくる。再び「俺は河田に勝てるのか」と自問自答しつつ、殻を破ろうと叫びながらゴールに突っ込む赤木は河田に阻まれ倒れる。

赤木は真っ白い世界で倒れている。天井から小さな悪魔が降りてきて、このまま倒れていても誰も責めないと囁く。
悪魔を潰して横を見ると、一学年上のバスケ部竹内先輩の顔をした悪魔と、周りに顔のない悪魔がたくさん。「上から見下ろす気分はどうだ。俺たちのことをなんだと思っている」と問いかける。

薄く目を開けると倒れた赤木を心配して見下ろすメンバーの姿が。そうか、自分はもう1人で戦っているわけでは無いんだ、と気がつき、吠える。

「河田は河田、お前はお前だ」と励ます三井だが、スタミナ切れで自分を見失い始める。
「河田は河田、赤木は赤木、そして俺は、誰だ。俺の名前を言ってみろ」
過去のグレた三井と重なる。
リョータに喧嘩を売っていた長身のロン毛は過去の三井だったのである。


回想シーン4、リョータと三井
屋上にリョータを呼び出す三井と取り巻きを前に、リョータは震える手をポケットに入れて隠す。
「お前のそのゆがんだ眉毛が好きじゃねえ」と三井が言うと、リョータは「そのサラサラなロン毛が好きじゃねえ」と言い返す。
やさぐれた三井の姿。


山王戦
三井にボールが回ってきて、油断していた松本が「三井!」と声を出す。
よろよろな極限状態でなお三井の3Pが決まる。
これで点差は10点台になった。
三井は「宮城、俺を使え」と吐きそうになりながらリョータにいい、赤木のアシストでオープンになったタイミングでパスをもらい再び3Pをきめる。赤木と三井がグータッチする様子を応援席から小暮が見守る。
もうリングしか見えない姿に、リョータは中2の楽しそうにバスケをする三井を思い出す。
さらに桜木のアシストでもう一本決め、翔北が急に追い上げる。


回想シーン4続き
大人数に囲まれながらリョータは一直線に三井をめがけて殴りかかる。取り巻きに取り押さえられながらも、振り切っては三井だけを狙って殴り合う。
喧嘩後、ボコボコに殴られて屋上で大の字になるリョータは、降ってきた雪を見て「なんだこれ、ゴミみてーだな。心臓、バクバクだったな」とつぶやく。帰宅後カオルに心配されるが、無視してリョータは自室に入りバスケットシューズをダンボールにしまう。
自暴自棄になったように、バイクを猛スピードで走らせトンネルを抜けると、そこは沖縄の海へと続くサトウキビ畑の一本道だった。

うすくまぶたを開けると白い天井。
「リョーちゃんわかる?ここビョーイン。バイク、ぐちゃぐちゃだったって」と心配するアンナに、リョータは「沖縄が見えたぜ〜、へへへ…」と力ない声でおどける。
カオルは「何考えてるのあんた!」と怒り部屋を出ていき、廊下で座り込み涙を流す。

怪我が治り退院したリョータは、自分が生まれ育ちソータとの思い出がつまった沖縄を訪れる。
廃校になった小学校や、今は他の家族が住んでいる元自宅を歩いて回り、公園のバスケットボール場にも赴く。
大雨が降ってきて急いで崖の上の秘密基地へ駆け上がる。そこは以前と同じままだった。
おもちゃ箱を見ているうちに、何かを思い出したように探し始める。周りを見渡して看板をの裏に白いスポーツバッグを見つける。
中を開けてみると、ソーちゃんが使っていたバスケットボールが。フーッと息を吹きかけるほどに塵がつもってしまっている。
その下には月刊バスケットボールの雑誌が入っており、ソータが読んでいたことを思い出す。

秘密基地に2人でいた時、ソータの読む雑誌を後ろから覗きこみ、載っている選手達が高校生と知るリョータ。
『最強王者山王』のタイトルを見て、「ソーちゃんもここに入るの?」と聞くと、ソータは少し考えて雑誌に何かを書き込む。
『最強王者山王 "に勝つ" 』
「どうせならこっちだろ」と言うソータは、将来自分が沖縄代表として山王に勝つ姿を思い浮かべて見えないボールを投げる。

懐かしい思いで雑誌を見つめるリョータが、カバンの底に何か入っていることに気がつく。そこには、ソータがいつもつけていた赤いリストバンドがあった。
リストバンドを握りしめて、リョータはもういない兄に話しかける。
「ソーちゃんごめん。なんでかなぁ、俺母ちゃんを怒らせてばっかりだ。」
涙が溢れてきて、獣のように泣き叫ぶ。

大雨が嘘だったかのように美しい夕焼けのもと、リョータは穏やかな海を見つめ、前を向く。
吹っ切れた力強くドリブル練習を行い、裸足で砂浜をダッシュする。
自宅に戻ったリョータは、しまったバスケットシューズを段ボールから取り出す。


山王戦
花道がカットしたボールがリョータの元へ。ゴールへと走るリョータを阻止しようと深津が追いかけてインテンショナルファウルをとられる。
沸き立つ味方たち。


回想シーン5 三井の復活
あざだらけの顔で体育館に向かうリョータは、前から髪を短く切った三井を見つけてギョッとする。
「俺は諦めが悪いんだよ」と言う三井は部員に頭を下げ、バスケ部に復帰する。
優しく微笑む安西先生。


山王戦
フリースロー前にチームで集まり士気を高める翔北。ここを決めて10点差にするぞと息巻く。
大きく息を吐き、綾子に何かを書かれた手のひらをみつめるリョータ。


回想シーン6 試合前夜
旅館で山王戦のビデオを見たリョータは、自分が深津とマッチアップするという事実にビビっていた。
森の中を走りながら、「この俺が切込隊長だってさ。いつも尻込みばっかだ。」とつぶやく。
そこに彩子がやってくる。
「ぴったりじゃん、切込隊長。」
「いっつもヨユーに見えてるよ。苦しくなったらやることを決めておこう。なんでもいい、例えばそうだな、手のひらを見る、とか」
そんな彩子とのやり取りの中、優しい風が吹く。

山王戦
見つめる手のひらには『NO1ガード』の文字。
気持ちを落ち着かせなんとかフリースロー2本を決める。
ここで山王の堂本監督が、翔北の流れは花道が作っていたことに気がつき、河田を花道につかせる。最初は蹴散らされるも、河田ゴールを阻止する。
花道は続けて、沢北をおさえられない流川に「日本一になるとか抜かしてる割に、その小坊主に手も足も出ないようだな。ほら吹きやろうめ」と悪態をつく。沢北にも挑発され、負けず嫌いな流川は花道のこぼれたボールでダンクを決める。
これを見た沢北も、「3倍にしてやり返せばいい」と火がつく。
沢北と流川の1on1、沢北は流川を抜きゴールを決める。
「(日本一に)なるがいいさ、俺のいない日本でね」
何度も戦いを挑むが、流川が勝つことはできなかった。

回想シーン7 沢北の願い
長い石段が続く神社で沢北が1人参拝している。
「高校バスケでやれることはやりました。俺に必要な経験をください。まだ何か、あるとすれば。」
沢北はそう祈り、今降りた石段を一気に駆け上がる。


山王戦
何度やられても諦めない流川。
ついにファウルを取られ、沢北にワンスローが与えられる。

回想シーン8 流川とリョータ
山王戦前日、誰もいないバスケットコートにはインターハイのチラシが貼ってあり、沢北が表紙を飾っている。
「日本一の高校生だとよ。こいつの悔しがる姿が見てー。」
リョータと流川の2人きりの初めての会話だった。

山王戦
フリースローの合間、目を閉じてうつむく流川。目を開けた流川は少しだけ笑う。
諦めず沢北に挑む流川、赤木になにか目で合図をした後、30秒ルールギリギリで赤木にパスをする。
これまでソロプレイだった流川が初めてパスをしたことに一同驚く。
これまで1on1一辺倒だった流川にパスが加わることで、翔北が流れを取り戻し山王のディフェンスが崩れる。その後三井にパスが渡り止めようとする松本だが、三井はすぐに赤木にパスを戻す。
「泡食って止めにきやがった、もう俺は腕も上がんないって言うのに」
ヘロヘロでつぶやく三井に、やはりもうこの男に体力は残っていないと確信する松本。
次の速攻、流川がボールを手にしてゴール下まで突き進む。河田と沢北の2人がゴール下でブロックする中で、振り向いて三井にパスする流川。
松本が「ヤツはもう打てない」と叫ぶ。
流川は「そんなタマじゃねぇよな」と目で伝える。
三井が3Pはこれまでで一番きれいな弧を描きリングに吸い込まれていく。
「静かにしろい。この音が、俺を甦らせる。何度だって。」
三井の目に再びに輝きが戻る。

残り2分50秒、8点差。ルーズボールを拾う花道が来賓席に突進してボールを守る。
翔北の諦めない姿勢に、それまでアウェイだった会場が翔北の応援で溢れる。盛り上がるメンバーだが、花道は自分の背中に違和感を感じていた。
ここで山王がタイムアウトをとる。花道が彩子に背中が痛むことを伝え、「選手生命に関わる」と伝えられる。
翔北のベンチは満身創痍。
「オヤジ、まだ勝てるよな」という花道に対して、安西先生はもちろんですと頷く。

桜木くんがこのチームにリバウンドとガッツをくれた。宮城くんがスピードと感性を。三井くんはかつて混乱を、今は知性ととっておきの飛び道具を。流川くんが起爆力と勝利への意思を。赤木くんと小暮くんがずっと支えてくれた土台にこれだけのものが加わった。それが、翔北だ。

この言葉に奮い立たされるメンバーたちは円陣を組む。
赤木から「俺たちは別に仲良しでもなんでもねーし、お前たちには腹がたってばっかりだ。だが、…」
「だが、ありがとうよ」
一瞬驚くメンバーだが、「別におめーのためじゃねえよ!」「自分の勝利のためだ」など小突く。
隙間から顔を出した赤木を先頭に、試合に戻る両チーム。

山王は気負いなく淡々と点を稼いでくる。
「そうだ、相手はあくまで絶対王者山王」赤木が思い直す。
ここにきてもリョータには深津と沢北2名がマークし、ゾーンプレスに苦しむ。

回想シーン9 出発前の宮城家

皿洗いをするカオルの後ろで誕生日ケーキをアンナが切り分け、リョータに「happy birthday ソータ&リョータ」のプレートを渡す。
プレートを見てかつてのソータとの会話を思い出す。
「兄弟で同じ誕生日って珍しいよな。俺たちは特別ってことだ。」
ソータはそう言ってプレートを半分に割ってくれていた。
今年もリョータは兄のようにプレートを割り、自分のプレートを粉々にくだく。
3人の会話から、リョータとカオルがアンナ抜きで上手くコミュニケーションを取れてないことが伺える。
「リョーちゃん17かー。ソーちゃんは?」
アンナの質問にリョータが20歳と答える。
「生きてればね。」と言うアンナに、リョータとカオルはピクッとする。
食べ終わって自室に戻るリョータ。
皿洗いを続けるカオルにアンナは言う。「ソーちゃんの写真飾ろうよ。顔、忘れちゃう。」

カオルがリョータの部屋にやってくる。「もう8年立つんだね。17歳、おめでとう」と言われ、照れながら「ありがとう」と目を見ずに言うリョータ。
部屋を出た後、カオルは玄関にソータの幻影を見る。

アンナが寝た後、カオルは暗い部屋で1人昔のビデオを再生している。ソータがバスケで活躍する姿がうつっており、たまたま廊下に出たリョータも扉の隙間かから伺い、すぐに部屋に戻る。ビデオの続きには、応援する自分とリョータがいた。「頑張って練習すれば、お兄ちゃんみたいになれるよ」と言われ嬉しそうな顔をする。家の前でドリブルを練習するリョータ。カオルは涙を浮かべてビデオを見る。

自室で母に向けて手紙を書くリョータ。「生きているのが俺ですみませ」と書きかけ、手紙を破り捨てる。また新しい紙に書き始める。

朝になり、誰もいない団地を出発するリョータ。

カオルが起きてリビングに行くと、テーブルの上に「母上様」と書かれた手紙が置いてあった。
海辺に座って手紙を読むカオル。
そこには、いつも迷惑をかけてごめん。ソーちゃんがいない世界でバスケだけが支えでした。バスケを続けさせてくれてありがとう。ソーちゃんが立つはずだった舞台に、今日、俺が立ちます。
とリョータからカオルへの気持ちが書かれていた。
シーンは父が亡くなりカオルがどうしたらいいかわからない、と涙を流す沖縄の家へ。当時は外から見ていることしかできなかった小学生のリョータが少しずつ、部屋に歩みを進める。部屋の中には涙を流すソータの姿もある。
高校生に姿を変えたリョータがカオルによりそう。

山王戦は佳境、リョータはゾーンプレスに苦しんでいる。カオルはそっと体育館の脇から試合を見る。
小声で「いけ、、、」と囁くように応援するが、手すりをつかむ手に力が入ってくる。
そこに彩子の声がシンクロ。「いけ!リョータ!」
その瞬間、リョータは沢北と河田を抜く。
ドリブルこそ、チビの生きる道なんだよ!
赤木にパスし、ファウルにより赤木にフリースローが与えられる。
まさに投げようとする時、背中を痛めた花道が倒れる。交代に抗う花道を安西先生がとめる。
「白状します。君の異変にはすぐに気づきました。でも止めなかった。どんどんよくなる君のプレーを見たかったからです。」
花道が言う。「オヤジの栄光時代はいつだ?俺は、今なんだよ。」

「そこに立てられると目障りだ。出るなら出ろ」流川がファウルをして花道の交代が認められる。
円陣を組み、リョータの掛け声で気合いを入れる翔北。
試合残り1分。
痛みに耐えながら花道が活躍する。みきおのゴールをカットしリョータの元にボールが。速攻でゴールへ向かうリョータと流川、2人を追う山王。リョータはノールックで流川と反対側にいた三井にパスをする。
止めにきた松本にファウルがとられ、3Pに加えてフリースローが与えられる。沸き立つ翔北ベンチ。
三井がフリースローを決め残り1点差。
沢北のシュートを花道が執念で止めて流川が運ぶ、シュートをカットされるが花道がルーズボールをキャッチ、倒れながらも流川にパスする。決める流川。
ついに逆転。
山王は諦めない。深津から沢北にパス、沢北がゴールに突き進む。ゴール下では流川と赤木が2人でブロック、しかしボールはリングを通る。更に逆転。
残り10秒、赤木のスローイン。花道がゴール下にダッシュし、深津、沢北、河田も追いかける。流川がボールを取りに行き、ゴールに突き進む。全力でブロックする山王に隙がない。ゴール下右斜め前に花道がスタンバイしている。
「左手は添えるだけ」
流川が花道にパスし、花道がシュート。ブザービートでカウント、湘北79対山王78、湘北がついに王者山王をやぶった。
どちらからともなく歩み寄る流川と花道がハイタッチする、そしていつもの犬猿の仲に戻る。
仲間が駆け寄り喜びを分かち合う。リョータは天を仰ぎ見る。

トンビが3羽空を飛んでいる。
神奈川県に戻ったリョータはビーチを歩いている。いつものように海を見つめるカオルを見つけ、少し距離をとって座る。
リョータに気がついたカオルが試合について聞くと、「強かった。それに、怖かった。」と伝える。
リョータに歩み寄り、カオルは嬉しそうにおかえり、と言う。
リョータはポケットから赤いリストバンドを出し、「ソーちゃんの」とカオルに渡す。
2人で海を見る。
アンナがやってきて、「リョーちゃんおかえりー!」と元気いっぱいに兄に飛びつく。
はしゃぐ2人を見つめるカオル。

試合後の山王。
「這いあがろう。負けたことがあるということが、いつか大きな財産になる。」
堂本監督の言葉に、沢北は神社での祈りを思い出して涙する。

月日は流れ沢北渡米後、試合前に中村記者が沢北にインタビューしている。
相手チームにはリョータの姿が。
試合が始まる。


エンディング


宮城家の食卓
テーブルの上には、ソータの写真が飾られている。


(終)


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