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事実無根!名誉毀損で訴えるって?

〜名誉毀損かどうか、どんなことから判断すればいいのでしょうか〜


どんなことをしたら名誉毀損なの?!

名誉ってなに?
人の人格や知能、技術など社会から認識されている評価です。いわゆる社会的地位、社会的評価です。

棄損って?
名誉を害するおそれがある状態をつくることです。口頭や文書、新聞その他出版物、ネット掲載などを利用してつくられます。

どんな手段で!
① 公然とやる。不特定又は多数の人の知り得る状態下で棄損することです。現実に不特定又は多数の人が現実に知る必要はありません。知り得る状態ならよいです。

② 事実を摘示する。人の名誉を低下させるおそれがある具体的な事実を示すことです。摘示する事実は特定の人に関するのもであることが必要です。

③ 真意は関係ない。
摘示した事実の真偽は問わず成立します。真実かつ公知の事実を発信しても成立します。


例外があります!

ア 死者の名誉棄損は、その事実が虚偽でなければ成立しません。
イ 公務員、公選による公務員の候補者に関するものは、その事実が真実であるときに限り処罰されなせん。
ウ 摘示した事実が公共の利害に関するもので、その目的が公益を図るためのものと認められるときは、その事実が真実である限り処罰されません。

名誉棄損は親告罪!
公訴には告訴が必要です。処罰を求める意思表示が必要です。

具体的にどんなことを確かめて名誉毀損と判断するのでしょうか。

 以下に順次記載します。

第一 公然性
1 不特定又多数の人が知る状態が必要であるが、その相手方はどのような人か。
2 どのような所で摘示したか。公園、道路、デパート、駐車場など人の通行がある所か。
3 摘示した内容が伝播するか否か。

第二 事実の摘示
1 本人に不利益なのもか。特定の人に関するものか。特定の法人か。(人とは法人を含む)

2 具体的事実を内容としているか。非公知の事実か。公知の事実か。どのようにしてその事実を知ったのか。誰が作成したのか。

3 具体的事実は人の名誉を低下させるおそれがあるものか。

4 具体的事実の真偽を問わないが、例外規定の判断には必要となるので調べることが重要である。

5 摘示の方法は口頭か。週刊誌か。ネットか。郵送か。その他方法を問わない。

6 現に名誉が棄損されたことは必要でない。公然と事実の摘示がなされたときに名誉棄損は完了する。週刊誌など記事は公衆が閲覧し得る状態になったときに完了する。公衆が閲覧したことは必要ではない。 

第三 犯意
 犯意は、人の名誉(他人の名誉)を棄損することの認識があればよい。目的や意思は必要ないが、あれば詳しく聴取する。

第四 真偽
1 摘示した事実の真偽の認識は。

2 事実は公務員又は公選の候補者に関するものか。

3 起訴前の犯罪行為に関するものか。

4 公共の利害に関するものか。

5 公益を図るためになしたものか。

第5 棄損
1 名誉を害するおそれにあるか。

2 口頭で見聞きした人があれば内容を聴取する。

3 文書配布があれば文書の確保。配布を受けた人の聴取する。

4 新聞、週刊誌その他出版物は記事の提供者、編集者を聴取する。

第6 告訴
事実を摘示された人(被害者)の告訴をもって公訴の提起がなされる。

◎名誉棄損
刑法第230条
罰則 3年以下の懲役若しくは禁固又は50万円以下の罰金
公訴時効3年

◎公共の利害に関する場合の特例(不処罰)
刑法第230条の2

◎親告罪項
刑法第232条第1項

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