これくらいで歌う第三十四章〜飽和〜

2013年記
 あれほどの名曲を世に送り出し続けていたのに今はそんなに騒がれていない。あれほど人気があったのに今はそんなに騒がれていない。これほどの名曲を作っておいてそんなに騒がれていない。でも実は僕が知らないだけで騒がれているのかもしれない。ライブハウスやトークショーや道を歩いているときに騒がれているのかもしれない。そりゃゴールデンボンバーの知名度も限界集落にいけばほとんど無いだろう。

 しかし僕は思ってしまう。昔は皆が皆同じものにはまっていた。人気のドラマが放送中ならそのドラマを見ているというだけで知らない人とも話せる。ヒットソングはカラオケで歌えばいつでも誰とでも盛り上がれる。人気のゲームは学校中の誰とでも競い合える。それを良かったと思ってしまう。
こんなに人々の趣味が細分化されるのは運命なのだろうか。

 いまや、今週のヒットチャート一位の曲をカラオケで歌っても誰も知らない。ゲームにしても、まずハードが多い。昔はプレイステーションかニンデンドー64またはそのどちらも。加えゲームボーイというメインストリームがあった。今はスマーフォンといえば統一性があるが、なんか違う。これは個人的な意見だがあれはゲームと呼べない。結局は昔のゲームや昔のヒットソング、昔の映画、ドラマの話で花が咲く。僕は作品が飽和してしまったように思えた。

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