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ハンズの良音探訪#5「haircut 100/pelican west」

初めまして!ペンタ池袋ハンズサイド店長のマッスルと申します。

「ハンズの良音探訪」って事で、音楽スタジオの店長である私マッスルが日頃インスタやpodcastやキュレーションサイトなどでディグったり、Apple Musicサーフィン(「このアーティストを聴いてる人はこんなのも聴いてます」を使って様々な関連アーティストに飛び気がつけば1,2時間経過してしまう楽しく危ういネットサーフィン)、Spotifyサーフィンでピンときたバンド、音源を紹介していく記事となっております。

 本日紹介するのは「haircut 100」の「pelican west」というアルバムです。

haircut 100はイギリスのケント州にて結成された1980年代前半に活躍したニュー・ウェイヴ・バンドです。メンバーは
ニック・ヘイワード (ボーカル、ギター)
レス・ネムス (ベース)
グラハム・ジョーンズ (ギター)
フィル・スミス (サクソフォーン)
マーク・フォックス (パーカッション、ボーカル)
ブレアー・カニンガム (ドラム)
という、という当時のイギリスではめずらしい(?)パーカッションや管楽器がいたバンドです。(1980年代のイギリスの代表的バンドはPet Shop Boys、Culture Club、Duran Duranとか、ニュー・ウェイヴ流行ってたんすね)

 因みに「ニュー・ウェイヴ」とは、1970年〜80年代、ピストルズやダムドなどのパンク・ムーブメントによってロック音楽を取り巻く状況が激変したイギリスにおいて、ポストパンクやディスコ、ワールド・ミュージック、現代音楽や電子音楽といったさまざまな影響によって成立した音楽ジャンルの一つです(ありがとうWikipedia)

 そんなニュー・ウェイヴムーブメント真っ只中の1982年に発売されたのが「pelican west」です。
「ファンカ・ラティーナ」と呼ばれる「ファンクとラテンの要素を融合させた」小気味良いカッティングと躍動感のあるパーカッションサウンドに、イギリス伝統のブリティッシュ・ポップが相まったカラフルでキャッチー、それであって洒脱なアルバムになっております。

 1970年~80年代当時のイギリスはニュー・ウェイヴだけではなく「ブリット・ファンク」と呼ばれる、ジャズやファンク、ソウル、ディスコなどを取り入れたバンドによるシーンも盛り上がりを見せており、後年のアシッド・ジャズなどに引き継がれるだけでなく、正にこのニュー・ウェイヴやファンカラティーナなどにも大きな影響を与えたと言われております。pelican westの随所で見られるカッティングやグルーヴィーなベースやリズムもブリット・ファンクから大きな影響を受けていると言えるでしょう。
ブリット・ファンクについてもっと知りたい方はこちらの記事をぜひ。
私がhaircut 100を知ったのもこの記事からです。

 活動期間はわずか1年少々というhaircut 100ですが、後の日本のいわゆる「渋谷系」アーティストにも多大な影響を与えており、代表的な例で言うとフリッパーズギターはhaircut 100の代表曲「Favourite Shirts」をライブでカヴァーしたりもしてます。(「バスルームで髪を切る100の方法-Haircut 100-」って曲まである)

 他にも同年代のイギリスの近しいバンドでAztec CameraやThe Style Councilとかも名前が挙がるのですがキリがないのでこの辺で..
 たった1枚のアルバムですがそこからこんな感じで色んなジャンルや音楽に派生できるとても素敵なアルバムだと思います。「pelican west」はもちろん、ブリット・ファンクや当時のニュー・ウェーヴ、日本の渋谷系の音楽などこの機会に新しい音に触れてみてはいかがでしょう?

ではまた!

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