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40| 軽井沢① 翠(みどり)の波

 二日間の旅程で訪れた、長野県北佐久郡軽井沢。
1日目は、森の中の美術館、セゾン現代美術館を訪れました。

 5月22日 企画展へ
緩やかな勾配の上にある美術館
星花

 軽やかな無音が、みどりの木々、葉々から、さらさら溢れ落ちる。
やわらかいみずを含み、その厚みを増した木々葉々と、それらが根を伸ばす土の呼吸する、力強くやわらかな振動が、手に取るように此処にある。

 みどりが生き生きと拡がる様に、私たちの大地の鼓動が乖離なく、地続きで手のひらまで伝わる、そのこまやかな振動数には、いろいろな発声がある。
その発声が、いま、その音階を変えながら、次々と柔らかく解け、溶けては消えてゆくのがみえる。

 私たちは、いまこの瞬間、天・源へと還りながら、同時にこの地を育んでいる。
そのことを知っていても、知らなかったとしても。
ここまで、絞りきり、流し落としてきた涙の分だけ、とてつもない、やさしさとあたたかさは備わり。
“ありがとう”と、音もなく降り注ぐねぎらいは、いまここに、光のシャワーのように束となって送られているから、顔をあげ、手を拡げ、その宇宙を解放するなら、いまこの瞬間に、波々と満ちあふれ、こぼれるほどに受けとることができる。

だから、また。緑々りょくりょくと、翠々すいすいと、そのすべてを含み、信じて、ゆく。

 はじまりから、幾重にもいくえにも、無数のつながりに愛され、育まれてきたことへの無限の感謝を。

共にここまで携えてきた、大いなる大いなる愛を、いまここに迎え、具現のとき。

いまもいままでも、これからさきもずっと、私たちは波でしかなく、またそうであることゆえの。
無限のよろこびと甘美を、共にいきましょう。
まずは、この星に生命花・いのちある限り。
そして、ずっとその先も。

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