時季早く入手した山吹ひと枝を、自宅のあちらこちらに移し置きながら。
開花を迎え、ひらひらと花弁を落とし、散りおわるまで、その変化変容を、そっと、見守っていました。
ふと、“四弁の一重咲の白山吹には、今春、何処かで出会えるかな…?”
白山吹は、黄色の山吹より稀と、思い込んでいたゆえに、半ば、どうだろう…?と。その日の夕方、近くの植物園を歩くと、あっさり、白山吹を発見。
あたりまえに、楚々堂々と、白山吹はありました。
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自分の内側を風が吹くと手にひらく、『伝書 しむらのいろ』という本があります。
開けば、その瞬間、響き与えあう箇所に、目には見えない目印が引かれていて、溢れんばかりの示唆が送られてきます。
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生まれ落ち、幼少期を育まれた名古屋市緑区鳴海という場所には、絞染という染めの技法と、美しい藍が息づいていました。
わたしが生まれて初めて触れた藍はおそらく、この鳴海の、もしくは隣り有松の藍であろうと思います。
両親の郷里島根県の出雲にも、藍染めされた出西織や出西窯があり、藍色は、背景の、ホームのような、お守りのような存在。
わたしを含むすべてを内包し、呼吸する、〈あお〉。
*以下はMEMO*