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46| 通いあう和らかな水

通い合う水の、たか。

みなでそっと、ひかりの網のいかりをおろしている。
定着し、安定するまで何度でも。
ときに捲れ上がり、吹き飛ばされるならそれもよい。
それすら、いとの内にある大切な瞬間。
同じ瞬間、すでに次のひかりの網の山波が、その場に降りている。

細やかな無数の網路を渡って、水はかよい合う。

網の目には火がともり、通る水は湯気ともなりあたりを潤し、その胎内に生まれくるいのちみどりごを育んでいる。

葉蓋:梶の葉の代わりに、シャルドネ(葡萄)の葉を。

 葉蓋はぶた

その名の通り、水指みずさしの蓋のかわりに、木の葉を蓋とする扱いのことをいいます。
由来は、裏千家十一世家元の玄々斎が、ある年の七夕の趣向の茶会に、家元が好まれた末廣籠の花入の受け筒に、梶の葉を蓋にして、水指に使用されたのが始まりのようです。

 長年、七夕のある七月のお茶のお稽古には、葉蓋を扱う点前と、洗い茶巾という、水を張った平茶碗を持ち出し涼を呼ぶ夏の点前のふたつを、そのときにのみ用いることのできる茶趣として楽しみにしており、6月のお茶のときからすでに、

「(7月は)梶の葉(の入手)どうしよう!?“」

と、声があがっていました。

休憩時、甲山閣(会場)の2階にあるお手洗いに行った帰りに、たまたま廊下で階下に眺めた中庭に、梶の木があるのを誰かが発見(!)し、「お願いして、あれをいただこう!!」と、内輪で盛り上がったのですが・・・(笑)、結局、

 「かわりでもいいよね。
うちのシャルドネの葉は?
 葡萄の葉。」

葡萄の葉

と、ご自宅のベランダから持ち込んで下さった葡萄の葉を用いて、葉蓋をたのしみました。
すると、後日、こんなご連絡が・・・。

「おはようございます。暑い日が続いていますね。
夫が梶の葉の苗を手配しました^^;
ベランダで育てる事になります。
来年はホンモノの梶の葉が使えるかも^^; 」

 さらに数週経って、成長過程の梶の葉のご報告が!

「ベランダの梶の葉が大きくなりました。
来年の葉蓋水差しのお点前には使えそうです^ ^
暑い日が続きます。お身体ご自愛くださいね。」

すくすく育つ梶の葉
七夕
いつも賑やかなTEAM TEA GREEN・・・。(笑)

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