36| 宇治① 鳳凰と翡翠
曇天下の平等院鳳凰堂は、それゆえか、とても美しく感じました。
(まさに、ほぉ…おぉ!…と・・・オモイマシタ!!!)
阿字池が、より深く濃い翡翠を現し出していた所以もおそらくそうであったかと思います。
翡翠に顕る、上下、左右、雌雄に展開されるまえのひとつ処では、飛翔する鳳凰と、いまこの瞬間に着地する鳳凰とが、あわさり翼が幾重にもひろがるが如く。
平等院鳳凰堂を後にし、宇治川沿いへと暫く歩くと、ちょうど山紫水明の位置に、市営のお茶室、対鳳庵があります。
各流派の先生方が輪番にて懸釜を担当され、訪れる方々にお抹茶とお菓子を、振る舞われているそうです。
京都から、私たちの居住地である愛知の岡崎に出稽古においでくださり、私もそのご教授をうけている業躰先生のこともご存知であられて、繋がりの中でしばし話が弾みました。
それについても、どこにいてもお茶との出会いあり、あたたかな一服を会す交流の不思議さと、そのありがたさに感じ入ります。
きけば、インバウンド最盛の折には、日に百人も、海外からお越しの方を中心に、お客様をお迎えになることもよくあったのだとか…! そのことをお伺いし、私はとてもとても、嬉しくなりました。
いずれまた、その光景をかえ、最盛を迎えることを静かに確信し、対鳳庵をあとにしました。
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