3月、弥生。
家を出て、近隣にある大学の構内まで足をのばすと、時間制限付きで、中央図書館に入れることがわかりました。
入館して、久方ぶりに、大学図書室にある蔵書群に触れる。
ゆっくりと、書架を歩きながら手にしたのが、
賢さんに伝えると、「西岡さんの本なら、書斎の本棚に、師匠から譲りうけたものがあるよ。」あわせて4冊を、お借りしました。
「4|お茶って、いいもんだ!」「8|このくにの、祭りの効能」でも、少し触れていますが、父方の流れは島根県旧邇摩郡温泉津にあり、ふるくは宮大工の棟梁をしていました。
今でも父は、島根では「大工屋の、、」と、必ず屋号を名乗りますが、祖父の代には、家業としての大工業からは離れていたようです。
江戸期に棟梁として建立に携わった鐘楼門が現存しており、父に連れられ、妹と一緒に行ったことがあります。
温泉津の湾を囲み、近くに住む親族も、木造船の造船所を営んでいました。
おもては海に面し、うしろには山々を背負い。
日々営む中で、山を育て、手入れして木を伐りだし、その材をいかし、寺院建造物や船を造る。山や木と共にあり、山や木を生かし、山や木に生かされている、ということが、そこにはごくごく自然に、あったのやと思います。