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54| 奈良 susurrus


rustling sound…

12月10日

 12月の光と風。奈良の慈光院と、風の長谷寺。  

 山一帯に点在し、ひろがる境内を歩きます。
あぁ、いいなぁ…。見事だなぁ…。

 ある時代の顕現として、材や技、資源のいっさいが集中し現わされた、その様々な形骸や面影に、触れながら歩くと、奥行きにはいまも、意識はゆたかに巡り、拍動も、きこえてくるように感じます。

もう、同じものは、建たない…。

 無論、そもそもそのような要請も、もう聞こえてはきません。

・・・それでは、いま、ここに、私たちの集中focusにより現すものは・・・?

 同日、長谷寺を後にして、宇陀へと。
鳥が大好きと仰るご亭主が、自ら描かれた天袋や、お召し物や碗などのあちらこちらに、可愛らしい鳥たちの気配、佇まいのちりばめられているお茶席にて、心づくしの炉のおもてなしを受けました。
 
 床には、『寒山鐘聲』の掛物あり、帰り際に賢さんが、付け書院に置かれていた能楽『三井寺』の謡本にきづき、ご亭主にお尋ねしました。そこで、ご亭主から、滋賀県琵琶湖半にある、三井寺の鐘のお話が…。

 

 **  

7月9日

 季はめぐりめぐって小暑。まるで、燃える炉中にあるような、暑い夏の日々がつづいています。

 7月のサンドウ庵は、ちょうど、参加者のひとりの方のお誕生日と重なりました。
年始に皆で書き初めた際、その方が書かれていた練習用の切れ端を、ゴソゴソゴソと持ち出してきて、出雲の民藝紙で、また(!)即席工作を・・・。(笑)
(当日のおわりに、紙をペリっと剥がして、直に、書いていただきました)

 うん。紅炉上、一点の雪・・・。

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