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66| 大きな赤ん坊

 子どもたちの歓声が、虹の在りかを知らせてくれて、バルコニーに出ると、中央に黄金の帯。

 右手には、抜けるような青い晴れ空がひろがり、左手には、濃い雨雲のかかる灰色の空。

 その両極に、大きな虹がかかっていた。

 すやすや、ぐっすり。ゆらゆらと、揺蕩うような、流れ出す心地のよさに心身を委ねて、泥のように深くくつろぎ、休んでいる。

 ゆっくりゆっくり、エネルギーが通い、めぐっている‥。その、内から変化しあらわれてくる周波数を見守り、応じてゆくように。

大きい、赤ん坊・・・?


 ここには、小さな子どもたちがたくさんいて、

「みんなで、子どもたちの成長を見守っているような感じだよ。」

と、聞いていたけれど、わたしはそう聞くと、心の中で、ひそかにクスッと笑ってしまう…。

「見守られているのは一体、どちらだろう…?」

 先日も、「ニシグチさんも誘う!」と、外食にお誘いいただき、

「なんか(子どもが「さそう〜!」って)何度も言うんで・・・。ほんと急にすみません‥。」

と、仰りながら、ピンポンを押しに来てくださるご両親も、ほんとうに素敵だなぁ‥と思う。

   分からなくても、“何かある”

 微かにしかみえない、ひとすじの感覚にひらいている無条件の信頼と、一歩、の勇気、ワクワクを。

 わたしも、いつでもそんな風に、ここに迎えいれてあげられているかな。

 呼んでくれた彼の瞳は、なにかを知っている、やさしいmessengerの瞳。

 いつも、育まれているのは。

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