34| 滋賀① 花雲水
琵琶湖から流れ出る湖水は瀬田川をなし、山深い渓谷と繋がっています。
その瀬田川が、信楽川という川と出合う地点、大石とよばれる地に、佐久奈度神社があり、その大石龍門のすぐそばに、今回訪れた「叶匠寿庵 寿長生の郷」はあります。
碧あおとしたもみじを背に、広間で薄茶を頂きながら、わたしはつい嬉しくなり、亭主の方とのお話が弾みます。
叶匠寿庵さんに、この土地が渡ることになった経緯や、広間建屋は淡交社の設計で、奥の小間の茶室は中村外二さんが関わっていらっしゃること。
梅林のことなど。
大石という地名も、本来は忌伊勢に発した地名であり、古来より、伊勢参拝者が祓いを受ける場所であったようです。
琵琶湖水の流れつく山合いにある、透き通るような碧翠色が、とても印象的な場所でした。
山と水と。
お話を伺いながら、この場所に足を踏み入れてから感じとっていたことと、一碗に顕しだされた一服の中に、たくさんの符号を感じとりました。
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