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34| 滋賀① 花雲水

  “やまとみずと” “滋賀(琵琶湖)と宇治

 「今度、滋賀と宇治に行ってくる。」「滋賀と宇治のどこ?」「具体的に…、今はまだわかんない。ただ滋賀と宇治とだけ。やまとみずと…だから琵琶湖だと思う。」「・・・。宇治はなんで?」「・・・。(今はマダワカラナイ)」 

 ぼんやり具体的な行き先が浮かび上がって来たのは、出発の3日ほど前。
目指す先が顕れホッとしている同行者と、滋賀県の米原から、左まわり、山と湖の間を走る湖西線に乗り、大津をこえて、石山まで下りました。

 石山駅で下車し、お昼ご飯を食べたあと、送迎バスの時間まで瀬田川沿いに少し歩き、琵琶湖の最南下点から北側に、琵琶湖をその奥にある山々とともに、しばし眺めていました。

電車で湖西方面より、琵琶湖沿いを南下
叶匠寿庵 寿長生の郷へ 
新緑の若いみどり
水を湛える花
花佇む水盤のある長屋門をこえて入室
茶室へと向かう回廊
翠色の美しさ
背面にある梅林の碧翠を映す

 琵琶湖から流れ出る湖水は瀬田川をなし、山深い渓谷と繋がっています。
その瀬田川が、信楽川という川と出合う地点、大石とよばれる地に、佐久奈度さくなど神社があり、その大石龍門のすぐそばに、今回訪れた「叶匠寿庵 寿長生の郷」はあります。

 碧あおとしたもみじを背に、広間で薄茶を頂きながら、わたしはつい嬉しくなり、亭主の方とのお話が弾みます。
叶匠寿庵さんに、この土地が渡ることになった経緯や、広間建屋は淡交社の設計で、奥の小間の茶室は中村外二さんが関わっていらっしゃること。
梅林のことなど。

 大石おおいしという地名も、本来は忌伊勢おいせに発した地名であり、古来より、伊勢参拝者が祓いを受ける場所であったようです。

 琵琶湖水の流れつく山合いにある、透き通るような碧翠色が、とても印象的な場所でした。

 やまみずと。

お話を伺いながら、この場所に足を踏み入れてから感じとっていたことと、一碗に顕しだされた一服の中に、たくさんの符号を感じとりました。

芍薬のつぼみ

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