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2|わたしとお茶
お茶との関わりについて書いた文章です。
このように想いながら、お茶に触れています。
“茶の湯とは
ただ湯をわかし茶をたてて
のむばかりなる事と知るべし”
わたしの好きな一首。利休百首のなかの一首です。
この一首に、このただに、すべてが込められているなぁ…と感じます。
ただとは、〈いまこの瞬間〉のこと。
この瞬間に、すべてが在ること。この一瞬のために、すべてが用意されていること。この一瞬から、つぎの一瞬が生み出されていること。
火と水。湯を沸かすためのこの二元素が、茶の湯の根幹を成しています。
火であり、水である。火と水が交じり合う。
その狭間にある、一瞬の空=ゼロポイント・フィールドの味わいを、私たちはみな、知っています。
一瞬の、満ちる、その味わい。
その一瞬を照らし、うつしだすことのできる手を持って、この世界に生まれてきたことのよろこびと感謝。
その手をつかい茶を点てて、目の前にいる方にお出しすること。
それは、その場 = 一期一会でわたしがこの世界に捧げることのできる祈りであり、錬金であり、わたしという愛の表現のひとつでもあります。
湯を沸かし、茶を点てる。それは、なんら特別なことではありません。平常の、なんてことのない日常のなかにこそ流れているゆたかさ。
喉を流れる一服で、そのひとが、その内にある悠久の宇宙のひろがりを、この一瞬に感じられますようにと、ささやかな願いをこめて。
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