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48 |熊野②inspirationote
2日目の朝、目が覚めて朝食をとるまでの少しの間、ひとりで数年ぶりに鬼ヶ城へと向かいました。
唸り声のごとくしなる風と波音に、自らを貫流させながら。それらを受けとめる土の温かさ、たしかさを、地面から感じとり、徐々に深まり、あらわれる、しずかな準備を行いました。
宿に戻ると、再会を約束していた前述の友人から、
“鬼ヶ城に用事ができたので、そこで待ち合わせたい”
との連絡が。
熊野での再会は約5年ぶり、だったでしょうか。
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言葉も音もなく、感覚でふれあうだけで、巡り、動くものがあり、中心の点と点とが重なり、関わりあうところに、渦はあらわれ、みずから動き出します。
無限の意識の働きとして、私たちは止むことなく自働し、共働する存在ですが、その、はかり知れず底しれない、やさしさやあたたかさに包まれて存在していること。
そして、その、“在る”ことへの感謝や敬意と、はなれずに存在し得てあること。
時々、それらをなんとか表現してみようとトライするのですが、結局、言葉のうちにはすべて納まりきることなく。でも、万感の内に無茶なりに、ちいさくみじかく言葉にしてみれば、“いま、感謝”…などでしょうか…。
それはいつも、〈またいま、ここから〉を、ほんのり、淡く、やわらかに含んでもいます。
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むすひと、ときと。
幾星霜、無限万回と繰り返してきたはたらきをいま、今まで、これまでと、わずかにことなる瞳で、みつめなおしているようなきがします。
おおらかな季をもつこの大地、地球の一点に、何度もあらたに降りなおる様に。
一点の破れから生み出されているすべてが、わたしを含んで、そのはたらきそのものを、少しずつ、かえてゆこうとしているようにも感じられます。
その意図や全貌は、いまのわたしには未だ知らずですが…。
きっと、ゆるやかに近づき、一定の幅のうちにせまったりそれたりしながら、ひと息ひと息、呼吸を芯に、深めてゆくように。
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わたしを含む、ひとつひとつのいのちが、深くその真中心から、各々の弧をなぞり、内から無数の面を破り出る軌跡の描く、全貌・全容に、共に肩寄せ合い、密度高く並び立ってあること。
一歩一歩、自らの歩みをこえて、そのことをたのしみに、進めてゆこうと思います。
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