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夏の夜の花灯り

「花明かり」とは 春の夜 満開に咲く桜の花のことで、夜でもほの明るく見えることを言うそうですが、先にご紹介した白ネムの花とともに「夕顔」は まさに「夏の夜の花灯り」だと思います。

仕事で夜遅くかえってきたときに、家の前で ぼう。。と白く咲く花。

お月さまがでていなくとも、月の光をわけてもらったような夜の輝き。

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私が 初めて 夕顔に出会ったのは 2010年。仕入れ先で 出会いました。朝仕入れたときは ドリルのような蕾はあるものの、そのお顔はまだみていませんでした。

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それが 午後4時半頃、気づくと 淑女がやわらかなハンカチーフを開いたような、、美しい咲き姿が! そのあまりの美しさに感動して、あわてて追加で仲卸さんへ電話をして、自分用にも仕入れたのです。

白洲正子さんが「夕顔」という随筆を書かれています。 私は 夕顔そのものよりも先に この随筆を読んでいました。

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白洲さんも 夕顔が大好きで 毎年育てていると。(以下 抜粋)

「夕方の4時になるといっせいに開き明け方にはしぼんでしまうが、次から次へつぼみをもっているので、
八月の半ばごろから 霜が降りるまで 咲き続ける。
名月の晩などは、そこはかとない花が闇の中に浮き出て、えもいわれぬ風情である。」

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夕顔の咲く決定的瞬間をみようと 白洲さんは 息をひそめ目をこらして 見続けることを何度かチャレンジしたそうなのですが、いずれもつぼみは くたびれたように首を垂れてしまったのだそうです。繊細な夕顔は 大事な瞬間をみつめられることに 耐えられなかったのではないかと。そんな夕顔の気持ちを思いやらず 野蛮な行動にでてしまった ということが綴られていました。

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そのほかにも 光源氏の夕顔の君のことも綴られていますので、ぜひ読んでみてくださいね。

琵琶湖の近くの紫式部ゆかりの石山寺へ 友人と旅したときに見た 源氏物語の絵巻の 夕顔のくだりには やはり 夕顔の大きな葉が描かれていました。

それにしても、本当に 驚くほどにたくさんの花を咲かせてくれる夕顔。ほのかな香りもする夕顔に私は 一気に惚れ込んでしまいました。

そのころ、めちゃめちゃ 布袋寅泰さんにのめりこんでいた私ですが、当時の文章に「布袋さんと はるくらい 夕顔にのめりこんだ」と書いています。

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そして 翌年かしら、とにかく この夕顔のすばらしさをみんなに広めたい!と 種をとりよせ、店頭で ご希望の方にプレゼントをしたのでした。

朝顔、昼顔に比べると ちょっとマイナーなお花かもしれませんが、機会があったら ぜひ 育ててみてくださいね。

そうそう、「夕顔運動」という素敵な取り組みが継承されているのを聞いたことがあります。

小学一年生に夕顔の種を配り、夕方 夕顔のお花が咲くまでに家に帰ろうね 夕顔の咲いた姿をみたくて お家に帰りたくなるのでは?というところから始まったそうです。そして その年とれた種の一部を また 次の新一年生にリレーするのだと。 

福岡の酒屋さんが始めて、その後九州中に広がったのだそうです。とても素敵ですね♪

最後は ~月夜の秘めごと~ をタイトルに作った当時の作品です。

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お花はダイヤモンドリリーという白いお花を使っていますが、葉は秋のおわりかけの夕顔の葉です。 

夕顔のお花は 大きいので 秘めごと、、をするには ちょっと 目立ちすぎてしまいますからね♪

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