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JQの編曲力が際立ったNulbarichワンマンライブツアー「Take This Empty Capsule TOUR 2022」ファイナル公演レビュー

今日ある友達と、興奮したコンサートほど言語化がむずかしいよね、という話をしていた。

一昨日のNulbarichのワンマンライブツアー「Take This Empty Capsule TOUR 2022」の最終公演は、自分にとってまさに言語化が難しい興奮度MAXのGIGだった。

今回のNulbarichのツアーは、新アルバムを発表しないまま突入したツアーだったので、必然的に既存曲を多く演奏した。

が、しかしだ。JQ(NulbarichのVocal&プロデューサー)はそこに思いっきり遊びをいれて、既存曲を彩り豊かに様々な形にアレンジにし、めちゃくちゃに楽しませてくれた。

イントロが始まったときに、なんだ?新曲か!?と何の曲かしばらく分からないくらいに変えて、しかもどのアレンジも原曲に負けずとも劣らない、一部の曲は原曲よりこっちの方が好きかも?というくらいのかっこよさで仕上げて演奏してくれた。

あれだけの数の曲のアレンジを考えてツアーに備えるって、どんだけ大変なんだろう。新曲作ったほうがラクなのではないか、ひょっとして笑

いわば、JQの「アレンジこんなのもありますよ大会ツアー」といったところだろうか。編曲ってこんなに色んなバリエーション作れるものなのかと、無限の可能性さえ感じる変化の幅だった。

音楽家の技術の尺度として、一曲をどれだけ多くのパターンでアレンジできるかがあると思うが、JQはその点において、日本、いや世界でも眼を見張るレベルではないだろうか。

コンサートでよくあるのが、好きな曲をアレンジした形で演奏されて、あれ…悪くないけど元のアレンジを生演奏で聞きたかったな…となるパターン。

Nulbarichの場合は、こんなにアレンジ大会を繰り広げたのに、一曲も、ただの一曲も、そういう曲が無かった。

しかも、原曲が劣っているという印象を感じさせるわけでもなく、生の現場で起こる一つの味わい方としてこういう料理の仕方も美味しい、という印象で、どっちも好きでいられるのだ。

なんちゅーアーティストだ。
音楽の天才って、こういう人のことを言うのでは?

今回の公演は、期間限定ではあるけどU-NEXTで配信されているので、もし可能だったらぜひ聴き比べて見てほしい。

「Twilight」という曲。まず原曲はこれ👇

めっちゃカッコいいでしょ。初めて聞いた時は、どんな音楽を聞いて育ったらこんな曲を作れるようになるのかな?^^;と思った。

ほんで、今回のアレンジは👇のリンクからU-NEXTの配信画面に行き、開始からだいたい40m30s.くらいのところから始まります。
(リンクから行けなかったらサイト内でNulbarichで探してみてね)

完全にクラブミュージックみたいに生まれ変わっていて、2分4分(2拍目と4拍目)に入っている、カンッカンッっという手拍子の音がディスコ風でもあり、気持ちいい。ノリやすい!

JQの中に感じるジャミロクワイ


そして、今回はっきりと感じたのが、JQはやっっぱりJamiroquaiが大好きなんだなぁ ^_^ ということ。

このTwilightのアレンジは、ストリングス(バイオリン)の使い方がジャミロクワイを彷彿とさせる。合ってる、合ってる。とてもかっこいい。

ついでに映像を見てもらうと分かるけど、Nulbarichのステージは照明もかっこいい。

このTwilightが終わってSuperSonicに入る間のところで赤いライトがぶらんぶらんと揺れる演出、現場ですんごくかっこよかった…。

そしてSuper Sonic。原曲もむちゃくちゃかっこいいのに、今回のアレンジではFunkyさを濃くして、これまたカッコよく仕上げられているので、こちらも聞いてみてほしいです。

Twilightのアレンジで使ってた2拍目と4拍目のClapの音をそのまま引き継いでアレンジされているところもオシャレ。DJみたいにトラックを鳴らしたまま同じBPM(リズムの速さ)で次の曲に突入し、ずっと踊り続けられるようにしてある。分かってるぅ〜!

つまりここのコーナーは、好きなだけ踊れ〜!っていうことですね。

しかもこっちもジャミロクワイっぽいアレンジ。なつかしカッコいいです。

いやぁ〜これだからNulbarichはたまらない。音楽を楽しむためのお作法が、鑑賞しながら対話させてくれて気持ちよく、とにかく楽しい。飽きない。

しかもバンドメンバーがいつも楽しそう。笑いながら、時には爆笑しながら演奏している。こんなにバンドメンバーが楽しそうに演奏しているバンド、他に見たことないです。

ひとしきり盛り上がりコーナーが終わった後に演奏される新曲も、あえてハズした感じで、あれだけゴリゴリにリズムを感じさせる音楽を作る人かと思ったら、こんなのも作れるのかって、驚いてしまいます。

いやぁ、天才。

というわけで、カッコ良すぎて毎回なかなか言語化に困る、Nulbarichのコンサートのレポートでした。

hanata.jp


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