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さよならを

溶けかけの雪が朝に舞って
君の吐息を濁らせた
「僕らなら終わりはないよね」
寒いとは何も言わずに
僕の上着のポッケに手を突っ込んで
目を見てニヤリと笑ってたよな

「明日の朝こそ早く起きて
見たい映画を見に行こうね」
君はまた僕のせいにして
起きないのは君の方だろ
でも寝顔が見れるならそれでいいよ
映画よりずっと見てたいのよ

「もう、私達」その先の言葉は聞きたくないよ
「もう、私達」その先の言葉は

言わないでってさ空に叫ぶけど
僕の声は届かないね
まだ消えないでよ なあ、君の横顔を
忘れられないから今日も歌うんだ

6日目の蝉が夜に泣いて
君の言葉を詰まらせた
「僕らまだ終わりじゃないよね?」
その先の言葉は言わないで
もう分かってるから
汗ばむ肌を抱き 無理に舌を絡めた

「もう私達 今日で終わりにしようよ」
「もう私達 別れよう」

行かないでってさ君に叫ぶけど
僕の声は届かないね
まだ消えないでってさ星に願うけど

「またじゃあね」ってさ君は笑うけど
僕らきっと もう会えないよ
離れ離れにさ、もしもなったとしても
忘れたくないから今日も歌うんだ

眠れない夜は空を見上げて
君の姿を探し出すのさ
眠れない夜は星を数えて
君との話思い出すのさ

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