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黄色い花のチカラ

1月半ばの寒さ厳しいこの時期に、
気付けば毎年のように黄色い花を求めている。

身体が黄色い花を求めている感覚。

普段から黄色い花を好んでいる訳ではなくて、暖かい春を待ち望んでいる4月あたりまでの期間限定の欲求。
それ以降は色々な色の花を飾る。

家の花壇に長く植えてある、福寿草や水仙といった黄色い花たちが、まだ寒い時期だけれど毎年春を告げてくれる感覚が嬉しくて、それを待てずに黄色い切り花を飾りたくなるのだと思う。

ミモザにチューリップ。
昨年は黄色いヒヤシンスを水栽培して、芽を出し花を咲かせる過程と香りを楽しんだ。

大好きなのはフリージア。
小学生の頃、風邪を拗らせて肺炎で入院したことがあった。
仲良しの友達が病院にはお見舞いに行けなかったから(12歳以下は病棟に入れない、など規制があり面会が出来なかった)…と、退院してから自宅にお花を届けてくれた。

「フリージアって、とってもいい香りなんだよ! 大好きな花なんだ」と言って、ニコニコしながら黄色いフリージアの花束を渡してくれた。

当時はお花に全然興味がなくて、「お見舞いといえばお花だよね」くらいの気持ちで受け取った。

退院直後でまだ寒い時期なので、しばらくは家の中で過ごしたのだけど、母に花瓶に入れて飾ってもらった花から、ふわーっといい香りが漂っていて、気持ちが明るく前向きになって、なんだか元気になれたこと、黄色い色にパワーを貰えたことを、その時の友達の笑顔と共に強く記憶している。

香りの記憶も忘れられなくて、この感覚が軸となって後にアロマテラピーに惹かれることになった。今も時々香りを楽しんでいる。

しかしその体験以降、10代から結構最近までは、花よりもグリーンを好んで、観葉植物やサボテン、多肉植物ばかりを楽しんでいた。

40代に突入したあたりから、急に、自然と「花を飾りたい」と思うようになった。

初めて花屋さんで切り花を選んで買ってきて触れた時、生花の瑞々しさ、生きている力強さを実感した。
こんなにも生きているものとしてパワーを感じられるとは、と衝撃を受けた。

いちばん目に触れるキッチンカウンターに飾るのが定番になり、まず朝起きてきたら水を替えて、花に、葉に、触れる。
顔を近づけて香りを感じる。
じっくり見て、花や葉の色の美しさを味わう。

冬の朝は真っ暗で寒い。
日中もどんよりとした日が続いて、太陽の光を感じられないと、私は気持ちも元気がなくなる感覚がある。

それを花で補っているのかもしれない。
朝、花との一連のふれあいでパワーをチャージしていると実感している。

この感覚は春先までで、切り花を楽しむのも主に冬だ。
日中留守にしている我が家では、暑い時期は気温が高すぎて花がすぐ弱ってしまうので。

今楽しんでいるのは、先日スーパーの切り花売り場で出会った、写真に載せた黄色いチューリップ。

今年はとても寒くて、いつもよりも長い期間、花を楽しませてもらっている。

ここ数日、気温が低くて、身体も気持ちも縮こまりがちだったけれど、今日はカーテン越しの明るい太陽の光と、花の黄色とで、たくさんのパワーをチャージ出来た。

元気にしてくれてありがとう。

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