指先


自分の指先はすっぴんで、隣の人を見ると綺麗な色を纏っていて。
自分の髪はカラーも落ちを誤魔化して、前の人を見ると触れたくなるような優しい匂いを感じたりしている。
素敵だな、こんなに身だしなみに気を遣っていなくて申し訳ないなと思いはするけれど、私は人の目さえなければきっと風呂も入らないしメイクもしない。ニキビがあっても気にしないし、最低限せめて痛くならないように歯を磨くくらいだろうと思う。
だから、必要以上にプラスアルファで時間を使うことに抵抗がある、というよりできない。
でも、そのせいでなんとなく惨めに思ったり恥ずかしさを感じたり、綺麗じゃなくて申し訳ない、なんて気持ちからは免れたい。

「髪がサラサラで」「肌がきれいで」「爪先はかわいくて」「体毛がなくて」「服もそれなりにかわいい」状態を維持すれば、私の劣等感は消えると思う。
だけどこうして言葉にすると思う。なんて、難しいことなんだと。
とにかくマルチタスクすぎる。やることが多すぎるし、どれも継続してかつ更新していかなければならない。
なんてことだ。そりゃできないよ。私が最も苦手なことだもの。
これらよりも、自然と優先してやってしまうのは、こうして文章を書く時間だったり、本読んだり、アニメ見たり、寝たり。それは、みんなが身だしなみにかける労力と同じくらい必要な時間だ。息をするために。

とにかく!全部やるのは無理だ。プライベートでも、優先してやることを決めていかなければ、きっと私はもう首が回らなくなる。できないことに余計苦しめられていく。でも今までと違って、(環境が変わって)どうやら「爪先がかわいい」事実は、人の信頼や好感度に繋がるらしいので、ここからちょっとずつやり始めるとするか。

本を読む、文を書く、アニメ見・・・ながらたまにマニキュアする、くらいの優先順位で、いつか私も自分の爪が好きになって、すっぴんでも自信をもてたらいいな。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?