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コロナウイルス奮闘記 #15

タクシードライバー


犯罪の”真実”に目を向ける

最近の人気作品の「パラサイト」や「万引き家族」、「ジョーカー」のような、現代社会の下級市民の行き場のない状況から心優しい若者が犯罪に及ぶような作品。
「タクシードライバー」の場合は、偶然犯罪にはならなかったけれど。

自殺だって犯罪の一つであって、「車輪の下」にしたって、行き場のなくなった心優しい少年でさえ犯罪に及んでしまう。

僕たちは、犯罪はひとくくりにいけないもの、悪いものと認識する。
犯罪行為自体は許せるものではないし、社会から排除しなくてはいけないことだけれど、そこに至るまでの過程を僕たちは目を向けなくてはならない。

生活や社会に対する憤りを、ちっぽけな自分ではどうしようもなくなって、現状を打破するために、
行き場のなくなった自分の思いをなんとかするために、犯罪に及ぶ。

物語は誰にも存在する人生の可能性の内のひとつだから、僕たち観客は物語で幸せになったり苦しくなったりする。感動する。
犯罪者の物語にしたって、僕たちが犯罪に及ぶ可能性を秘めていることを教えてくれる。

”真実”というと、”事実”と思う人がいるかもしれない。
”事実”は「○○が◇◇を殺した。」「◇◇は良い人だったから、○○の殺人は許されない。」ということ。
”真実”は、「○○が◇◇を殺したのは、○○にこういった経緯があったからなんだ。こういう思いがあったからなんだ。」と知ること。

僕たちは、”真実”と向き合っていかなくちゃいけない。
そこには社会の問題だったり、家庭環境の問題だったりが含まれているかもしれない。
僕たちが頭を悩ませなくてはいけないことは、本当は”真実”の方だと思う。
でもみんな、”事実”ばかりに目がいってしまう。
確かに、”事実”でさえ相当頭を悩ませないとたどり着けない。

人の心はわからない。中々僕たちはわかり合えない。
”真実”を知ろうとすることは、人間の存在への挑戦でもあるから、ものすごく大変なことだと思う。
でも、ほんのたまに僕たちはわかり合うことができる。
僕たちは「人間の呪い」ともとれる互いの「分かり合えなさ」に勝利することがある。
僕は、その瞬間を、じっと待ち構えている。

**

死なない**

誰も死んではいけない。例え本人が望んでいたとしても、僕は、誰も死んではいけないと思う。僕は、人が死ぬことはとても悲しいことだと知っている。
誰かが死ぬことは世界で一番恐れるべきことで、それ以外のことは後回しだと思う。
誰かと一緒にいなくちゃ、人間は幸せにはなれないのだから、人間は存在し続けなくちゃならない。
自分自身に生きる価値を見出せなかったとしても、それだけは大きな勘違いだと思う。
人間は一人じゃ生きていけない。
どんな人であっても、誰かを幸せにできるその瞬間が訪れるんだ。

だから、誰かを生かすために、友達や恋人の「やるせなさ」に徹底的に向かいあっていかなきゃいけないと思う。
その人が自分にとって大事な人でなかったとしても、相手のために生きてやらなきゃいけないと思う。
「やるせなさ」は、どうこじらせるかわからない。
なんとかしてやらなきゃいけない。

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悩みの種は?
**

人間、イライラすることがいっぱいある。
朝起されるのがうざったい。
遅刻するなってうるさい。とかとか。

悩みの種のすべては僕らにとってはイライラの標的だ。
でも、悩みの種のほとんどはありがたいことだらけだ。
おせっかいだって本当はありがたい。

自分にとってイライラする人ぜんぶ撃ち殺すのは間違っている。
本当にイライラしなきゃいけないことはなんなのか、踏み外してはいけないところだと思う。

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