キーワードは「通いきれない」
通いきれない
病院と切り離せない言葉です
私は震災の年の夏に、目の病気がわかりました
異変に気付いてまず開業医に行き、大きいところに行きな、との周りの言葉に総合病院の眼科に行き、その際に言われたのがこの言葉
「系列の病院なら、詳しい先生がいるけど、通いきれないでしょ」
同じ県内だけれど、新幹線で1時間くらいのところにあるその病院にかかることは、先のことを考えると遠い
今回の癌の時も言われました
「ガンセンターでも、どこでも、希望すれば紹介状書くけど、ここ(精密検査してもらった、私が住む市内の病院)には戻れないよ」
下の子供は先天性の耳の異状があって、生後八ヶ月に2度、手術を受け、以後、経過観察で10年通院しました。
通院の間隔はだんだん開いていきましたが、最初の頃はやはり、何日おきとか一週間とか、隣の市の病院へ、通勤渋滞に紛れて1時間ほど、通いました。
長かった。
入院の期間は3週間、小さかったので泊まりで付き添えましたが、あれが通いなら、だいぶしんどかったでしょう。
10年の間に、元々持っていた私のアトピーが重症になり、見かねた上の子の幼稚園の先生が、耳の病院とは逆方向の隣の市の病院を教えてくれて、毎日、点滴をしに通い始めました。
こんな経験があるので、通いきれない、の響きが引っ掛かってしまいました。
患者の自分も、家族にも、負担が増える。
耳の病院は、偶然先生が名医で、とても助かりましたが、そんなことはほとんどないでしょう。
誰だって、いい先生にかかりたい。
病気で病院に行くので、遠いのは通いきれない。
健康な人がお見舞いに行くのとは感覚が違う。
病気になって始めて、通いきれない現実を思い知りました。
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