THE W 2018 感想

女性芸人による大会『THE W』が
開催され、阿佐ヶ谷姉妹が優勝しました。
10年ほど前でしょうか。
伝わらないモノマネを見た次の日に
M-1の予選に出ているのを偶然目撃し、
おもしろい人たちいるなぁ、と思った時から追いかけていましたので、
とても嬉しかったです。 
私に言わせれば、テレビに出ている阿佐ヶ谷姉妹の良さはまだほんの一部。
勉強不足の私が知っているだけでも、あの8倍ほどの面白さがありますので、
この優勝でもっともっと良いところが出るといいな
って思っています。

決勝に出場した芸人さんの雄志、スポットライトが当たったことにより今までの下積みが報われた人もたくさんいて胸が熱くなったし、笑いが大好きなものとして、女性芸人は絶対的に応援すると決めているので、よかったよかったとたくさん思いました。

ただね、言いたいことがある。言わせてくれ。ってことが。
これ、下書きをして一週間が経ちました。
私が感じたことは、言っていいことなのか。楽しんだ人をいたずらに傷つけることになりはしないか。
そう考えていたら、いろんな人の感想を目にして、「あ!やっぱ書こう」と思った。

それは笑いの未来のため。女性芸人が今後も活躍していくために。

だから、楽しんで大満足の人は、ここらへんでやめておいたほうがいいとも思います。聞いて欲しいけど。

出ていた芸人さん、応援しているファンの方々、あそこに出ていた人々、お客さんは誰も悪くない。でもこの大会、褒めてるだけじゃ、ダメじゃね?って思った。
かといって、「つまんねー」って切り捨てるのも違う。大好きな人がたくさんでていて、一生懸命戦ったことは本当だ。
出場者はよりいろんなところに目に留まってほしいし、実際、株を上げている人もいるから。

あなたの感じたことと、私の感じたことの違いは、それぞれであーだこーだ言ってくれ。ノートでも更新してくれ。

優勝した阿佐谷姉妹と準優勝だった横澤夏子さん。

この二組と他の芸人さんたちに私は差を感じました。
それは圧倒的なテレビ慣れ。見やすいなぁって思ったのが上位の二組だった。

あの日は全員が調子悪いと感じました。
最初のラウンド。みんな全員もれなく緊張しているように感じたし、それが次々に伝染している印象を受けました。あのニッチェでさえも口が回っていなかった。ミスを感じなかったのは横澤さんだけ。
あ~しらきさんについては、判断できないんだけど。(あおりVTRの感動からの、あのネタのギャップ最高でしたね!)

ミスがあったからどうなのか、とも思います。ただ調子悪いなかで、ミスがより際立つように感じた。やっぱり場数なんじゃないかなって、単純に思った。漫才の人たちは、笑い待ちの間が長かった。もっとポンポン流れていっても全然こちらには届くし、あともっと聞きたかったし。それは私がテレビを見慣れているからで、舞台が違っていたら、また感じ方も違ったのかも。
(根菜キャバレーはもっと二人の掛け合いが見たい。天野さんは声にキャラが乗っているのでもっとしゃべっていい)

ところで。
テレビの決勝とライブの準決勝があまりにも違う競技である
というのは、結構言われていることです。
予選は、お笑いに詳しくライブに行き慣れているニッチなお客さんの前で、勝手のわかっている暗幕の劇場。対して決勝は、テレビの観覧に応募してきたお客さんの前で、きらびやかな舞台。
THE Wの予選の客層は特にコア中のコアと言われています。

じゃあ、審査員がおかしいのか。そこまではわからない。
テレビ映えはもちろん考慮に入れて審査しているだろうし、それでも会場のウケは無視できないでしょう。
しかしながら、あの決勝の場で会場を制する人が少なくとも過半数は出ていないと大会としてダメだと思う。残念ながら、私は、今回、そう感じなかった。

演出がんばれ。人選も。あと女性のための大会だって言っているのに、容姿に関するネタ多すぎるのも、どうかな。ダメだって言っているわけじゃない。笑いの取り方のひとつとして、別にいい。でも何組もあげるのは、その大会主旨と違うんじゃねーかなって思う。女性のためって言ってんじゃん! 笑いを取りたい以外で、自らさげすみたい女性なんていない。

一番の脅威は、この大会をすごく褒めて応援している人は、出場者のライブに行っているお笑いファン。逆にくさしているのは、それ以外のお笑いファンだってこと。(私が目にしたかぎり)
こんなんじゃ、ますます笑いを推奨する世の中から、遠ざかっちまう。
お笑いファン予備軍を減らしてしまう。
笑うことってステキだよね、ってみんなが思う社会になりたいのに、このまま放っておいたら、正論をわざわざ言ってくるつまんねー今の日本がますます深刻な状態になるよ。
この大会、つまんないっていうことは簡単だよ。
じゃあ、どうするの。せっかくのチャンス。テレビで放送する機会があるのに、出ないほうが得だって思われる大会のまま野放しにしていいわけ?

まだ二年目の大会。ここからぜったいに傾向と対策が練れる。予選までは、コアな女性芸人目当てのお笑いファンを取り込み、決勝では、テレビ用に映えるネタを用意すること。が、今んとこの私の深くない知識で出た対策だ。どうだろう。

出場しなかった女性芸人を、地団太ふんで悔しがらせるような、ものすごい活躍方をするような芸人さんが、この大会で結果を残しますように。

M-1だって、最初の二年は「しょーもね!」と思ってみていました。実際、番組としても間延びしていて、見る価値が本当にあるのか?とずっと疑問でした。「ガチだガチだ」と呪いのように放出する演出も、鼻白みもんでした。でも、チュートリアルが優勝してものすごい活躍したことで、それ以前に出ていた芸人さん(もちろん出ていた人はみんなもともとレジェンドです)をも、押し上げる大会になったのです。結局、出ている人の功績が大会を変えると思っています。

チャンスはみんなにある。

私がなんでこんなに熱く語るのか
というと、日常で女性こそがおもしろい、と心から思っているから。

女性はつまらない、って言われたくないから。こんな大会があると、簡単にそう言われてしまう。だったら、批判するんじゃなくて、利用しなくちゃ。

性別関係なく、つまらないやつが、ただただつまらないだけなのに、悔しいじゃないすか。

長々すいません。
見ている立場で勝手に語りました。
ネルソンズのよしログで、芸人さんがダメだった時に、客側が枠とか運営とかのせいにするの一番傷つくって和田さんが言ってました。
けっこう言いがちだから、ハッとしたけど、
でもさ、言わせて。
それもお笑いの楽しいことの一部じゃん。
実際現場にいる人の感じ方と違うの、知っているよ。
ただ、きっとわざわざ芸人さんに言いに行くのは違うってことよね。
内輪で楽しもう。
最近こういうことが増えたよな。
SNSで空間広くなった分、言ってはいけないこと、遠慮することが増えて、
なんだ結局友だちと直接会って、人柄知った上で、いろいろ言うしかないんじゃん。常にリアルの勝利。ううう。

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