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歴史ある伝統的なガラス工芸技法 micromosaic  

こんにちは!
hanahana jewel hiro(はなはなじゅえるひろ)の ふくざわです♡

micromosaic ってどう発音しますぅ?
イタリア語はミクロモザイク、英語はマイクロモザイク

国内ではとても珍しいmicromozaic.。
鮮やかな色と緻密なガラスパーツで作られている
イタリア ヴァチカン発祥の伝統的なガラス工芸技法。

産業革命で財を成した富裕層の間でステータスシンボルとなる
華麗な歴史を持つ『ミクロモザイク』についてご紹介します。

17世紀、カトリック教会の総本山であるサン・ピエトロ大聖堂で、
当時劣化が著しかった絵画の複製にモザイクを使用するという
大規模な修復プロジェクトの際に、ヴァチカン内にモザイク工房が
開設され、数多くのモザイク職人が誕生。
この当時は、大聖堂の建築物修復のためのモザイク技術として継承。

しかし、職人たちは修復が完成してしまうと職を失ってしまいました。
そこで彼らは身につけた技術で稼ぎを得るために、サイズを縮小して、
家具や額縁、更には持ち運びのできる小さなモザイクの作品を作ることを
考え生まれたのが装飾品としてのミクロモザイクでした。
同じ頃、美術 特に絵画の世界で変革が始まっており、1世紀の間に
モザイクは作家の自由な発想や技術を駆使した単純な作品から
少し手の込んだものへと急成長を遂げ、貴族や富裕層を魅了。

18世紀に入るとヨーロッパの貴族の子弟たちが語学や見聞を広めるために
フランスやイタリアを訪れる「グランドツアー」が流行。
特にローマは遺跡も多く人気の地でした。当時イギリス貴族の子弟が
ローマを訪れた記念品としてミクロモザイクを購入することが
ステイタスとなり人気。
その頃は写真が一般的ではなかった時代、ローマの遺跡や大聖堂、風景画、民族衣装に身を包んだ女性、イギリス貴族が好む狩猟をモチーフにした
野生動物や犬などが描かれていました。
ローマンモザイクと呼ばれる初期の作品は、単色のガラスパーツを並べて
描かれています。犬の毛並みや建築物の細部を1本ずつ細かいガラスを
並べた描写のテクニックは19世紀にはなくなったといわれる幻の技術。

20世紀前半、コスチュームジュエリーが流行した時代には、金太郎飴の
ように細工した極小のガラスパーツを並べ緻密で手の込んだ装飾品が
登場して人気。
ココ・シャネルが宝石の価値よりデザイン・ファッション性を重視した時代背景があり、ミクロモザイクも貴金属のベースから合金を用いれられながらも美しい細工が施されています。
フィレンツェ を中心に作られていたお花などの金太郎飴のようなパーツを
配置する技法は、ガラスを配置する手間を大幅に簡易化しました。それでも大変手間のかかる作業。

現在では、その技術を継承する職人も少なくなり工房も少なくなってしまいました。ローマやヴェネチアで見かける素敵なブローチやピルケースは、
かさばらす手頃なお土産として人気があります。

日本で作られているミクロモザイクは、歴史ある伝統的なヴァチカン発祥の技術を手探り状態で何年も研究を積み重ね、その経験と日本で培われてきた
とんぼ玉の技術の双方を融合し、新たなミクロモザイクが生まれています。
特徴として、日本らしい優しい色合いと繊細で緻密な技術を用いて
小さい作品から大きな作品まで幅広く制作されています。様々なガラスの
魅力が感じられる楽しい作品が作られています。

私の場合、更に半透明のガラスやステンドガラスでガラスパーツを作ったりと人とは少し違ったものを制作しています。
色々なガラスの魅力をどう表現できるか、日々実験のように新たな
チャレンジに励んでいます。

愛用の卓上バーナー


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