天才ピアニストのレジのネタ

The W 2021を見終わって、なぜか分からないけれど天才ピアニストの2本目のネタが頭から離れなかった。
面白さの他に違和感のようなものがあって、それを言葉にしてみたい。

まず、客の買い物カゴから今日の晩ごはんを推測して、外れていたら店員(仮に上沼さんとする)が全額払うというルールは、あまりに上沼さんに不利ではなかろうか。
上沼さんが一時の悦楽のために、良くて引き分けの賭けをする動機がいまいちよく分からない。

それにこのゲームはルールに不備がある。
少なくとも、
①買い物カゴの中の食材は全て晩ごはんに使用すること
②客が他の店では買い物をしないこと(基本的な調味料は除く)
以上の2点が守られねば、上沼さんが献立を当てることは不可能に近い。

また客側には、必要以上の買い物をしないモラルが求められるだろう。
上沼さんが破綻してしまうからだ。

以上のルールから逸脱した買い物を客がしたときに、それはアンフェアだから正々堂々と勝負しようと上沼さんが懇願するくだりが、コント内に必要だったと思う。
ルールを明示した場合、このコントは2700の『キリンスマッシュ』のような、緊張感の張り詰めたネタになっていた。

つまりこのネタは、本質的にはギャンブルのネタであるにも関わらず、ギャンブルの愉しみが描ききれていなかった。

キリンスマッシュ、CRまさのり、リズム縄跳び、矢田心と鹿沼さんのようなひりつきがなくては、私はもう満足できないのだ。

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