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【360度メディア活用】在りものからの脱却

教習所からの脱出

初めまして。
イシハラと申します。
一年前よりフリーで映像の制作や撮影をしています。

指定自動車教習所で教習指導員及び技能検定員として勤務していました。
動画編集は趣味として10年ほどやっていたのですが、
本格的に勉強し始めたのはここ3年程度です。

教習指導員というのは、資格がないと教習ができません。
しかも教える車種ごとに資格を取らなければなりません。
さらに言えば応急救護や適性検査なども別の資格が必要ですし、
検定員資格も車種ごとに必要です。
教習所によって免許が取得できる車種は違いますが、
私がいた教習所では長い期間をかけて全部で資格を15個取ることになります。

ただ20年近くも勤務していると、さすがに全部取得してしまいます。
というより10年くらい前に全部取得してしまいました。
そうなるとただ同じような日々が続くだけで、新しく勉強するものも練習する必要もなくなります。
それが楽だという指導員もいますが、私にはそれが内心不満でした。

そんな不満を抱えているところに現れたのが「オンライン学科」。
名前の通り、学科教習をオンライン上で受けられるというもの。
この方式の学科教習を警察庁が認めたのです。
私にとっては光明が射したように思えました。
コロナ禍も良いことあるんだなぁと思いました。

しかしそう上手くはいきません。
これからの時代、絶対にオンライン学科はスタンダードになるはずだと、教習生からの要望も多いと説いたのですが、教習所業界というのは昔からアナログな業界です。
上司や所長にオンライン学科を導入しようとあらゆる説明をしたものの、
どういうものかが理解できないのか、なかなか受け入れられませんでした。
結局、上司や所長、社長を説得するのに2年かかりました。

そうなればあとは突き進むだけ!と思いきや、
今度は指導員たちからの反発が…
先ほど言ったように「ただ同じような日々を過ごしたい」勢がいるので、
新たなことを始めるのはいいが、面倒なことはしたくないという主張。
しかし私一人では始められないので、指導員の協力は必須。
心を無にして頭を下げ、突き進みました。
今思えば、この時点で私の心は教習所から離れて行っていました。

バタバタしながらも映像を作り終え、オンライン学科の開始時期が見えた頃、私は会社に退職願を出していました。
比較的デジタルに詳しい2名に全力で引継ぎを行い、私はフリーの身になります。


個人事業主の道

そして最初に始めたのは「オンライン学科映像を制作する」というもの。
オンライン学科映像は1本50分の映像を最大21本制作します。
出演者はその学校の指導員でなければなりません。
その他にもいろんな制約があったり、県によってもルールが違ったり、教習所全体のルールがあったりと、外部の人間にはとても近寄れない聖域です。
ただ映像制作として見れば、非常に簡単な部類です。
なので私のように指導員が制作している学校もあります。

ただ制作できる人間が一人もいない学校が多くあるので、
私はそこを狙って日本全国の指定自動車教習所に営業をかけました。
しかしオンライン学科というのは学校全体を巻き込んだ一大事業。
社長がGOを出すだけでは始められないものでもあります。
私のイメージではオンライン学科を始めたい学校からポンポン依頼が来るものと思っていましたが、いざ始めるとなると腰が重くなる学校がほとんどでした。

ちょこちょこしか依頼がないため、やはり他のこともやらねばといろんなものに目を向け始めました。


「映像」の広さを知る


ドローンは以前からやっていたため、国家資格を取り、大型ドローンによる空撮や、小型ドローンによる屋内撮影ができるようにしました。
一眼レフやビデオカム、アクションカメラなども用意して、あらゆる撮影環境を整えました。

映像制作についてもひたすら勉強し、作りを繰り返し、実力を上げました。
Premiere ProやAfter Effectsばかりでなく、AuditionやDimensionなども勉強しました。

クラウドソーシングサイトやビジネス系マッチングサイトや異業種交流会などであらゆる人に会い、人脈を広げ、チームを作り、いろんな可能性を知りました。
気が付けばいろんな仕事をこなすようになっており、教習所からの依頼も増えてきました。


360度映像の可能性

360度カメラというものの存在は知っていたものの、何が面白いんだろう?くらいの認識しかありませんでした。
なので「ほぼ知らない」に等しいくらいだったのですが、
「あたらぼ」の募集を見て、Actualさんの360度作品を見て、衝撃が走りました。
Wherenessというアプリの本質を知った時、自分を恥じました。

最近の自分はずっと誰かの後追いをしてきていた。
人がやってきたことと同じことをやっていた。
教習所のオンライン学科映像制作は他にやっている人がいない。
そういう自分だけのオリジナルを作りたい。

できるかどうかはさておいて、今回の「360度メディア活用」では
「誰もやっていない新しい何かを作る」をテーマにしていきたいと思っています。
もちろんチームで人と一緒に何かを作ることによる学びもあるので、それはそれでやっていきたいですが、個人としては「新しい発想で新しいナニカを生み出す」ことが今回の研究のテーマです。

とても長い文章になってしまいましたが、それ以上にこの先の人生は長い。
人生のテーマの一つとしてもゆっくり考えていきたいと思っています。

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