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VIVE XR Elite の体験会に参加してきました


会場入り口のポスター

2022年2月13日、note place で HTC の新作HMD、VIVE XR Elite の体験会が開催されました。開催数日前の告知だったのですが、たまたま東京に行く用事があったので参加することにしました。私が参加したのは全3日あるうちの最終日。「デベロッパーデイ」というテーマでAR機能とハンドトラッキング機能を中心に体験できました。

VIVE XR Elite のスペックなどは他のブロガーやYouTuberが詳細に解説していると思いますので省略し、ここでは私の個人的な感想のみを述べていきたいと思います。

焦点距離ダイヤル

ダイアルは無段階調整できる

VIVE XR Elite の目玉機能の一つは可変焦点ダイアルです。

実際に体験したところ、このリングは無段階で回るようになっており、微調整が可能でした。また、本体のセットアップ時に片目ずつ調整するように案内されるので、迷うことはありません。このリングを回す際は、フェイスクッションを外す必要があるので、VRを体験している途中で微調整するということは難しいと思われます。一度設定したら基本的にはもう変える必要がないのである意味、誤操作してしまわなくて良い仕様かもしれません。

焦点距離の調整には限界があることは要注意です。私は普段左右ともに -5.25 のコンタクトレンズを着けていますが、VIVE XR Elite の補正可能な最大である「6」にしたときにぎりぎり焦点が合うかなと感じました。正直言えば、もうほんの少しだけ値を上げたいと思いました。つまり、私よりも強い矯正レンズを必要としている方は VIVE XR Elite の可変焦点機能では不十分ということになります。

ディスプレイとパンケーキレンズ

VIVE XR Elite は片目1920x1920ピクセルの液晶ディスプレイとパンケーキレンズを備えています。普段 Valve Index (片目1440×1600) を使用している私からすると少しスクリーンドアエフェクトが減って視界がクリアになっているかなという印象です。今回体験したのはスタンドアロンモードによる低解像度のコンテンツだったのでディスプレイの精細さに関しては十分に確認できなかったのが正直なところです。ここは他の方のレビューを参考にすることになるかと思います。

パンケーキレンズに関しては、本体の薄さにかなり貢献しているのではないかと思います。私にとっては今回が初のパンケーキレンズ体験だったのですが、視界の周辺が広角レンズのように歪んでいるのが気になりました。目が慣れれば気にならなくなりそうですが、最初はちょっと違和感を感じるかもしれません。

装着感

VIVE XR Eliteは軽く重量バランス装着感が良いため、体験会の間HMDを装着していることを忘れてしまうほどでした。これは、本機の最大のメリットと言って良いと思います。体験会はバッテリー装着状態での体験のみでしたので、サングラスモードでの装着感については残念ながら分かりません。

フェイスクッションは簡単に着脱できる

フェイスクッションは布素材でできており、マグネットで簡単に脱着できます。公式からは今のところフェイスクッションのみの販売はないようですが、おそらくサードパーティが出してくると思います。2つ用意して、片方を使用している間にもう一方を洗濯するという運用ができそうです。(公式が洗濯できると言ったわけではないので洗濯する場合は自己責任でお願いします)

内蔵スピーカー


HMDのつるにある内蔵スピーカー

体験会ではARライブコンテンツを視聴できたので、VIVE XR Elite の内蔵スピーカーについて感想を書きたいと思います。ライブの内容はロック系音楽でした。まず、音量調整の範囲ですが、最大にすると近くでアテンドしてくれている人がなんと言っているか分からなくなるほど大きな音が出せます。私はIndexの他にQuest 2も普段使用していますが、Quest 2の最大音量よりもずっと大きな音が出せると言って良いでしょう。また、最大にしても音割れがなかったのは特筆すべき点でしょう。とはいえ、これは音割れが起きないように低音がカットされているからとも言えます。視聴したのはロックミュージックですが、ドンとくるキックドラムやベースギターの低音は鳴っておらず、いまいち迫力に欠けていました。タブレットに搭載されたスピーカーで音楽を聴いているような感じです。音楽鑑賞、映画視聴、銃声や爆発音が大事なVRFPSでは少し物足りなさを感じることが予想できますが、VRSNSやARでの利用がメインなら十分に良い性能を備えていると思います。

ハンドトラッキング

体験しに行ったのは「デベロッパーデイ」ということもあり、VIVE XR Eliteのハンドトラッキング機能をじっくりと体験することができました。トラッキングの速度はQuest2のものよりもずっと速いと感じました。Quest2では実際の手の動きよりもワンテンポ遅れてVR内の手がついてくるといった感じがしますし、ゆっくりと手を動かさないとうまく追従してくれなかったりします。しかし、VIVE XR Elite のハンドトラッキングはそれよりもずっとキビキビと追従し、自然な速度で手を動かしてUIを操作できるように感じました。また、オプションのVIVE リストトラッカーを着けるとさらにトラッキングの速度は向上し、手が視界に入った瞬間に表示されるようになります。これは、素早くて大きな動きのオペレーションを必要とする場面ではかなり重宝されるでしょう。もっとも、リストトラッカーがトラッキングしているのは手首の位置だけなので、カメラに写ってから指先の動きのトラッキングが開始されるまでには少し時間がかかりますが、人間が指先で細かい操作をする際も、まず腕で大まかな位置を決めてから次に指で微調整するという流れになりますので体感上の遅延感はあまりないのではないかと予想します。この素早さなら、今後、ハンドトラッキング主体のXR体験がメインになってもおかしくないと思えます。

パススルー

VIVE XR Elite はフルカラーの2Dパススルー機能を備えており、本体左上のボタンを押すだけで素早くVR世界と現実世界を行き来できます。パススルーの画質と追従性は結構良く、素早く首を振っても気になるほど遅延していると感じることはありませんでした。また、現実世界よりも若干すべてが拡大されているように見えるため、自分の手を見てみると、現実よりも大きく、手相が綺麗に見えたのが印象的でした。VR開発をするとき、HMDの鼻の隙間から画面を見てPCを操作したりすることがありますが、VIVE XR Eliteを使えば、そのような面倒なことをせずともボタンを押すだけで楽な姿勢でPC操作ができそうです。(PCVRのストリーミング時にパススルー機能が簡単に起動できるかどうかは確認できていません)

まとめ

体験会は15分という短い時間でしたが、VIVE XR Elite の良い点と気になる点をいくつも発見することができました。音質の面に目をつぶればIndexからの乗り換え先としてかなりアリなのではないかと感じています。PCVRでVRSNSを遊ぶのがメインの使い方になりますので、最終的にはストレスなく長時間使えることが重要になってきます。その点、VIVE XR Eliteの異次元に良い装着感はかなり有利に働いてくると思います。

以上が私のVIVE XR Elite体験会の感想です。ここまでお読みいただきありがとうございました。

#VIVEXRELITE





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