ため息を 言葉にしてみよう 〜バニラ〜

スガシカオさんの25周年ツアー「大感謝祭 Big Thanksgiving Party 2022」

私も行ってきました、のはず、なんですが、以下は「スガさんが見えなかった話(じゃ、何を見ていた?)」ですので、ご笑覧いただければ幸いです。


2022年10月2日(日) 開演 17:00  於:金沢市文化ホール
席はほぼセンター。真正面にスガさんが来るのね、と立ち上がったら、

うわぁ、…… うそっ、……

前席のお兄さんの後頭部と丸かぶりでステージの中心部分が全く見えず。

… くっ、くっ、くっ …

うん、今日はDURAN祭に変更だ。1曲目の途中で、このシチュエーションがなんだか妙に面白くなって笑ってしまいました。演奏中の姿が見えない分、よりいっそう耳をそばだて神経を集中させていたんでしょう。声や音と自分のタイミングとがぴったり重なった時の気持ちよさったら、もうね、(んふっ♡)なんです。
「直接・心に・触れる」って、こういうことなのかな。

2023年2月1日発売予定のニューアルバム「イノセント」のリード曲『バニラ』。フルVer.お披露目の前にスクリーンに「18禁」の文字が。私は19歳(+◯2歳)なのでギリギリ大丈夫でしたが、衝撃すぎてジタバタ(小躍りして喜んでます)。しかし、どんな顔して聴くのが正解なのかわかりません。マスクがあってよかった。むしろ真っ直ぐに見つめられたら、とろけてしまう。衝立があってよかった。(衝立!)

途中ふと周りを見渡すと、左斜め前のお姉さまが、ぼおっとスクリーンを見てました。もしかしたら『Progress』派(嗜好で分けるなら私は『イジメテミタイ』派)を困惑させてる?だって、あの18禁映像付きで聴いたら、ホントに同じ人が描いた歌詞なの?って疑いたくなるもの。彼女が慌てて纏った鎧を外すべく、というか自ら脱ぎ捨てたくなるだろう、今思えば、じっとりとした空間に押し込められて何度も撫でられてる様な曲だった。レコ発ライブはもちろんありますよね?会場で聴いてしまったら、もうショートVer.では物足りなくなってます。

コーラスのJUDY.さんに合わせて手振りしたり、定番コール&レスポンスで盛り上がっていく客席、そんな中でも彼は終始微動だにせず。大事な部分は卵型に黒く塗りつぶされたままで固定され、結局センターにいるスガさんは見えなかったのです(涙)。強がってはみたけれど、やっぱりちょっとは見たかった(涙・涙)。
感動なのか緊張なのか。彼は初ライブだったのかな?それならわかる。心をぎゅっっと掴まれて息をするのもやっとなんでしょ?迂闊に声も出せないのに、ちょっとイジワルが過ぎますってば。

ついに!

アンコールで、赤いTシャツ姿のスガさん(半身)が見えました。彼は右手を上げて、ゆらゆら揺れてたんですよ!ふぁーっ、おめでとう!!
もしかして、肩をポーンって叩かれたんじゃない?
キセキの瞬間に立ち合ってしまった、か、どうかは妄想ですけど。


前に背の高い人がいて見えないとか、隣の人と手がぶつかるとか、以前はコレが普通でしたね。前回のライブは後ろの方の席なのに、頭のてっぺんから靴のつま先まで、ギターも込みでよく見えたんだっけ。
会場の収容率50%という制約で、ある意味「贅沢」なライブを味わってしまったみたいです。オーダー不可、ネタは時価、作法にうるさく、1日限定◯組の★☆☆お寿司屋さんで黙食みたいな?空腹すぎて、帰り道はそんなどうでもいいことしか思い浮かばなかったんです。飲食店とのコラボイベント「Live and afterglow」どころか、せっかく金沢に行ったのに回転寿司にすら行かずに帰らねばならなくなってしまったもので。でも、1週間ほど耳と体内に残る記憶を反芻してはニヤニヤしながら味わいましたので、まぁいいか。
ちょっと不便でも好きなものが選べて、美味しいねって笑い合える、やっぱりそっちがいいな。お茶なら私が淹れてあげるよ。