見出し画像

「たかだか模写をしたくらいでなくなってしまうような個性なら」か、なるほど。


 こんばんは。華です。

 私は南関東、神奈川県住みなのですが、台風11号の影響なのか。
 数十秒、突然激しい雨が降ったかと思えば小降りになり。この小康状態が続くのかなと思いきや、数分後にまた、突然雨粒が大きく激しくなり。
 まさに「不安定な天気」の夜を迎えております。
 遠い地の話と油断せず、台風の影響で前線が活発化することを忘れずに、気を引き締めて雨風対策をしなければなりませんね。
 ……という文章を昨夜書いていたのですが、寝落ち(苦笑)
 冒頭を書き換えようかと思いつつ、今日一日も引き続き、不安定な天気を頭に入れた行動をしなければならない空模様のようなので、このままに。

 さて、では早速ですが、昨夜どうしても発信したくてたまらなくなった話題について書いていきたいと思います。

 昨日の日中より、久々に読書を始めました。
 読み始めたこの一冊を読了するまで黙っているつもりでしたが、声を上げたい衝動をどうにも抑えることができません。

 今、読んでいるのは奈良裕明著『1週間でマスター 小説を書くための基礎メソッド 小説のメソッド<初級編>』

 出版社は雷鳥社。
 雷鳥社。聞いたこと、おありですか? 私は初めて聞きました。
 講談社でもKADOKAWAでも新潮社でもなく、雷鳥社。
 雷鳥は寒い地でしか生きることの出来ない鳥。よって北半球北部のみでしかその姿を見ることが出来ないようです。
 その南限が日本。しかも気軽にハイキングで訪れることの出来ないような高山のみに生息している模様。雷鳥の日本での生息個体数は現在では二千羽以下と考えられており、国の特別天然記念物として登録されているだけではなく、絶滅危惧種にも指定されているそうです。
 我々の自然への接しかたを問うような存在、雷鳥。神の鳥としても人々に大切に想われているこの名を社名に選んだ雷鳥社と出会えたことに感謝。

 実は私、水菜月華は、作家になることを夢見ています。目指しています。
 とはいえ。
「誰か」の影響を受けたくない私がいました。
「この人の書く文章が、文体が好きだ」と思う私と、「この人の真似をしたと思われたくない」と思う私とがいつもいつもせめぎ合っていた。

 ――誰かの真似なんかじゃ嫌だ。私は私。私は私の感性だけで勝負していきたい。

 だから。
 小説を書く基礎を学べるような学習本を一冊も読んだことがありません。

 もちろん、普通の小説は出来るだけ読む時間を作るよう心がけています。
 特に童話、絵本で「すごいな。短いこの一文で、主人公のこれまでの苦悩を想像することが出来てしまう」と思うような場面は、裏紙に手で書き写すこともしてきました。

(これに限らず、これまでたくさんの作家さんの独特な言い回しやハッとさせられる一語をメモしてきたノートもありました。諸事情により、そちらノートは数か月前に処分してしまいました。でも……。この童話・絵本系だけはどうしてもシュレッダーにかけることが出来ず、机の片隅に立て続けておりました)

 だけどね。
 心の片隅に「すごいなと思ったところを盗もうとすることは、褒められたことじゃないんじゃないかな? 猿真似、二番煎じが通用するわけがないのだし……」と、引っかかってもいました。

 ですが。
 奈良さんの言葉に触れ、私の中にあった「通用するわけがない」の疑問がきれいに消え去りました。
 

 本書p.72より抜粋。
「模写を怖れてはいけない」
 これは、老いたロダンから画家を目指す若者へのアドバイスです。
(中略)
 ロダンは、その不安を怖れるなと言っているのです。たかだか模写をしたくらいでなくなってしまうような個性なら、その程度の個性しか持ち合わせていないなら、初めから画家になろうなどと思うな。その不安を克服し、覚悟を持って画家を目指せ、と。

 これを読んだ瞬間、涙が溢れてとまりませんでした。
 ――私は私。私は私の感性だけで勝負していきたい。
 なんと愚かなこだわりにしがみ続けてきたのでしょうか。
 三年かな。多分三年間、「誰かの真似なんてしたくない」と、意固地な態度でもって作家を目指そうとしていたのです。

 ほんとに……、なにやっていたのでしょうか、私は。

 ――今、この時期に大切なことに気づくことが出来た。

 これからは、しっかりと自信を持って「尊敬する作家さまの素敵な部分を盗む、吸収していく」の意識で「すでに書かれた文章」に触れていきます。

 この、「真似は悪いことではない」の最高の例だと私が感じたフレーズがあります。

 p.95に出てきたこの一文。

――考えるんじゃない、感じるんだ!

 このフレーズは、故ブルース・リーが何十年も前に映画『燃えよドラゴン』の中で発したセリフだそうです。

――考えるんじゃない、感じるんだ!

 このフレーズ、ある有名なセリフに似ていると思いませんか?
 はい、そうです。
 かの有名な刑事ドラマ『踊る大捜査線』の劇場映画版で織田裕二扮する青島俊作刑事が発した怒りのセリフ。
「事件は会議室で起きているんじゃない! 現場で起きているんだ!」

「考えるんじゃない、感じるんだ!」と、「事件は会議室で起きているんじゃない! 現場で起きているんだ!」。
 この二つのフレーズ、酷似しています。
 ……と感じたのは私だけでしょうか(苦笑)? 

 踊る大捜査線側がブルース・リーのセリフの猿真似をしている? 二番煎じ?
 いいえ、全くそんな印象など受けません。

 そう、「このリズム、なんか良いな」と自分の中に強く刻まれているそれが、ふとした場面で、セリフで「私の個性」として新たに湧き上がってくるこれのどこが猿真似でしょうか。

 ――たかだか模写をしたくらいでなくなってしまうような個性なら、その程度の個性しか持ち合わせていないなら、初めから画家になろうなどと思うな。

 ロダン。「考える人」という有名な彫刻を作られた方ですよね。小学校の、中学校の美術の教科書で必ずといって良いほど見かける画像が瞬時に頭に浮かびます。
 ↓↓↓

  ――たかだか模写をしたくらいでなくなってしまうような個性なら、その程度の個性しか持ち合わせていないなら、初めから画家になろうなどと思うな。

 創作を志す者全てに向けて発された檄。
 とても勇気をいただけた文章だったもので、何度も貼り付けてしまいました。しつこく感じた方がいたとしたらすみません。

 さあ、明日から月が変わって九月。
 気持ちを引き締め、気持ちを新たに、夢に向かって歩き続けます。

 水菜月華のこれからを見守ってくださると幸いです。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?